土居光知
人物
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高知県生まれ。東京帝国大学卒業。イギリス、フランス、イタリアに留学。立正大学教員、東京女子大学教授、東京高等師範学校教授を経て、1924年東北帝国大学教授、1948年東北大学退職。後に津田塾大学教授をつとめた。日本英文学会会長。1949年日本学士院会員。
専攻は英国浪漫主義で、ジェイムズ・ジョイス、D・H・ロレンス、オルダス・ハクスリーを紹介した。文化人類学、比較神話学を学び、古代文藝、東西比較文学などを行い、その﹃文学序説﹄は文学研究者の必読書だった。他に﹃古代伝説と文学﹄がある。
1947年7月19日に産声を上げた、世界で最初の民間ユネスコ運動﹁仙台ユネスコ協力会﹂の創始者の一人。当時のUNESCO︵パリ本部︶の事務局長あてに起草したメッセージは、日本の民間ユネスコ運動を世界に伝える第一報となったが、その手紙は戦後の窮乏生活のため、土居宅にあった障子紙に書かれていた。今日、世界118カ国で5000を超えるユネスコ協会やユネスコクラブが活動を続けており、仙台が民間ユネスコ運動発祥の地であることを記念して、モロッコのカサブランカには﹁センダイ・パーク﹂という名の公園が残されている。
著書
編集- 『文學序説』岩波書店, 1922
- 『基礎日本語』六星館, 1933
- 『英文學の感覚』岩波書店, 1935
- 『日本語の姿』改造社, 1943
- 『ウェルズと世界主義』生活社, 1946
- 『文学序説 再訂版』岩波書店, 1953、改版1978、復刊1993
- 『日本音声の実験的研究』岩波書店, 1955
- 『古代伝説と文学』岩波書店, 1960
- 『文学の伝統と交流』岩波書店, 1964、復刊1995
- 『言葉と音律』研究社出版, 1970
- 『神話・伝説の研究』岩波書店, 1973、復刊2002
- 『文芸その折り折り』荒竹出版, 1973
- 『土居光知著作集』全5巻 岩波書店, 1977
- 英文学の感覚
- 古代伝説と文学
- 文学と伝説の伝播・交流
- 言葉とリズム
- 文学序説
共著
編集- 『岩波 英和辞典』島村盛助・田中菊雄 共編、岩波書店, 1936、新版1983ほか
- 村岡勇と『ロレンス』研究社出版, 1954
- 工藤好美と『無意識の世界』研究社出版, 1966
- 『東西文化の流れ 土居光知対話集』研究社出版, 1973
翻訳
編集- 記念論文集
- 『英文学試論』土居光知先生喜寿記念論文集編集委員会、研究社出版, 1964