まんこのソースを表示

{{半保護}}
{{Otheruseslist|日本語で女性器を表す俗語ないし隠語としての「まんこ」|[[生殖器]]としての詳細|女性器|[[ヴァギナ]]に相当する女性器の部分|膣|[[沖縄県]]の[[干潟]]|漫湖|[[パロディ]][[時計]]のブランド|OMECO|その他の用法|マンコ}}
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{{告知|注意|2=この記事における画像の選別に関する合意（画像を無しにする）|4=画像の選別に関して}}
'''まんこ'''とは、[[日本語]]における[[女性器]]の[[俗語]]である。[[接頭辞|接頭語]]「お」を付けて「おまんこ」と表現されることも多い。辞書によっては「満紅、満戸、万古、真所」などの当て字の紹介が見られる<ref name=book2/>。[[英語]]では「''cunt''」「''pussy''」がこの語に相当する。

以下、断りが無い限り、女性器それ自体でなく、日本語における「まんこ」について解説する。

== 概説 ==
[[テレビ]]や[[ラジオ]]においては、[[放送禁止用語]]の一種である<ref name=zokugo/>。[[1999年]]、[[沖縄県]]の[[漫湖]]（まんこ）が[[ラムサール条約]]の登録湿地に認定された際、NHKが[[字幕]]では「漫湖」と出しながら、ナレーションでは「認定されたのは“この湖（みずうみ）”で・・・」と読んで、「まんこ」という音声が電波に乗るのを巧妙に回避した、という証言がある<ref>{{Cite web|和書|author=道浦俊彦|date=2000-05-26|url=https://archive.is/GzSES|title=ことばの話129「珍古島」|website=道浦俊彦の平成ことば事情|publisher=讀賣テレビ放送株式会社|accessdate=2019-10-27}}</ref>。[[ゲーム]]におけるプレイヤーの命名の際も入力禁止に設定されていることが多い。これに対して[[男性器]]の俗称である「[[おちんちん]]」は、放送禁止用語に指定されていることが少ない<ref>{{cite video|和書|people=ろくでなし子(著者)|date= |title=デコまん アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由|medium=電子書籍|language=日本語|publisher=電書バト|isbn= }}</ref>。「おちんちん」や「ちんこ」は器官そのものを指す用語であるのに対し、「まんこ」は[[性行為]]を意味することもあるため、特に女性軽視の用語であるとして使用が強く制限されている。

=== 沿革 ===
[[明治]]になってから使われ始めた言葉で、ルーツはそれほど古くない。[[江戸時代]]には'''ぼぼ'''と呼ばれていた<ref name=book/>。

[[1921年]]に発行された『言泉』では、「まんこは[[外陰部|陰門]]に同じ」とする（語義を知りたければ陰門を見よ、ということ）と記されていた<ref>{{Cite book|和書|author1=落合直文(著)|author2=芳賀矢一(改修)|year=1921|title=日本大辞典　言泉|volume=第<span class="ltr">5</span>巻|publisher=大倉書店|page=4386}}</ref>。また、戦前の1932年より刊行がなされた近代的国語辞典の『[[言海|大言海]]』には、「まんこ(名)【陰門】[眞處ノ音便］[[少女|女児]]ノ[[陰部]]」と記されていた<ref>{{Citation|和書|title=大言海 第四卷|first=大槻, 文彦, 1847-1928|date=1937|year=|url=https://doi.org/10.11501/1902821|publisher=富山房|page=223|language=ja|doi=10.11501/1902821|access-date=2022-08-16}}</ref>。

