ウエスト・サイド物語
ウエスト・サイド物語 West Side Story | |
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作曲 | レナード・バーンスタイン |
作詞 | スティーヴン・ソンドハイム |
脚本 | アーサー・ローレンツ |
初演 | 1957年8月20日 – ワシントンD.C. |
上演 |
1957年 ブロードウェイ 1958年 ウエスト・エンド 1964年 日本初上演 1968年 宝塚歌劇団 1974年 劇団四季 |
受賞 |
トニー賞 最優秀振付賞、舞台美術賞(1957年) トニー賞 助演女優賞(2009年) |
ウェブサイト | 公式ウェブサイト |
シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』に着想し、当時のニューヨークの社会的背景を織り込みつつ、ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人との2つの異なる少年非行グループの抗争の犠牲となる若い男女の2日間の恋と死までを描く。
あらすじ
編集第1幕
編集第2幕
編集登場人物
編集
白人非行グループ「ジェット」
編集ジェットの女
編集プエルトリコ系アメリカ人非行グループ「シャーク」
編集シャーク団の女
編集大人たち
編集- ドック(Doc)
- ドラッグストアの店長でトニーの雇い主。ろくな親がいないジェッツの少年たちにとってただ一人の理解者であり、彼らに非行を止めスポーツなどをするよう勧めるが、ドックの若かった頃とは違うと少年たちには聞き入れられない。『ロミオとジュリエット』のローレンス修道士にあたる部分がある。リフの死後、少年達の更生のため奮闘する。
- シュランク警部補(Lt. Schrank)
- ニューヨーク市警察ウエスト・サイド分署の警部補。非行少年たちの抗争に悩まされており、プエルトリカンを快く思っていないためシャークスを特に嫌う。交通課へ格下げされることを恐れている。『ロミオとジュリエット』のエスカラス大公にあたる部分がある。
- クラプキ巡査(Officer Krupke)
- ウエスト・サイド分署の巡査。シュランクの腰巾着的存在。高慢な上、四角四面で融通の利かない性格。保身的な人物でジェッツの少年からはシュランク以上に嫌われている。
- グラッド・ハンド(Glad Hand)
- ダンスパーティのお目付け役。30歳前後の男性。
楽曲
編集- 第1幕
- Overture(序曲)(作曲者自身は序曲を作曲しておらず、出版楽譜にも含まれない)
- Prologue(プロローグ)
- Jet Song(ジェットソング):リフ、アクション、ベイビー・ジョン、A-ラブ、ビッグ・ディール、ジェッツ
- Something's Coming(何か起こりそう):トニー
- The Dance at the Gym(体育館でのダンスパーティ)
- Blues(ブルース)
- Promenade(プロムナード)
- Mambo(マンボ)
- Cha-cha(チャチャ)
- Meeting Scene(出会いのシーン):マリア、トニー
- Jump(ジャンプ)
- Maria(マリア):トニー
- Tonight(トゥナイト、Balcony Sceneとも):マリア、トニー
- America(アメリカ):アニタ、ロザリア、シャークスの女たち
- Cool(クール):リフとジェッツ
- One Hand, One Heart(ひとつの心):トニー、マリア
- Tonight (Quintet)(トゥナイト):リフとジェッツ、ベルナルドとシャークス、アニタ、トニー、マリア
- The Rumble(決闘)
- 第2幕
- I Feel Pretty(アイ・フィール・プリティ):マリア、女の子たち
- (Somewhere)
- Ballet Sequence(バレエ):トニー、マリア
- Transition to Scherzo(スケルツォへの変容)
- Scherzo(スケルツォ)
- Somewhere(どこかへ):ある女の子
- Procession and Nightmare(行列と悪夢):トニー、マリア、全員のコーラス
- Gee, Officer Krupke(クラプキ巡査どの):アクション、スノーボーイ、ディーゼル、A-ラブ、ベイビー・ジョン、ジェッツ
- A Boy Like That/I Have Love(あんな男に〜私は愛している):アニタ、マリア
- Taunting Scene(あざけりの場面)
- Finale(フィナーレ):マリア、トニー
楽器構成
編集- リード I(ピッコロ・フルート・アルトサクソフォーン・クラリネット・バスクラリネット)
- リード II(小クラリネット・クラリネット・バスクラリネット)
