鶯谷
東京都台東区の地名
概要
編集
現在の行政上は﹁鶯谷﹂という地名は存在せず、1829年の﹃御府内備考﹄でも﹁鶯谷﹂という単語は見られるものの、谷の名前として登場するのみ[注釈1]。
駅東側にはラブホテルがあり、かつて文人が多く住んだことで知られる根岸の里がある。
根岸2丁目には子規庵、中村不折の書道博物館、ねぎし三平堂がある。西側には寛永寺・上野公園が広がり、近くには江戸の風物詩・朝顔市の入谷鬼子母神がある。
江戸時代は寛永寺領であったため、上野・根岸・根津に渡って多数の寺院が残っており、高層ビルや高層マンションが少ない。鶯谷駅からは上野公園、上野桜木なども徒歩5分ほどである。
鶯谷駅南口はエレベーター設置などの改修工事が進んでいる。南口には東京芸術大学や専門学校の学生、上野公園散策のカップル、墓参りをする人などが多く、東京キネマ倶楽部やダンスホールではアイドルなどが公演を行ったりしており、それらのファンでごった返していることも多い。
地名の由来
編集歴史
編集治安
編集
警視庁の犯罪情報マップによると、山手線の他駅と比べても治安は悪くない。上野駅入谷口 - 鶯谷駅 - 入谷駅のエリアは警察のパトロールと監視カメラの設置が強化されている。鶯谷駅構内でのキャッチセールスなども固く禁じられている。
一方で、駅周辺には依然として古くからの風俗営業の名残と反社会勢力の活動は残る。
2019年4月、警視庁は売春をする女性らからみかじめ料を集める暴力団同士の縄張り争いを摘発、暴力団組長ら3人を傷害容疑で逮捕[3]。
同年10月1日、東京都は根岸一丁目から三丁目、東日暮里五丁目、六丁目を暴力団排除条例に基づき暴力団排除特別強化地域に指定[4]。地域内で、みかじめ料のやりとりや便宜供与などが禁止された。支払った側にも懲役または罰金の罰則規定が存在する[5]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集
(一)^ 御府内備考 谷中.
(二)^ “鶯谷、﹁ラブホテルの街﹂の知られざる素顔 | 街・住まい”. 東洋経済オンライン (2018年5月31日). 2020年3月18日閲覧。
(三)^ “東京・鶯谷の﹁縄張り﹂争い、組長ら3人逮捕 傷害容疑”. 朝日新聞DIGITAL (2019年4月22日). 2022年8月23日閲覧。
(四)^ “暴力団排除特別強化地域”. 警視庁 (2019年). 2022年8月22日閲覧。
(五)^ “東京都暴力団排除条例”. 東京都ホームページ (2019年). 2022年8月22日閲覧。
参考文献
編集- 蘆田伊人 編「御府内備考巻ノ27谷中ノ1 鶯谷」『大日本地誌大系』 第2巻、雄山閣、1929年8月。NDLJP:1214857/13。
関連項目
編集- うぐいすだにミュージックホール - 笑福亭鶴光の楽曲。鶯谷を舞台にした作品。