ある時期より「まんこ」の知名度が上昇し、2018年に発行された『[[広辞苑]]』第七版では見出し語として採録されるばかりでなく、「女性器の俗語」と語義も説明している<ref>{{Cite book|和書|editor=新村出|date=2018-01-12|title=広辞苑第七版 た―ん|publisher=岩波書店|page=2788|isbn=978-4-00-080132-4}}</ref>。『性的なことば』では、まんことの単語が全国区で認知されるようになったのは[[1988年]]頃ではないか、と述べている<ref name=book2/>。
* [[1972年]]に[[大阪府|大阪]]で紅萬子（くれない まんこ）がデビューしている<ref group="注釈">その後、2015年に現在の芸名である[[紅壱子]]に改名している。</ref>。
* [[1978年]]に[[京都大学]]のレガッタ大会において「夕焼けのおまんた」というチームが出場したが大した騒ぎにならなかった。『日本俗語大辞典』は、ヘアスタイルの一種で「おまんた分け」というものがあるが、これは卑猥な言葉であるという。「おまんた」は「おまんたん」の略<ref name=zokugo>{{Cite book|和書|author=米川明彦|date=2003-11-10|title=日本俗語大辞典|publisher=東京堂出版|pages=136-137,610|isbn=4-490-10638-6}}</ref>。
* [[1984年]]には[[松本明子]]がラジオの全国放送（同時放送のテレビは全国放送ではなく、あくまで[[関東地方]]と[[静岡県]]のみの放送）で、「おまんこ」と発しテレビ局を出入り禁止になる事件もあった<ref group="注釈">この時に放送された映像によると、松本が「おまんこ」という用語を知らなかったのをいいことに、[[笑福亭鶴光]]が松本を唆して半ば無理矢理「おまんこ」と言わせているため、実際に非があるのは鶴光の方であり、松本は寧ろ無理矢理言わされた挙げ句に出入禁止処分にされた被害者であるといえる（松本を唆した鶴光には処分が下されていない）。</ref>。彼女は[[1966年]]の[[香川県]]の出身であり、「おまんこという言葉は知らなかった」と後に述懐する<ref name=dekin>{{Cite web|和書|date=2013-08-14|url=https://archive.is/y8LMo|title=松本明子、『四文字言葉事件』の真相を語る。「信頼取り戻したかった」|website=Techinsight|publisher=テックインサイト株式会社|accessdate=2019-10-27}}</ref>。

以上を根拠に、少なくとも関西圏では「めこ」はともかく「まんこ」は周知されていなかったとする。

== 語源 ==
語源は諸説ある。
* 体の中心を意味する眞處（まこ）の音便<ref>{{Cite book|和書|author1=大槻文彦|author2=大槻清彦|date=1982-05-10|title=新編大言海|publisher=冨山房|page=1967|isbn=4-572-00062-X}}</ref>。
* 女子（めのこ）の転訛であるという説<ref>{{Cite book|和書|editor= 日本国語大辞典 第二版 編集委員会, 小学館国語辞典編集部|date=2001-02-20|title=日本国語大辞典　第二版|volume=第二巻|publisher=小学館|page=1376|isbn=4-09-521002-8}}</ref>。「めこ」もめのこの転訛とする文献もある<ref>{{Cite book|和書|author=増井金典|date=2012-08-10|title=日本語源広辞典[増補版]|publisher=ミネルヴァ書房|page=171|isbn=}}</ref>。
* [[徳川家康]]の[[側室]]・[[養珠院|お万の方（養珠院）]]の女性器が素晴らしかったという話から<ref>{{Cite journal|和書|author=篠田達明|title=日本史有名人の健康診断(<span class="ltr">38</span>) お万の方|year=1998|publisher=Kadokawa|journal=歴史読本|volume=43|issue=6|doi=10.11501/7975595|page=289}}</ref>。
* 古代の和語で性器を意味する「美斗（みと）」。「まんこ」および「めこ」はここから派生したという説。ただし本来は男性器・女性器問わず、性器全般に対する言葉<ref name=book2>{{Cite book|和書|editor=斎藤光, 井上章一, 澁谷知美, 三橋順子|year=2010|title=性的なことば|publisher=講談社|page=32|isbn=978-4-06-288034-3}}</ref>。
* [[月経|生理]]の際、赤くなることから「満紅（まんこう）」と呼んだのが由来だという説<ref name=book/>。
* 家の出入り口を表す「門戸（もんこ）」がなまったとする説<ref>{{Cite book|和書|author=小松奎文(編著)|date=2000-07-03|title=いろの辞典|publisher=文芸社|page=790|isbn=4-8355-0045-8}}</ref>。
* [[中国語]]で出入り口を表す「門口（メンコゥ）」から。
* [[北条政子]]から。[[室町時代]]当時の関東地方では北条政子を「ほうじょうまんこ」とも読んだ。
* [[正室]]を意味する[[北政所]]（きたのまんどころ）から。北政所をはじめは北政所様（きたのまんどころさま）呼んでいたが、後世は略し政所様（まんどころさま）」とも呼んだ。
* 小舟を使用して売春を行った「[[船饅頭]]」を略して「まん」と呼び、それに[[指小辞]]「こ」を付けたとする説<ref name=book>{{cite video|和書|people=博学こだわり倶楽部(著者)|date=2007-08-10|title=かなりＨな雑学王２００連発！|medium=電子書籍|language=日本語|publisher=河出書房新社|isbn=9784309496603}}</ref>。
* [[陰毛]]が発生していない（陰毛の[[タナー段階]]I）女児の外陰部を外見の類似から[[饅頭]]に喩え、その[[女房言葉]]である「お饅」に[[指小辞]]「こ」をつけたもの。饅頭に喩える事例は江戸時代初期の文献で既に見られるが、江戸時代中期までは原則として低年齢女児のものを指す傾向が認められる（成人のものを「毛饅頭」と呼ぶ事例もある）。「おまんこ」という語形が確認できるのは化政期以降である<ref>{{Cite book|和書|author=松本修|authorlink=松本修 (プロデューサー)|date=2018-10-30|title=全国マン・チン分布考|chapter=第<span class="ltr">2</span>章「虎屋」の饅頭へのあこがれ|publisher=集英社インターナショナル|series=インターナショナル新書|pages=55-92|isbn=978-4-7976-8030-0}} </ref>。

