脊椎側彎症
側方への彎曲以外に、前後に彎曲した後彎症もある。
概要
編集原因
編集側彎症は、原因に応じて以下のように分類される。
特発性側彎症
編集先天性側彎症
編集胸郭不全症候群などの先天的または発育段階に生じた脊椎の異常によって発症する[9]。
神経原性側彎症
編集筋原性側彎症
編集筋肉の異常により正常な姿勢を保てないことによって発症する[10]。
間葉性側彎症
編集マルファン症候群[11]やエーラス・ダンロス症候群[12]にみられる。
神経線維腫症I型
編集外傷性側彎症
編集外傷を負ったことにより発症する。
位置的頭蓋変形症
編集向き癖などによって乳児の頭の形がゆがんでしまう位置的頭蓋変形症(英:positional skull deformity)に伴って発症する[14]。特に、頭位性斜頭症(英:positional plagiocephaly)に多くみられる。
健康への影響
編集外見上の問題
編集内臓機能の低下
編集腰痛
編集脊柱検査
編集予防方法はわかっておらず、早期発見によって非観血的治療を行うことに利点がある。
日本
編集日本では、乳幼児や学校の健康診断で脊柱検査が行われており、1980年(昭和55年)頃よりモアレ検査による検診が普及し、早期発見が可能になった。学校保健安全法の改正により、2016年度から運動器検診(家庭で評価ののち学校医による視触診が実施され総合判定)が学校健診の必須項目に加えられた[15][16]。
アメリカ
編集治療
編集レントゲン写真などから彎曲の大きさ(コブ角/Cobb angle)を測り、おおむね
- 軽度(25度未満)
- 中度(20度〜40度程度)
- 高度(50度以上)
の三段階に分類し、軽度では定期的なレントゲン撮影による経過観察を継続する。
装具
編集25度以上と診断されると、右写真のような専用のコルセットなどの装具による維持療法が行われることが多い。コルセットで彎曲が完全になくなる(完治する)ことは無いが、装具は確実に進行を遅らせるため、手術となったとしてもその時期を遅らせる効果がある[18]。
手術
編集50度以上と診断されると、スクリューやロッドを挿入して脊柱を矯正する外科手術を行う。この場合も完治することは無い。
- 矯正固定術
- VBT(Vertebral Body Tethering)
- グローイング・ロッド(英:Growing Rod)
- ベプター(Vertical Expandable Prosthetic Titanium Rib(VEPTR))
- Shilla
- ApiFix[19]
民間療法
編集筋肉の強化
編集著名な患者
編集注釈
編集参考文献
編集- 千葉一裕・松本守雄編『整形外科専門医になるための診療スタンダード 1.脊椎・脊髄』羊土社(2008年) ISBN 9784758102100
関連項目
編集外部リンク
編集日本のサイト
編集- 側彎症全般
- 神経線維腫症Ⅰ型
- 神経線維腫症Ⅰ型(指定難病34) - 難病情報センター
- 「レックリングハウゼン(Recklinghausen)病(神経線維腫症Ⅰ型)」 - 小児慢性特定疾病情報センター
- 筋ジストロフィー
- 筋ジストロフィー(指定難病113) - 難病情報センター
- 「筋ジストロフィー」 - 小児慢性特定疾病情報センター
- マルファン症候群
- マルファン症候群(指定難病167) - 難病情報センター
- 「マルファン(Marfan)症候群」 - 小児慢性特定疾病情報センター
- エーラス・ダンロス症候群
- エーラス・ダンロス症候群(指定難病168) - 難病情報センター
- 「エーラス・ダンロス(Ehlers-Danlos)症候群」 - 小児慢性特定疾病情報センター
- 胸郭不全症候群
- 肋骨異常を伴う先天性側弯症(指定難病273) - 難病情報センター
- 「胸郭不全症候群」 - 小児慢性特定疾病情報センター