日本手話
日本手話 | |
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使われる国 | 日本 |
使用者数 | — |
言語系統 | |
言語コード | |
ISO 639-3 |
jsl |
歴史的な記述
編集言語学的な概観
編集語彙のタイプ
編集画像を用いた具体例
編集表したい物(道具,食材,物体など)を取り扱っている様子(CL表現)が関連しているもの
編集人や動物の動きと関連しているもの
編集表したい物の形が関連しているもの(CL表現含む)
編集-
山
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用紙
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日本(続き)
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コップ:立体を描いている例
指さし・手で触れる動作が関連しているもの
編集-
あなた
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目
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首:手の平で首を軽くたたくことにより指し示す。必ずしも人差し指によらない例。
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手首:同様に体の各部位を示すのはこれらの方法によるものが多い。
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白:歯の白を示す。
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黒:髪の毛の黒を示す。サイナー(手話をする人)が白髪でも,なくても「黒」の意となる。
手指を何かに見たてたもの(CL表現含む)。
編集-
男
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女
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歩く・立つなど、人の体を表す全体CL。
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島-湾曲させ伏せている手が「島」。その周りに反対の手で「海」が表現されている。
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キツネ
指文字が関連しているもの
編集漢字,マーク,デザインが関連しているもの
編集-
小:「小さい」という意味はなく地名,人名の「小」。
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井:「井戸」という意味はなく地名,人名の「井」。
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中:「〜しているところ」という進行相の表現。さらに,地名,人名の「中」としても使用できる。
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NTT:二指でNTTのマークを描く。
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NTT(続き)
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司会:指文字「も」と同じ手型を作り、漢字「司」の一部を描く。
数の表現が関連しているもの
編集-
正月:一月一日。両手で「一」「一」を表現。
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一週間:数字の「7」を横に移動させる。
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虹:数字の「7」を上方にアーチを描くように動かす。
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七夕(一部の地域):両手で「七七(7月7日)」を示し,前方におろす。両手で「7」の数字を表すだけの表現もある。
キュード・スピーチと関連しているもの
編集-
まあまあ︵一部の地域︶‥キュード・スピーチの﹁マ行﹂から。ただし、各ろう学校で若干の相違があると言われる。︵日本手話で標準的に使われている﹁まあまあ﹂は、指文字﹁も﹂と同じ手型を、鼻のあたりで手首をひねって小さく動かす表現である。︶
CL表現の組み合わせ
編集文法
編集平叙文・疑問文・否定文・条件文など、音声言語に標準的にみられる構文が存在するが、その文法的特性は非手指表現によって示されることが多い[7][4]。
非手指表現(NMM/NMS/NMs)
編集平叙文と肯否疑問文の非手指表現
編集注意:﹁日本語対応手話﹂では手の平を下に向け,押し下げるような動き﹁〜です﹂が平叙文のマーカーとして用いられるが,日本手話では平叙文の非手指動作﹁文末のうなずき﹂がそのマーカーとなる。対応手話の﹁〜です﹂と同じ表現は、日本手話では﹁存在する﹂﹁〜がある﹂の意味で用いられる。
注意:日本語対応手話﹂では手の平を上に向けて前に出す﹁〜か﹂が肯否疑問文のマーカーとして用られるが,日本手話では非手指表現を用いることに注意。
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ある:しばしば「です」で用いられるが「ある」の意味に近い
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〜か:敬意表現の疑問詞「〜ですか」
WH疑問文の非手指表現
編集名前は?‥名前という手話と共に﹁首ふり﹂があらわれる。﹁名前は何?﹂という意味となる。
非手指表現-名詞の並列のうなずき
編集下の画像は名詞ごとにうなずきがあらわれている。このとき各名詞は並列化されている。つまり「赤と紫と黄色と緑」となる。
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赤,と同時にうなずき
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紫,と同時にうなずき
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黄色,と同時にうなずき
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緑,と同時にうなずき
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赤,うなずきはない
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紫,と同時にうなずき
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黄色,うなずきはない
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緑,と同時にうなずき
下の画像では,名詞ごとにうなずきがあり,二つの名詞の並列とみなされる。「わたしと父」となる。
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わたし,うなずきが入っている
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父,同時にうなずきがある
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わたし,ここではうなずきが入っていない。
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父,同時にうなずきがある
口型(口形)
編集1. Po(ポ)の一例。日本語訳﹁うまく見えた﹂-﹁見る﹂と同時に口形﹁Po︵ポ︶﹂があらわれる。