== 派生表現 ==
「まんこ」またはその類義語に「-する」とつなげ、[[換喩]]によって「[[性行為|性交]]する」の意味で使う<ref>{{Cite book|和書|editor=松村明(監修)|editor2=小学館 大辞泉編集部|date=2012-11-07|title=大辞泉【第二版】上巻 あ―す|publisher=小学館|page=565|isbn=978-4-09-501213-1}}</ref>。

男性の[[運|運気]]を上昇させる女性のことを「[[あげまん]]」、逆に下降させる女性のことを「さげまん」と呼ぶが、この場合の「まん」は「めぐり合わせ、幸せ、運」を意味する言葉であり、まんこの略語ではない<ref>{{Cite book|和書|editor=久松潜一, 佐藤謙三|date=1976-05-30|title=角川古語辞典 蔵書版|publisher=角川書店|page=1082}}</ref>。しかしながら、1990年に公開された映画「[[あげまん (映画)|あげまん]]」によってこの言葉が広まると、わざと性的な意味に解釈させるようにもなった。

誰とでも気軽に性交を行なう女性に対して、「[[ヤリマン]]」ということがある。これは、性交するという意味の「やる」と「マンコ」を合わせた単語である。『性的なことば』によれば、従来用いられてきた「サセ子」と言う単語が、あくまで性行為をさせると言う受動的なものであるのに対し「ヤリマン」は、女性側が能動的・主体的に性行為に臨むと言うニュアンスを与える<ref name=book2/>。なお、同様の男性のことを「[[ヤリチン]]」という場合もある。

== 他の俗称 ==
『日本俗語大辞典』は、「まんこ」の類語として「赤貝、赤門、奥の院、おまんこ、おまんたん、おめこ、毛饅（頭）、こうまん、肉壺、如来、秘花、ボックス、饅頭、蜜壺、やち」を挙げる<ref name=zokugo/>。『日本民俗・粋・洒落辞典』は「陥穽（おとしあな）、茶、富士山、へき」も女性器を表すとする<ref>{{Cite book|和書|author=中島智邦|date=1989-09-27|title=日本民俗・粋・洒落辞典|publisher=日本ブックマネジメント|pages=35,85,130,132|isbn=4-89056-014-9}}</ref>。

