日本鬼子
日本人を指す、中国語圏における蔑称
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日本鬼子︵中国語読み:リーベングイズ、拼音: ︶は、主に中国語圏︵中国・台湾・シンガポール・マレーシア・香港・マカオ︶で使われる、日本人を指す蔑称である。これとほぼ同義の語に東洋鬼︵ドンヤングイ、拼音: ︶がある[1][注1]。
日本鬼子 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 日本鬼子 |
簡体字: | 日本鬼子 |
拼音: | rìběn guǐzi |
発音: | リーベングイズ |
日本語読み: | にほんきし/にっぽんきし |
語義・類語
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﹁鬼子﹂とは、もともと﹃聊斎志異﹄の画皮で記されている道士の魔物に対して使う蔑称であった。端的には魔物︵悪魔︶の意味であるが、現代日本語の語感とはやや異なり、邪悪なものは忌むべきものであるという思想があることから、中国では﹃鬼﹄が嫌悪される存在である。当初は中国大陸を侵略する西洋人に対して﹁鬼子﹂を用いていた。これはモンゴロイドと大きく異なるコーカソイドの顔立ちを忌み嫌って﹃魔物﹄として表現したものであった。
日清戦争以降、清王朝を破って近代化し西洋化した大日本帝国︵日本︶を、中華思想に基づく格下の存在である﹁倭奴﹂と表現しづらくなった。このため、西洋からの侵略者の意味である﹁洋鬼︵ヤングイ︶﹂に次ぐ存在となった日本人を﹁東洋鬼﹂[注1]と表現するようになったが、残忍な存在としての﹁鬼子﹂もこれに倣って、もっぱら日本人︵しばしば日本兵︶を指す言葉となった。
これには、恐怖と憎悪の両方の感情が込められていたが[2]、現在では、元々西洋人の呼称であったという歴史的経緯などは、中華人民共和国ではあまり知られておらず、主として単なる日本人への罵り言葉として使われる。﹁鬼子﹂のみでも大抵は日本人を指すが、より明確にするために﹁日本鬼子﹂を使う。また小日本も、日本を侮蔑する言葉であるため、併せて﹁小日本鬼子︵シャオリーベングイズ、拼音: ︶﹂も使われる。
なお、前述のように﹁洋鬼子﹂や﹁西洋鬼子﹂といえば西洋人を指すが、﹁仮鬼子﹂は魯迅の短編小説﹃阿Q正伝﹄の中で使われた言葉である。最初は外国人を装う中国人を形容したものだったが、途中から外国人に媚びる中国人を形容する言葉となった。また朝鮮人を蔑称で二鬼子というのは、鬼子の子分という意味である。
日本での認知
編集詳細は「日本鬼子 (キャラクター)」を参照
この﹁鬼子﹂という言葉は、2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件を受けて、中華人民共和国で発生した抗議デモにおいて﹁日本鬼子﹂のような形で頻繁に用いられ、多くの日本人が字句を目にした。
中国において﹁鬼﹂は幽霊など忌み嫌われ恐れられる存在であるが、日本人にとって﹁悪鬼﹂や﹁鬼畜﹂といった一種の強調を伴わない、日本語の﹁鬼﹂は、必ずしも否定的な意味でのみ用いられる字句ではない︵例として﹁鬼に金棒﹂や﹁仕事の鬼﹂など︶[注2]。
そのため、字面を読めはするものの、中国人の﹁鬼子﹂の語に込められた侮蔑の意図・感情は、日本人には直接伝わっておらず、実感されていないのが実情である[3]。
検索エンジンの検索結果を萌えキャラで埋め尽くすことで、罵り言葉としての日本鬼子と混同させる目的で、インターネット上で﹁日本鬼子︵ ひのもと おにこ︶﹂というキャラクターが作られた。その容姿は二本角、黒髪長髪、紅葉柄の着物、薙刀を携える姿の美少女で描かれることが多い。
脚注
編集注釈
編集出典
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(一)^ 王世民﹁国立国会図書館デジタルコレクション ヨボとチャンコロ﹂﹃一支那青年より日本帝国の青年に与ふ : 日支親善の根本解決は何か﹄隣人之友社、1935年。[要ページ番号]
(二)^ 王世民 1935, p. 101
(三)^ 伍書遠 (2010年12月17日). “﹁日本鬼子﹂美少女に大変身 中国ネット利用者は愕然 (1/3)” (日本語). 中国網日本語版 2017年2月14日閲覧。