「コリント式」の版間の差分
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[[ファイル:CorinthianOrderPantheon.jpg|thumb|right|150px|コリント式の柱(ローマのパンテオン)]] |
[[ファイル:CorinthianOrderPantheon.jpg|thumb|right|150px|コリント式の柱(ローマのパンテオン)]] |
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[[ファイル:Pantheon (Rome) - Right side and front.jpg|サムネイル|250x250ピクセル|パンテオン]] |
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[[File:pcs34560_IMG1189.JPG|thumb|250px|イングランド・バース市街]] |
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[[ファイル:Paris - Détail de la cathédrale Saint-Louis-des-Invalides - 0001.jpg|サムネイル|[[オテル・デ・ザンヴァリッド]]でのコリント式[[付柱]]]] |
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[[ファイル:Corinthian capital.png|thumb|right|150px|コリント式の柱頭(ナポリのカストルとポルックス神殿) - [[アンドレーア・パッラーディオ|パラディオ]]の『建築四書』より]] |
[[ファイル:Corinthian capital.png|thumb|right|150px|コリント式の柱頭(ナポリのカストルとポルックス神殿) - [[アンドレーア・パッラーディオ|パラディオ]]の『建築四書』より]] |
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'''コリント式'''(コリントしき)は、古代[[ギリシア建築]]における建築様式([[オーダー]])のひとつで |
'''コリント式'''︵コリントしき、﹁コリント様式﹂とも。︶は、古代[[ギリシア建築]]における建築様式︵[[オーダー (建築)|オーダー]]︶のひとつで、柱の上部のキャピタル︵柱頭飾︶がアカンサスの葉の形をしている。
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ギリシア建築の寸法のルールに﹁モデュール﹂がある。柱の底の直径を一モデュールとし、その倍数︵小さいところは分数︶ですべての寸法を決める。イオニア式の柱の長さは8~9倍である。<ref>{{Cite book|和書 |title=フジモリ式建築入門 |year=2011 |publisher=筑摩書房 |pages=80-81 |author=藤森昭信}}</ref>
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オーダーには他に、[[ドーリア式|ドリス式]]、[[イオニア式]]がある。 |
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代表例として、アポロ神殿(コリント、紀元前5世紀)、アテナ・アレア神殿(テゲア、紀元前4世紀)<ref>{{Cite book|和書 |title=建築物・様式ビジュアルハンドブック |year=2009 |publisher=株式会社エクスナレッジ |page=148 |author=戸谷英世・竹山清明}}</ref>。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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溝が彫られた細身の柱身と、[[アカンサス]]の葉が象られた装飾的な柱頭を特徴とする。ギリシアに起源を有するが、ギリシア建築において用いられた例はほとんどない。コリント式という名は、[[古代ギリシア]]の[[都市国家]]([[ポリス]])のひとつである[[コリントス]]に由来するが、コリント式は一般に[[アテナイ]]で発達したと考えられている。 |
溝が彫られた細身の柱身と、[[アカンサス]]の葉が象られた装飾的な柱頭を特徴とする。ギリシアに起源を有するが、ギリシア建築において用いられた例はほとんどない。コリント式という名は、[[古代ギリシア]]の[[都市国家]]([[ポリス]])のひとつである[[コリントス]]に由来するが、コリント式は一般に[[アテナイ]]で発達したと考えられている。 |
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古代ローマの建築家[[ウィトルウィウス]]は、コリント式は建築家で彫刻家の[[カリマコス (彫刻家)|カリマコス]]により、幼い少女の墓に供物の籠が残されている光景に触発されて考案されたものであると記している。 |
古代ローマの建築家[[ウィトルウィウス]]は、コリント式は建築家で彫刻家の[[カリマコス (彫刻家)|カリマコス]](前5世紀ころのギリシアのKallimachos)により、幼い少女の墓に供物の籠が残されている光景に触発されて考案されたものであると『[[デ・アーキテクチュラ]]』第4書に記している。 |
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コリント式の柱頭は、イオニア式の柱頭を豊かにした発展型であると考えられることがあるが、コリント式柱頭を注意深く見れば、様式化された2段のアカンサスの葉や茎の上方に、サイズにおいても重要性においても小さくなった計8個のイオニア式で見られる隅部の渦巻き飾りが飛び出しているのが分かるだろうし、より小さな渦巻きが飾りが内向きにあるのにも気づくだろう。ド |
コリント式の柱頭は、イオニア式の柱頭を豊かにした発展型であると考えられることがあるが、コリント式柱頭を注意深く見れば、様式化された2段のアカンサスの葉や茎の上方に、サイズにおいても重要性においても小さくなった計8個のイオニア式で見られる隅部の渦巻き飾りが飛び出しているのが分かるだろうし、より小さな渦巻きが飾りが内向きにあるのにも気づくだろう。ドリス式やイオニア式と異なり、コリント式の柱頭には下部にくびれがなく、環状の玉縁が帯が柱頭の底部を形成している。 |
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== 代表的建造物 == |
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コリント式の柱が用いられている代表的建造物としては、[[ローマ]]の[[パンテオン (ローマ)|パンテオン]]が挙げられる。 |
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* 日本 |
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** [[明治生命館]] |
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** [[日本銀行本店]] |
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** [[三井本館]] |
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** [[大阪府立中之島図書館]] |
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** [[日本郵船歴史博物館]] |
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* フランス |
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** [[メゾン・カレ]] |
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* ギリシャ |
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** [[ゼウス神殿]] |
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** アポロ・エピクリウス神殿([[バッサイ]]のアポロ・エピクリウス神殿の項を参照) |
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* ローマ |
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** [[パンテオン (ローマ)|パンテオン]] |
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** [[コロッセオ]] |
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* ドイツ |
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** [[国会議事堂 (ドイツ)|国会議事堂]] |
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* イタリア |