『すごくエッチなゲームシナリオが書ける本』では、女性器の隠喩として、おまんまん、秘部、蜜穴、肉穴、割れ目、クレバス、女陰、大事なところ、前の穴、肉壁<ref>{{cite book |和書 | author=灰猫 |others = | date=25 aug 2012 | title=すごくエッチなゲームシナリオが書ける本 | page=85 | publisher=[[総合科学出版]]| isbn=978-4-8818-1825-1 }}</ref>が、また漫画『[[性教育120%]]』第<span class="ltr">1</span>巻では、日本の各地による女性器の呼称の違いとして、アンペ、ほと、ヘノコ、マンジュー、オマン、サネ、オチョンチョン、オチンチン、チャンベ、カンノンサマ、オソソ、ボボ、イキミ、ヘヘ、ベベ、ベタ、ベッチョ、ペペ、カイ、ツビ、メメ、メコ、メンチョ、チャコ、ヤチ、ママ、オメサン、オメコ、モッチョー、ホー、ポー、ホーミ、ピィ、ヒー<ref>{{cite book |和書 | author=田滝ききき（原作）ほとむら（作画） |others = | date=14 feb 2020 | title=性教育120% vol.1 | page=51 | publisher=[[KADOKAWA]]アスキー・メディアワークス | isbn=978-4-0491-3001-0 }}</ref>が紹介されている。

NHK「シチズンラボ」のアンケート調査（期間：2021年<span class="ltr">12</span>月-2022年<span class="ltr">8</span>月、回答者：<span class="ltr">10</span>歳から<span class="ltr">69</span>歳までの男女1,201人）では、「あなたが子どものときに育った家庭では、女性の性器を何と呼んでいましたか？」という質問に対し、<span class="ltr">6</span>割近く（58%）が「家庭で使う女性器の名前はなかった」と回答しており、男性器に全国共通の「[[おちんちん]]」といった呼び名があるのに対し、女性器には共通の呼び名がないことが示されている<ref name="nhk110">[https://www.nhk.or.jp/minplus/0029/topic110.html 生理についてどう学んだ？女性器をなんて呼ぶ？] NHK みんなでプラス</ref>。小貫によると、呼び名がない家庭では、「あそこ」「下」「前」「おしり」などの表現を使って説明しているという<ref name="nhk110"/>。また同調査では、家庭で女性器に特定の「名前があった」と答えた<span class="ltr">3</span>割余り(32%)の内、一番多かった回答は「おまた」ないし「また」で、全体の<span class="ltr">1</span>割余り(12%)を占めており、この呼び方は近年増えているようである<ref name="nhk110"/>。

なお、小貫によると、女性器に共通の呼び名がないのは日本特有のことではなく、性に関して比較的に開かれた文化をもつオランダやスウェーデンを含め、多くの国で同様である<ref name="nhk110"/>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book ja-jp|author= 斎藤光、井上章一、澁谷知美、三橋順子|title=性的なことば|year=2010|publisher=講談社|isbn=978-4-06-288034-3}} - まんこ、めこ、やりまん、あげまんについて
* {{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20110319233054/http://morioka-times.com/news/2006/0603/22/06032210.htm|title=盛岡ことば入門 287 あーしゃっけ|author=黒澤勉|publisher=盛岡タイムス|date=2006-03-21|accessdate=2019-10-26}}
* {{Cite book ja-jp|author=ユージン・Ｅ．ランディ|transrator=堀内克明（訳編）|title=アメリカ俗語辞典|publisher=研究社出版|year=1975}} - vagina の項（p. 428 ff.）で<span class="ltr">5</span>ページ半に渡って女性器を示す日本語の語彙を掲載している．

== 関連項目 ==
* [[マンピーの<span class="ltr">G</span>★SPOT]] - 1995年<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">22</span>日に発売された[[サザンオールスターズ]]の楽曲。

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[[Category:日本の俗語]]
[[Category:女性を指す俗語]]
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