- リード III(ピッコロ・フルート・オーボエ・コールアングレ・テナーサクソフォーン・バリトンサクソフォーン・クラリネット・バスクラリネット)
- リード IV(ピッコロ・フルート・ソプラノサクソフォン・バスサクソフォーン・クラリネット・バスクラリネット)
- リード V(ファゴット)
- ホルン(F管) 2
- トランペット 3(B管、2番はD管持ち替え)
- トロンボーン 2
- ティンパニ
- パーカッション 4人(ドラムセット、ピッチト・ドラム4、スネアドラム、サスペンデッド・シンバル2、シロフォン、ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、ボンゴ3、コンガ、カウベル3、ティンバレス、ウッドブロック、トライアングル、テンプル・ブロック、チャイム、タムタム、ゴード、タンバリン、マラカス、小マラカス、フィンガーシンバル、カスタネット、クラベス、ラチェット、警笛、スライドホイッスル)
- ピアノ・チェレスタ
- エレキギター・スパニッシュギター・マンドリン
- ヴァイオリン 7人
- チェロ 4人
- コントラバス 1人
上演
編集ブロードウェイ初演
編集1957年8月20日にワシントンD.C.でトライアウト(試験興行)として初演、フィラデルフィアでのトライアウトを経て、同年9月26日にマンハッタンのウィンター・ガーデン・シアターでブロードウェイ初演が行われた。演出・振り付けはジェローム・ロビンズで、この上演によりその年のトニー賞最優秀振付賞を受賞した。他にオリバー・スミスがトニー賞舞台美術賞を受賞している。キャストのほとんどは無名の新人であった。732公演を重ねた後、ツアーを行い、1960年にウィンター・ガーデン・シアターに戻りさらに253公演を行った。
ウエスト・エンド初演
編集リバイバル公演
編集日本における公演
編集この節の加筆が望まれています。 |
日本での上演権は現在株式会社インターナショナル・ミュージカルス新社が保有している。
英語版キャストによる来日公演
編集宝塚歌劇団公演
編集『ウエストサイド物語』のタイトルで、1968年に宝塚歌劇団において公演が行われた。以降も公演が重ねられている。
劇団四季公演
編集スタッフ
編集- 翻訳 … 倉橋健
- 訳詞 … 岩谷時子
- 振付 … ボブ・アーディティ( - 1995年)、ジョーイ・マクニーリ(2007年 - )
- 演出 … 浅利慶太( - 2012年)、ジョーイ・マクニーリ(2016年 - )[4]
- 装置 … 金森馨( - 2012年)、土屋茂昭(2016年 - )[4]
- 照明 … 吉井澄雄( - 2012年)、赤崎浩二(2016年 - )[4]
これまでの主要キャスト
編集- ジェット団
- シャーク団
- 大人たち
上演記録
編集- 1974年2月:日生劇場(東京初演)
- 1977年
- 1979年
- 1983年
- 1986年4月 - :日生劇場、全国公演(全国各地で上演)
- 1987年
- 1990年
- 1991年5月10日 - 7月13日:全国公演(全国各地で初演)
- 1994年12月4日 - 1995年1月30日:近鉄劇場(大阪初演)
- 1995年:日生劇場(東京凱旋)
- 2007年9月8日 - 2008年1月28日:JR東日本アートセンター四季劇場[秋](以下、四季劇場・秋)(東京3回目)
- 2008年2月11日 - 8月31日:京都劇場(京都初演)
- 2009年4月18日 - 9月6日:全国公演(全国各地で凱旋)
- 2009年9月21日 - 11月8日:福岡シティ劇場(現キャナルシティ劇場)(福岡初演)
- 2009年12月4日 - 2010年1月11日:四季劇場・秋(東京4回目)
- 2012年10月31日 - 12月24日:四季劇場・秋(東京5回目)
- 2016年2月14日 - 5月8日:四季劇場・秋[4]
- 2016年6月29日 - 7月24日:京都劇場[5]
2004年公演
編集『SHONENTAI PLAYZONE '04 WEST SIDE STORY』として、2004年7月から8月に青山劇場およびフェスティバルホールにてジョーイ・マクニーリー演出・振付、勝田安彦翻訳・訳詞により少年隊などによって演じられたことがある。
キャスト
編集- トニー:櫻井翔
- リフ:大野智
- ベルナルド:松本潤
- アクション:生田斗真
- チノ:風間俊介
- ベイビー・ジョン:東新良和
- Aラブ:山下翔央
- マリア:和音美桜(宝塚歌劇団 宙組)
- アニタ:天勢いづる(宝塚歌劇団 雪組)
スタッフ
編集- 演出・振付:ジョーイ・マクニーリー
- 演出・振付助手:ローリー・ワーナー
- 翻訳・訳詩:勝田安彦
- 演出補(日本側演出):甲斐マサヒロ
- 振付補(日本側振付):ケンジ中尾
- 音楽監督:島健
- 音楽監督助手:松田眞樹