2. Pa(パ)の一例。日本語訳﹁見た!﹂-﹁見る﹂と同時に完了相の口形﹁Pa︵パ︶﹂があらわれる。文脈によって﹁見た!﹂﹁突然,見えた!﹂と訳される。
3,Pa++(パパパパ)の一例。日本語訳﹁たくさん見︵え︶た﹂-﹁見る﹂と同時に口形﹁Pa++(パパパパ)﹂があらわれる。この口形には﹁連続して〜﹂という意味があり、この時には口形と共に手話も小刻みな動きで連続して表される。同じ表現が日本語訳﹁もう見た見た﹂という意味で使われることもある。
4,U (ウ)の一例。日本語訳﹁見る﹂。﹁見る﹂と同時に口形﹁U (ウ)﹂があらわれる。一部の動詞と共起するが、必須ではない。︵音声︶日本語からの影響がうかがえるが、この口型の用法の詳細は明らかではない。
5,Ta(タ︶の一例。日本語訳﹁見た﹂。﹁見る﹂と同時に口形﹁Ta(タ︶﹂があらわれる。この口形には過去完了相のマーカーの働きがあり,よって﹁見た﹂という訳となる。
6,nm︵ンm︶の一例。日本語訳﹁問題なく見る﹂。﹁見る﹂と同時に口形﹁nm︵ンm︶﹂があらわれる。この口形には﹁なんら問題なく〜する﹂という意味があり,よって﹁問題なく見えた﹂,﹁簡単に見えた﹂という意味となる。この口形﹁ n m ﹂は﹁んむ﹂と発音されるというより,単に﹁ンm﹂といった﹁口の形になる﹂という意味である。口形だけで意味が決まるわけではなく、前に述べたように、顔に力を入れると﹁一生懸命﹂という意味になる。
﹁日本語対応手話﹂では、上記のようなタイプの口型の代わりに︵多くの場合︶日本語の通りに口を動かしながら手話表現が補足的に用いられる。
一致動詞
編集-
私があなたを見る:人差し指と中指の二指を視線に見立て相手に向かって動かす
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あなたが私を見る:二指を相手から自分に向けて動かす
一致動詞「渡す」「受け取る(渡される)」
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渡す:両手を重ね相手に向かって動かす。
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受け取る:手を相手から自分に向けて動かす。「受け取る」「渡される」などの日本語訳が可能である。
一致動詞を動かす方向の違いは「能動態」「受動態」とは関係なく,「私があなたを見る」「あなたが私を見る」というように、人物間の関係を示すものである。
相(そう)
編集- 歩く(歩く動作を継続する)- 継続相「ずっと歩く」
- 歩く(歩く動作を断続的にくり返す) - 習慣相「いつも(定期的に)歩く」
- 歩く(一歩あるく直前でやめる) - 直前相「歩く前にやめた」
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ずっと歩く
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いつも(定期的に)歩く-ループ状にくり返す。
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歩く前にやめた
同様に「見る」を小さい動きで繰り返すと「定期的に見る」という「習慣相」となる[4]。
男性・女性を表す表現
編集-
男性
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女性
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人を表す全体CL
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男性たち
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男性たち(続き)
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女性たち
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女性たち(続き)
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人々
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人々(続き)
脈をはかる+世話をする+女性=看護婦(かんごふ)
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脈をはかる
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世話をする
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女性
脈をはかる+世話をする+男性=看護士(かんごし)
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脈をはかる
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世話をする
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男性
×脈をはかる+世話をする+中性単数=看護(する人)は用いられない。
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脈をはかる
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世話をする
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人CL:用いられない
脈をはかる+世話をする+中性複数=看護師
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脈をはかる
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世話をする
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人々:看護師たち
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脈をはかる
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世話をする
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士:看護師‐性別は関係ない。
「通訳者」のように、日本語では性による形態の違いがないものの中にも性の違いを表現するものがある。
「通訳者」の場合 画像:通訳 + 女性
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通訳-親指を立て、口の前で左右に動かす。
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女性:通訳者(女性)
画像:通訳 + 男性
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通訳
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男性:通訳者(男性)
画像:通訳 + 人々
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通訳
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人々:通訳者(複数)
男性優位傾向
編集英語のManが一般的な『人』『人間』を意味する場合があるように日本手話においても『男』の手話が『人』『(ある行為の)対象』として用いられる場合がある。以下がその例。
画像:「通う」「助ける」
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通う-人がいったり来たりする様子。話中の人物が女性でもこの形が用いられる。
