SI単位
SI単位の定義
編集SI単位は次の3つが結合されることにより得られる全ての単位の名称である[1]。SI単位はSI接頭語付きの単位を含むので、SI単位全体の集合は、一貫性を持たない[2]。
一貫性のあるSI単位
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次の2つのみが結合されることにより得られる全ての単位は、﹁一貫性のあるSI単位︵coherent SI units︶﹂と呼ばれる[1]。つまり、上記のSI単位の構成要素からSI接頭語付きの単位を除いた単位である。この2つのみによる単位の集合は一貫性のある単位系を形成している[3]。
- SI基本単位
- 一貫性のあるSI組立単位
用語法の変遷
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SI基本単位とSI組立単位は一貫性のある単位系を形成するので、かつては、この2つのみを総称して、﹁SI単位﹂と呼んでいた[4][5]。1969年にCIPMはこのことを明示していた[6]。
しかし、CIPMは、2001年に、﹁SI単位﹂の語と﹁一貫性のあるSI単位﹂の語を前々項と前項のように明確に定義し直した。したがって、2001年を境に用語法が変更されている。
- 1969年~2001年の用語法
- SI単位 = 基本単位 + 組立単位
- 2001年以後の用語法
- 一貫性のあるSI単位 = 基本単位 + 組立単位
- SI単位 = 基本単位 + 組立単位 + SI接頭語付きの単位
脚注
編集出典
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(一)^ ab#国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶ 国際度量衡委員会︵CIPM︶承認,2001年、p.148 国際度量衡委員会(CIPM),2001年 ■ SI単位(PV, 69, 120)国際度量衡委員会は 2001年、単位諮問委員会のSI単位に関する次の提案を承認した。﹁SI単位︵SI units および units of the SI︶は、基本単位、一貫性のある組立単位、および推奨される倍量および分量接頭語と結合することによって得られる全ての単位の名称と見なされるべきであると提案する。その意味が基本単位と一貫性のある組立単位のみに制限されるとき、﹁一貫性のあるSI単位﹂︵coherent SI units︶という名称が使われるべきである﹂
(二)^ #国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶、p.106、﹁しかし、接頭語がSI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。﹂
(三)^ #国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶、p.105、﹁SIの基本単位と一貫性のある組立単位は、一貫性のある集合を形成し、これを一貫性のあるSI単位と呼ぶ。﹂
(四)^ 例えば、三宅史︵計量研究所︶は、﹁国際単位系の基本単位、補助単位︵引用者注‥補助単位の分類は1995年に廃止された。︶および組立単位は一貫性のある単位系を形成している。これらの単位を<SI単位>という。この命名はその倍量単位、分量単位と区別するためのものである。﹂と︵おそらく1980年代に︶記述している。出典‥平凡社大百科事典 第5巻︵ケマ-コン︶、﹁国際単位系﹂の項、p.756、1984-11-02初版
(五)^ 資料 国際単位系(SI)とその使い方 飯塚幸三︵工業技術院計量研究所︶、醗酵工学、p.168、第60巻第3号、165-171、1982 ﹁接頭語つきの単位︵例えばmmや kmol など︶は,国際単位系(SI)の単位ではあるが,SI単位ではないことに注意されたい.これは.SI単位が元来1つの量に対して1つだけ定められ,相互に乗除の関係で結ばれた一貫性のある単位︵コヒーレントな単位ともいう︶の組であるという原則によっており,10の整数乗を乗じた接頭語付きの単位にはこの意味の一貫性が成り立たないからである.したがって mm,cm2,kmol など接頭語付きの単位は,正式にはSI単位の10の整数乗倍,あるいは接頭語付きSI単位と呼ぶ必要がある.﹂
(六)^ 国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶日本語版 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月、p.138、国際度量衡委員会(CIPM),1969年、勧告1、﹁1.一貫性のある集合を構成している国際単位系の基本単位、補助単位および組立単位は、﹁SI単位﹂という名称で表示されること﹂、︵引用者注︶ここでの﹁補助単位﹂のカテゴリーは1995年の第20回CGPMで廃止された。
参考文献
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●︵準拠すべき基本文献︶BIPM 著、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳﹃国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶日本語版﹄︵pdf︶産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月。 ︻正誤表︼ 2022年7月15日 更新﹃国際単位系︵SI︶第9版︵2019︶正誤表﹄︵pdf︶産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2022年7月15日。