- 指揮:鈴木織衛、浜津清仁
- 美術:松井るみ
- 衣裳:原まさみ
- 照明:吉川ひろ子
- 音響:今井剛
- 舞台監督:広瀬次郎
- ヴォーカル指導:古賀義弥
- 発声指導:泉忠道
- ヘアー&メークアップ:鎌田直樹
- 照明チーフ:小暮寿代
- ムービング:吉枝康幸
上演台本
編集- 勝田安彦『勝田安彦ドラマシアターシリーズ2 ウェスト・サイド・ストーリー』(2006年7月、カモミール社、ISBN 978-4-907775-42-1)
2019年公演
編集公演期間
編集- 来日キャスト版
-
- 2019年8月19日(月) - 10月27日(日)
- 日本キャスト版
キャスト
編集登場人物 | 来日キャスト版 | 日本キャスト版 | ||
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Season1 | Season2 | Season3 | ||
トニー | トレヴァー・ジェームス・バーガー | 宮野真守/蒼井翔太 | 村上虹郎/森崎ウィン | 浦井健治/柿澤勇人 |
マリア | ソニア・バルサラ | 北乃きい/笹本玲奈 | 宮澤エマ/田村芽実 | 桜井玲香/伊原六花 |
アニータ | エイドリアナ・ネグロン | 樋口麻美/三森すずこ | May J./宮澤佐江 | ソニン/夢咲ねね |
リフ | マシュー・ステリティ | 小野田龍之介/上山竜治 | 上口耕平/小野賢章 | 加藤和樹/木村達成 |
ベルナルド | ジョージ・アクラム | 中河内雅貴/水田航生 | 渡辺大輔/廣瀬友祐 | Oguri/有澤樟太郎 |
シュランク | ブレンダン・ライアン | 堀部圭亮 | 山口馬木也 | 中村まこと |
クラプキ | マシュー・クロブ | 吉田ウーロン太 | 辰巳智秋 | コング桑田 |
グラッドハンド | マイケル・マストロ | レ・ロマネスクTOBI | 岩崎う大 | やついいちろう/槙尾ユウスケ |
ドク | マーク・フィッシュバック | 小林隆 | 田山涼成 | モロ師岡 |
スタッフ
編集- 原案:ジェローム・ロビンス
- 脚本:アーサー・ローレンツ
- 音楽:レナード・バーンスタイン
- 作詞:スティーブン・ソンドハイム
- 初演時演出・振付:ジェローム・ロビンス
ステージアラウンド版オリジナルスタッフ
- 演出:デイヴィッド・セイント
- 振付リステージング:フリオ・モンヘ
- セットデザイン:アナ・ルイゾス
- 照明デザイン:ケン・ビリングトン
- プロジェクションデザイン:59プロダクションズ
- 衣裳デザイン:リサ・ジニー
- 音響デザイン:山本浩一(エス・シー・アライアンス)
- ステージアラウンド・スーパーバイザー:芳谷研
- エグゼクティブ・プロデューサー:ケヴィン・マッコロム(Alchemation)、ロビン・デ・レビータ(Imagine Nation)、吉井久美子(John Gore Organization)
日本語上演版スタッフ
録音
編集シンフォニック・ダンス
編集- プロローグ(Prolog)
- サムウェア(Somewhere)
- スケルツォ(Scherzo)
- マンボ(Mambo)
- チャチャ(Cha-Cha)
- 出会いの場面(Meeting Scene)〜クール(Cool)〜フーガ(Fugue)
- ランブル(Rumble)
- フィナーレ(Finale)
小説化
編集アーヴィング・シュルマン によって小説化されている。この中でシュルマンはトニーにウィチェック(Wyzek)、マリアとベルナルドにヌネス(Nunez)、リフにロートン(Lorton)、チノにマルティン(Martin)、アニタにパラチオ(Palacio)という姓を与えている。
映画化
編集『ウエスト・サイド物語』 は1961年にアメリカで公開され、第34回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞を始めとした10部門を受賞した(詳細は『ウエスト・サイド物語 (映画)』を参照)。
2021年にスティーヴン・スピルバーグ監督で2度目の映画化がなされた。
脚注
編集注釈
編集- ^ http://westsidestory.jp/では『ウエスト・サイド・ストーリー』と表記されている。
- ^ 1961年の映画では接吻の後スペイン語で“Te adoro, Anton”(大好きよ、アントン)と呟く。このマリアの最後のセリフは1984年のバースタイン指揮のレコード版でも採用されるなど、他の演出にも取り入れられることがある。
- ^ サントラ盤のジャケットでは「ニーノ」表記
出典
編集外部リンク
編集- 公式サイト(英語):楽譜(含オンライン)、録音・映像・関連書籍一覧、初演・映画版のキャスト・スタッフ表、ミュージカルナンバーの歌詞(舞台版・映画版)、上演権情報、近年の主な公演記録などを提供