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** [[パンテオン (ローマ)|パンテオン]] |
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* イギリス |
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** [[ネルソン記念柱]] |
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** [[ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン]] |
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** [[セント・ポール大聖堂]] |
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** [[セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ]] |
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* アメリカ |
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** [[アメリカ合衆国議会議事堂]] |
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** [[ニューヨーク証券取引所]] |
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** [[合衆国最高裁判所|米国最高裁判所]] |
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* ロシア |
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** [[冬宮殿]] |
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== 脚注 == |
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{{ギリシャの建築}} |
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{{Normdaten}} |
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{{DEFAULTSORT:こりんとしき}} |
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[[Category:古代ギリシアの建築]] |
[[Category:古代ギリシアの建築]] |
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{{architecture-stub}} |
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[[bs:Korintski red]] |
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[[bg:Коринтски стил]] |
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[[ca:Corinti]] |
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[[cs:Korintský řád]] |
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[[da:Korintisk søjle]] |
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[[de:Korinthische Ordnung]] |
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[[en:Corinthian order]] |
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[[et:Korintose stiil]] |
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[[el:Κορινθιακός ρυθμός]] |
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[[es:Orden corintio]] |
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[[eo:Korintia ordo]] |
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[[eu:Korintoar ordena]] |
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[[fr:Ordre corinthien]] |
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[[gl:Orde corintia]] |
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[[hr:Korintski red]] |
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[[it:Ordine corinzio]] |
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[[he:הסדר הקורינתי]] |
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[[nl:Korinthische orde]] |
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[[no:Korintisk søyleorden]] |
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[[pl:Porządek koryncki]] |
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[[pt:Ordem coríntia]] |
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[[ro:Ordinul corintic]] |
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[[ru:Коринфский ордер]] |
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[[sk:Korintský sloh]] |
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[[sr:Коринтски ред]] |
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[[sh:Korintski red]] |
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[[fi:Korinttilainen pylväsjärjestelmä]] |
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[[sv:Korintisk ordning]] |
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[[zh:科林斯柱式]] |
2024年5月11日 (土) 11:35時点における最新版
概要[編集]
溝が彫られた細身の柱身と、アカンサスの葉が象られた装飾的な柱頭を特徴とする。ギリシアに起源を有するが、ギリシア建築において用いられた例はほとんどない。コリント式という名は、古代ギリシアの都市国家︵ポリス︶のひとつであるコリントスに由来するが、コリント式は一般にアテナイで発達したと考えられている。 古代ローマの建築家ウィトルウィウスは、コリント式は建築家で彫刻家のカリマコス(前5世紀ころのギリシアのKallimachos)により、幼い少女の墓に供物の籠が残されている光景に触発されて考案されたものであると﹃デ・アーキテクチュラ﹄第4書に記している。 コリント式の柱頭は、イオニア式の柱頭を豊かにした発展型であると考えられることがあるが、コリント式柱頭を注意深く見れば、様式化された2段のアカンサスの葉や茎の上方に、サイズにおいても重要性においても小さくなった計8個のイオニア式で見られる隅部の渦巻き飾りが飛び出しているのが分かるだろうし、より小さな渦巻きが飾りが内向きにあるのにも気づくだろう。ドリス式やイオニア式と異なり、コリント式の柱頭には下部にくびれがなく、環状の玉縁が帯が柱頭の底部を形成している。代表的建造物[編集]
- 日本
- フランス
- ギリシャ
- ドイツ
- イタリア
- イギリス
- アメリカ
- ロシア