哺乳類の口の回りにある器官

(くちびる、)とは、哺乳類の口の回りにある器官である。解剖学的には口唇(こうしん)という。

女性の唇

ラテン語 labia oris
英語 Lip
器官 感覚器
消化器
動脈 下唇動脈
上唇動脈
静脈 下唇静脈
上唇静脈
神経 前頭神経
眼窩下神経
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特徴

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役割

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口紅による装飾

ひだ全体を指す唇の方は随意的にある程度自由に動かすことができ、飲食の際に口から食物が出ないようにする役割を持つ。ヒトの場合、発声の際にこれを調節し、口笛などはこの部分で発音する。また表情の形成に重要な役割を果たす。のように色を塗ってこれを装飾することや、穴を開ける(ピアス)などの方法でこれを強調する方法が様々な民族で見られる。

他方、ヒトの性行為に於いて、唇の接触は重要な意味を持つ。唇同士の接触はキス(接吻)と呼ばれる。また、唇による他の部位への愛撫も様々に行なわれる。一説によれば、ヒトに独特のめくれた赤い唇は女性性器の模倣である。たとえば性的に興奮すると腫れぼったくなったり、その表面が濡れて光るのを色っぽいと感じるあたりにその可能性が感じられる。ただし、男性においてもみられることから女性器の模倣とする説の根拠は薄い、また赤くめくれた唇はヒト独自ではなく、キンシコウなどの猿にも見られる特徴であるが、これらでは主にオスの方に発達する。

慣用句

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唇の上辺を Cupid's bow (の弓)と呼ぶ
  • 唇を噛む
    悔しさなどをこらえる
  • 唇を反す(翻す)
    悪口を言う
  • 唇を盗む
    相手の意向に関わりなくキスをする
  • 唇を尖らす
    不満げな顔つき
  • 唇亡びて(尽きて)歯寒し
    利害関係のある一方が滅びると、他方にも影響が出る(春秋左氏伝より)
  • たらこ唇
    厚い唇の形容

節足動物の場合

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参考文献

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  • 宮地伝三郎,『動物社会』,1969,筑摩書房

関連項目

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