人間飢饉
略歴・概要
編集ビブリオグラフィ
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国立国会図書館蔵書による収録書籍の一覧である[7]。
●﹃平手造酒 人間飢饉﹄、日本小説文庫、春陽堂、1932年
●﹃新選大衆小説全集 第19巻﹄、非凡閣、1935年
●﹃人間飢饉﹄、三河書房、1948年
●﹃大衆文学大系16大仏次郎・村松梢風﹄、大仏次郎・村松梢風、監修大仏次郎・川口松太郎・木村毅、講談社、1972年
映画
編集闇討渡世 | |
---|---|
監督 | 伊丹万作 |
脚本 | 伊丹万作 |
原作 | 村松梢風 |
出演者 |
片岡千恵蔵 山田五十鈴 市川小文治 |
撮影 | 石本秀雄 |
製作会社 | 片岡千恵蔵プロダクション |
配給 | 日活 |
公開 | 1932年6月3日 |
上映時間 | 123分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『闇討渡世』(やみうちとせい)は、村松梢風の小説『人間饑饉』を原作とした1932年(昭和7年)製作・公開、伊丹万作脚本・監督による日本の長篇劇映画、サイレント映画である[1][3][4][5]。
略歴・概要
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1931年︵昭和6年︶4月 - 同年7月、毎日新聞に連載された[2]、村松梢風による新聞小説﹃人間饑饉﹄を原作に、翌1932年1月14日に公開された﹃國士無双﹄の次作として、伊丹万作が脚本を書き上げて撮影に入り、日活が配給して同年6月3日に公開された[1][3][4][5]。本作公開におけるメイン館である浅草公園六区・富士館では、日活太秦撮影所製作、倉田文人監督、谷幹一主演による現代劇﹃とかく女と言ふものは﹄が同日封切られた[9]。
伊丹は、前作﹃國士無双﹄のもつ諧謔と風刺の精神を継続し、片岡千恵蔵演じる主人公・平手造酒の孤独を描いた[10]。千葉周作を市川小文治が演じ、ヒロインは前作に引き続き山田五十鈴、ほかにも前作に引き続き、高勢実乗、瀬川路三郎、渥美秀一郎、林誠之助、矢野武男、香川良介が出演している[3][5][11]。
映画史家の田中純一郎は、リアルタイムで本作を観ており、﹁流行の傾向映画に同調したとはいえ、しかも懐疑的人生観を持った﹂﹁伊丹の時代批判﹂の存在を指摘している[1]。北川冬彦も、前作﹃國士無双﹄から本作、次作﹃研辰の討たれ﹄への流れにおける人物像の描き方について、本作を高く評価していた[12]。冨士田元彦は、リアルタイムで観ることができていないが、残された脚本を分析し、浅香新八郎演じる﹁香月梓﹂、片岡の﹁平手造酒﹂、葛木香一演じる﹁吉五郎﹂の描く人物の三角形に、本作のテーマが現れていることを指摘している[13]。
伊丹自身は、1937年︵昭和12年︶7月、北川冬彦が編集する﹃季刊シナリオ研究﹄第2号に発表したエッセイ﹃﹁闇討渡世﹂に就て﹄において﹁今まで一番力を入れた仕事はと聞かれたら私は﹃闇討渡世﹄をあげる。そして結果としての反響が努力に反比例したのも﹃闇討渡世﹄だ﹂と述懐している[14]。
2013年︵平成25年︶1月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターも、マツダ映画社も、映画﹃闇討渡世﹄の上映用プリントを所蔵しておらず、現存していないとみなされるフィルムである[15][16]。本作の脚本については、1961年︵昭和36年︶11月15日に発行された﹃伊丹万作全集 第3巻﹄︵筑摩書房︶に収録されている[17]。
スタッフ・作品データ
編集- 製作 : 片岡千恵蔵プロダクション
- 上映時間(巻数 / メートル) : 123分(16巻 / 3,381メートル)[5]
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.37:1) - 18fps - サイレント映画
- 公開日 : 日本 1932年6月3日
- 配給 : 日活
- 初回興行 : 浅草公園六区・富士館
- 同時上映 : 『とかく女と言ふものは』(監督倉田文人、主演谷幹一)
キャスト
編集脚注
編集- ^ a b c d e f 田中[1957], p.47.
- ^ a b c d 山田[1976], p.386.
- ^ a b c d e 闇討渡世、日本映画データベース、2013年1月19日閲覧。
- ^ a b c d 闇討渡世、日本映画情報システム、文化庁、2013年1月19日閲覧。
- ^ a b c d e f 闇討渡世、日活データベース、2013年1月19日閲覧。
- ^ 人間飢饉 : 平手造酒、国立国会図書館、2013年1月19日閲覧。
- ^ a b 国立国会図書館サーチ 検索結果、国立国会図書館、2013年1月19日閲覧。
- ^ 村松梢風 - 日本映画データベース、2013年1月19日閲覧。
- ^ 1932年 公開作品一覧 542作品、日本映画データベース、2013年1月19日閲覧。
- ^ 《闇討渡世》、コトバンク、2013年1月19日閲覧。
- ^ 国士無双、日本映画データベース、2013年1月19日閲覧。
- ^ 北川[1952], p.118.
- ^ 冨士田[1985], p.104.
- ^ 伊丹[1961.8], p.238-239.
- ^ 所蔵映画フィルム検索システム、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年1月19日閲覧。
- ^ 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇、マツダ映画社、2013年1月19日閲覧。
- ^ 伊丹[1961.11], p.109.
参考文献
編集- 『映画への誘い』、北川冬彦、温故堂、1952年
- 『日本映画発達史 I 活動写真時代』、田中純一郎、中央公論社、1957年 / 中公文庫、1975年12月10日 ISBN 4122002850
- 『伊丹万作全集 第2巻』、伊丹万作、筑摩書房、1961年8月20日
- 『伊丹万作全集 第3巻』、伊丹万作、筑摩書房、1961年11月15日
- 『隠れた日本人 - 山田宗睦著作集』、山田宗睦、三一書房、1976年
- 『映画作家伊丹万作』、冨士田元彦、筑摩書房、1985年11月 ISBN 4480870784