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助ける-対象を示す﹁男﹂の手話を後ろから押してやる表現。対象となる人物が女性でもこの形が用いられる。まれに女性の形が使われる場合がある。
「通う」は女性や人のCLで表現する場合もあるが、一般的には男性単数の形で表現する。聴者の手話通訳者などがこれに違和感を覚え、女性の手形で表現することがあるが,当のろうコミュニティでは『妹は女子校に通う』という時でも男性単数の形が違和感なく用いられる。
画像:「女子校に通う」
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女子
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学校-「本」の手話を上下に動かす。
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通う(男性)-話中の人物が女性でも男性単数の形が用いられる。
画像:「男子校に通う」
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男子
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学校-「本」の手話を上下に動かす。
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通う(男性)
日本手話の社会学的性差
編集-
女性語の「遠慮する」:両手を引っ込める仕草。手が上下に重なっている。
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一般的な“辞書型”の﹁遠慮する﹂‥男性,女性共に用いる。手は向かい合わせて30cmほど離れている。やはり両手を引っ込める仕草。最初の位置からまっすぐ両手を体に引き寄せる表現もある。
下の画像は「おいしい」という意味の三つの手話表現である。
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おいしい:一般的な表現。男女ともに用いる。
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うまい‥男性が使う。女性も友人同士などに用いる。“フォーマルな”表現とはみなされない。くだけた感じ。
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女性語の「おいしいわ」:男性サイナーは特別な時以外はほとんど使わない。女性的な表現と受けとめられる。
日本手話における数
編集-
〜たち‥複数ある物を示す。﹁男﹂+﹁〜たち﹂で﹁彼ら﹂。﹁家﹂+﹁〜たち﹂では﹁それらの家﹂。
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〜いろいろ‥同種の物が複数あることを示す。﹁ピアノ﹂+﹁バイオリン﹂+﹁〜いろいろ﹂で﹁楽器﹂。﹁食べる﹂+﹁いろいろ﹂で﹁食物﹂など。
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会う‥この形は一般的な︵辞書型の︶﹁会う﹂。対象が単数でも複数でも用いられる。CL構文になると﹁一人と一人が会う﹂と理解される。
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会う1と2:CL構文の「一人と二人が会う」。
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会う1と3:CL構文の「一人と三人が会う」。
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会う1と4:CL構文の「一人と四人が会う」。
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会う1と5(全数形):CL構文の「一人とグループが会う」。
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加わる:グループの中に自分が入るという形になっている。
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加わる(つづき)5人の中に加わるという意味では用いられない。
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〜式‥立てられた指は﹁人﹂を表し,いっせいにお辞儀をする様子が示されている。このとき10人の者がお辞儀をするという意味ではなく,﹁集合した全体﹂がお辞儀をするという意味で,やはり﹁五指=全数形﹂とみなすことができる。
下の画像は「同じ」「一致」「作る」という手話である。この表現だけでは説明される主語が単数なのか複数なのかははっきりしない。ところが,下段のように地面に平行に円の軌跡を描いて「同じ」「一致」「作る」と示される時,必ず主語は複数形であることが前提となる。つまり,この形を見れば対象が伏せられていても「たくさんの〜」「多くの〜」の事だと了解できるという意味である。
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同じ:数についてはニュートラルで単数,複数どちらにでも用いる。
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一致:数についてはニュートラルで単数,複数どちらにでも用いる。
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作る:数についてはニュートラルで単数,複数どちらにでも用いる。
画像:複数のものを示す述語「同じ」「一致」「作る」。
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(複数の物が)同じ:
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(続き)
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(複数の物が)一致している:
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(続き)
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(複数の物を)作る:
その他の表現
編集-
アメリカ手話のJ
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アメリカ手話のS
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アメリカ手話のL
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日本手話のJ:米指文字の「J」と同じ。
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日本手話のS:「S」を空書する。
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日本手話のL:「L」反対の指でなぞる。日本指文字の「れ」でないことを示すため。
NHKの手話ニュースにおいてかつて聴者キャスターが用いていた表現(日本語をおりまぜる表現)は文法的に見て日本手話とは異なるとされていた。しかし、1990年代後半より、最近ではろう者のキャスターが日本手話でニュースを伝える形式に変更された[14]。
2018年度より、NHKみんなの手話も、日本手話を主とした扱う内容に一新された(番組テキスト18年度~19年度「監修者あいさつ」による)。なお、同局の「中途失聴者・難聴者のためのワンポイント手話」では、日本語対応手話が使用されている。
脚注・参照
編集- ^ 神田和幸(編著) (2009). 基礎から学ぶ手話学. 福村出版
- ^ a b c 末森明夫 (2017). 自然科学と聾唖史. 斉藤くるみ(編著)『手話による教養大学の挑戦』. ミネルヴァ書房. pp. 241-284.
