有声口蓋垂摩擦音
有声口蓋垂摩擦音(ゆうせい・こうがいすい・まさつおん)は、軟口蓋の端あるいは口蓋垂と後舌を密着または接近させて気流を妨げながら喉を摩擦させることによって作られる子音。IPAは[ʁ]。
有声口蓋垂摩擦音 | |
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ʁ | |
IPA 番号 | 143 |
IPA 表記 | [ʁ] |
IPA 画像 | ![]() |
Unicode | U+0281 |
文字参照 | ʁ |
JIS X 0213 | 1-10-92 |
X-SAMPA | R |
Kirshenbaum | g" |
音声サンプル |
フランス語のrのうち主に北部で用いられるものが有名で、﹃パリのR音﹄ともよばれる。この他ドイツ語やオランダ語などでもこの音を用いる地域がある。日本人がうまく発音するのは難しいとされ、しわがれたハ行のような音に聞こえやすい。
特徴 編集
●気流の起こし手 - 肺臓気流機構によって生じる呼気。 ●発声 - 声帯の振動を伴う有声音。 ●調音 ●調音位置 - 後舌と口蓋垂による口蓋垂音。 ●調音方法 ●口腔内の気流 - 舌の中央を気流が通る中線音。 ●調音器官の接近度 - 隙間を作って空気が通りにくくし、そこに気流を通すことで生じる摩擦音。 ●口蓋帆の位置 - 口蓋帆を持ち上げて鼻腔への通路を塞いだ口音。言語例 編集
●フランス語︵主に北部︶ - フランス語で、無声子音の後のrは、しばしば無声口蓋垂摩擦音で発音される︵特に語末で︶。 ●アラビア語 - غ︵一部の方言や滑舌の都合で、ر︵/ɾ/ もしくは /r/︶が غ︵/ɣ/ もしくは /ʁ/︶に置き換わる﹁パリのR音と同じ﹂と形容される発音が見られる︶ ●アルメニア語 - ղ ●ドイツ語 ●オランダ語 ●ノルウェー語 ●デンマーク語 ●スウェーデン語 ●ヘブライ語 - ר ●ポルトガル語 - ブラジルポルトガル語などではrは無声口蓋垂摩擦音ないし無声軟口蓋摩擦音で発音されることが多い。 子音
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記号が二つ並んでいるものは、左が無声音、右が有声音。網掛けは調音が不可能と考えられる部分。 丸括弧内はIPA子音表(2005年改訂版)に記載されていないもの。 |