国際連合信託統治理事会
国際連合の六つある主要機関の一つ
国際連合信託統治理事会(こくさいれんごうしんたくとうちりじかい、United Nations Trusteeship Council)は、国際連合の主要機関の一つ。1964年12月14日に国際連合総会において採択された決議64(A/RES/64(I))により設置された。
各国語表記
United Nations Trusteeship Council | |
![]() 国際連合信託統治理事会議場 | |
概要 | 主要機関 |
代表 |
信託統治理事会議長 ジェームス・カリウキ(2023年選出) |
状況 | 1994年より活動停止 |
活動開始 | 1946年12月14日 |
本部 |
国際連合本部ビル (米国・ニューヨーク) |
公式サイト | Trusteeship Council |
![]() ![]() |
信託統治地域の行政を監督する責任を持つ。
概要
編集
国際連合憲章第13章︵第86条 - 第91条︶に規定されている。信託とは、信用して一定の目的に従って財産の管理・処分を任せることである。
そのために、信託統治理事会とは国際連合を信用して連合国がある地域の財産の管理・処分のあり方を決めるための機関であるといえる。
1994年10月1日に最後の信託統治地域であったパラオが独立を果たしたためほぼ業務を終了し、11月1日に理事会は以後の活動の停止を正式に決定し、事務局も含め実質的な活動を停止した。それ以前は毎年1回以上は理事会を開催すると決められていたが、同年に手続規則が改正されたことにより、理事会の構成国の多数もしくは総会および安全保障理事会の多数の要請によって理事会が開かれることとなっている。
実質的な活動を停止した1994年以降も信託統治理事会は組織としては存続しているため、2024年現在までおおむね2年に1回程度は理事会を開催し、議長と副議長を選出している。最近では2023年12月に第74期の初回となる理事会が開かれている[1]。
理事会の構成国
編集任務と権限
編集表決
編集信託統治理事会議場
編集
信託統治理事会はニューヨークの国際連合本部ビルに専用の議場を持っており、議場はデンマークの建築家であるフィン・ユールにより設計された。フィン・ユールは主に家具デザイナーとして知られるが、家具と空間の相互作用を熟知する建築家としても評価された先駆者であった。またデザイナーとして、デンマークのデザインの変革期において重要な役割を果たした。1940年代には、ユールの製作したいくつかの家具により、デンマークはデザイン分野の先進国とみなされるようになり、1950年代には信託統治理事会議場︵Trusteeship Council Chamber︶を設計したことによりアメリカにおいて名声を得た。議場は全体としての完成度が有名な作品であり、色鮮やかな天井の照明、ランプ、カーテン、壁板、カーペット、椅子まで、全てフィン・ユール自身がデザインしたものである。
その他
編集脚注
編集注釈
編集- ^ その数は、信託統治理事会の理事国の総数を、信託統治地域の施政を行う国際連合加盟国とこれを行っていないものとの間に均分するのに必要な数とされた。