- ^ 木村晴美・市田泰弘 (1995). “ろう文化宣言”. 現代思想 (3月号).
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 松岡 和美 (2015). 日本手話で学ぶ手話言語学の基礎 (2 ed.). くろしお出版
- ^ 伊藤政雄・竹村 茂著『世界の手話・入門編』(廣済堂出版・ケムの本のコーナー参照)付録「日本語対応手話とは」から採録した。
- ^ a b c d 伊藤政雄 (1998). 歴史の中のろうあ者. 近代出版. p. 227
- ^ a b c d e f g 岡典栄・赤堀仁美 (2011年5月30日). 日本手話のしくみ. 大修館書店
- ^ Wayne H Smith (2005). “Taiwan Sign Language research: an historical overview”. LANGUAGE AND LINGUISTICS-TAIPEI 6.2: 187-215..
- ^ Sagara, Keiko (2014). The numeral system of Japanese Sign Language from a cross-linguistic perspective. MA thesis, University of Central Lancashire (修士論文、セントラルランカシャー大学)
- ^ Susan Fischer and Qunhu Gong (2010). Variation in East Asian sign language structures. in Diane Brentari (編)Sign Languages. Cambridge University Press. pp. 499-518
- ^ Robert Adam (2012). Language Contact and Borrowing. in Roland Pfau, Markus Stainbach, Bencie Woll (編)Sign Language: An International Handbook. De Gruyter Mouton. pp. 841-862.
- ^ Susan Fischer (1978). Sign Language and Creoles. in Patricia Siple (編)Understanding Language through Sign Language Research. Academic Press. pp. 309-331.
- ^ Dany Adone (2012). Language Emergence and Creolisation. in Roland Pfau, Markus Steinbach, Bancie Woll (編) Sign Language: An International Handbook. De Gruyter Mouton. pp. 862-889
- ^ a b c 木村晴美 (2011). 日本手話と日本語対応手話(手指日本語):間にある「深い谷」. 生活書院
- ^ 市田 泰弘 (2005). “手話の言語学 第6回・空間の文法(2)代名詞と動詞の一致”. 言語 34: 90-98..
- ^ 木村晴美・市田泰弘 (2014). はじめての手話. 生活書院. p. 26
- ^ 市田泰弘 (2005). “手話の言語学第2回・図像性をめぐる2つの世界ー手話の音韻形態構造(1)「CL構文」”. 月刊『言語』 2005年2月号: 94-100..
- ^ キュード・スピーチの英訳|英辞郎 on the WEB:アルク
- ^ キュード・スピーチ(きゅーどすぴーち)とは - コトバンク
- ^ 「聴覚障害」とは?>2 コミュニケーション方法
- ^ NETAC Teacher Tipsheet 23cuedspeech.pdf キュードスピーチ - 筑波技術大学
- ^ 全国ろう児をもつ親の会>DEAF KIDS NEWS>2001/08 「検証 ろう教育用語『キュード・スピーチ』」
- ^ 市田泰弘 (2005). “手話の言語学第8回・頭の位置と口型ー日本手話の文法(4)「知覚動詞・思考動詞、非手指副詞」”. 月刊『言語』 2005年8月号: 92-98..
- ^ 坂田加代子・矢野一規・米内山明宏 (2008). 驚きの手話「パ」「ポ」翻訳:翻訳で変わる日本語と手話の関係. 星湖社
- ^ 市田 泰弘 (2005). “手話の言語学第6回・空間の文法ー日本手話の文法(2)「代名詞と動詞の一致」”. 月刊『言語』 2005年6月号: 90-98..
- ^ Susan Lloyd McBurney (2002). Pronominal reference in signed and spoken language: Are grammatical categories modality-dependent?. Meier, Kearsy Cormier, David QWuinto-Pozos (eds.) Modality and structure in signed and spoken languages. Cambridge University Press. pp. 329-369