iD PHOTO
iD PHOTO︵アイディーフォト︶は記録容量730MB、直径50mmの書き換え型で小型光磁気ディスクである。規格であるiDフォーマットはオリンパス光学工業、三洋電機、日立マクセルの3社が共同で開発し、1999年に発表した[1]。
iD PHOTO iD | |
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メディアの種類 | 光磁気ディスク |
記録容量 | 730MB |
フォーマット | UDF |
読み取り方法 | 赤色レーザー |
書き込み方法 | 磁界変調記録 |
回転制御方式 | CLV |
策定 | 三洋電機、日立マクセル、オリンパス、 |
主な用途 | デジカメ用、データ等 |
ディスクの直径 | 5cm |
大きさ | φ5cm×0.6mm |
関連規格 | GIGAMO、MO、Hi-MD、MD |
規格
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iDフォーマットはAS-MO︵Advanced Storage Magnet Optical︶の技術をベースに、デジタルカメラ向けに小型化したメディアとそれを納めるカートリッジ、メディアの論理フォーマット、記録するファイルフォーマットをまとめた規格で、デジタルカメラ用の大容量メディアとして注目された[2]。
メディアは、120mmのAS-MOに対し50.8mmと小型化されており、カートリッジを含めたサイズも、MDよりもさらにコンパクト︵Clik!と同程度︶なものであった。記録方式は、磁界変調方式︵MFM~Magnetic Field Modulation︶で、トラックピッチやビット長もAS-MOに準拠。小型でありながら、730MBの大容量を実現している[2]。
メディアのフォーマットには、DVDにも使われているUDF︵Universal Disk Format︶を採用。DCF︵Design rule for Camera File system︶準拠のディレクトリ︵フォルダ︶構造と、静止画︵JPEG、DCF準拠︶、音声︵Exif2準拠︶、動画︵QuickTime準拠︶の各ファイルフォーマットが規定されている[2]。
2000年11月20日には規格書として発表され[3]、2005年5月には国際規格IEC62345として承認された[4]。
製品
編集現状
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2001年当時の半導体メモリはコンパクトフラッシュなどで容量が小さく、高価であったため730MBで2000円程度というiD-PHOTOディスクのメガ当たりの単価は半導体メモリより2桁低いと考えられ、充分な競争力を持っていると思われた[8]。
しかしながら、半導体メモリの大容量化や、PCとの親和性の向上、大幅な価格下落により容量・コストのメリットが薄れ、さらにデジカメの高画素競争により、対応商品であるiD-shotの150万画素のスペックでは競争力を有することができなかった。
そのためiD PHOTO製品は普及に至らず、後継機種や新規採用商品も販売されなかったため、市場から姿を消した。
脚注
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(一)^ ab“iDフォーマット”. IT用語辞典バイナリ. 2021年1月26日閲覧。
(二)^ abc鈴木直美の﹁PC Watch先週のキーワード﹂ - ウェイバックマシン︵2000年6月4日アーカイブ分︶
(三)^ ab“オリンパス/三洋/日立マクセル、iD PHOTOの規格を策定”. PC Watch (2000年11月20日). 2021年1月26日閲覧。
(四)^ “IEC62345” (PDF). IEC. 2021年1月26日閲覧。
(五)^ “ASCII.jp‥iDshot IDC-1000Z”. ASCII.jp (2001年2月1日). 2021年1月26日閲覧。
(六)^ NEW PRODUCTS TESTREPORT - ウェイバックマシン︵2001年4月7日アーカイブ分︶
(七)^ 三洋、﹁iD PHOTO﹂ディスクを採用したデジカメ用ストレージ - ウェイバックマシン︵2001年12月17日アーカイブ分︶
(八)^ 市浦秀一、鷲見聡、島崎勝輔、代田吉朗﹁iD PHOTO フォーマット﹂﹃日本応用磁気学会誌﹄第25巻第1号、日本応用磁気学会、2001年、37-40頁、NAID 110002810905。
参考文献
編集- 日本応用磁気学会誌vol. 25, (no.3-2), pp.339-342, (2001)「iD PHOTO, a New MO Disk for Digital Still Cameras」
- SANYO TECHNICAL REVIEW Vol.33 No.2 (2001)