バブル世代

バブル世代︵ばぶるせだい︶

(一)日本のバブル景気︵1986年12月～1991年2月の約4年間︶の影響を受け、1988年～1992年頃に大量就職した世代のことを言う。本項で詳述。

(二)バブル景気の時期︵バブル期︶に20代頃の青春期を謳歌した世代︵近年は特に女性︶を言う事もある。彼らはバブル期の消費文化の担い手となった。

概要

四大卒であれば主に1966～1969年度生まれ。﹁バブル期入社世代﹂や﹁バブル就職世代﹂、﹁バブルっ子世代﹂とも言う。

世代人数は、それ以前の世代と比べると少ない︵日本の人口統計を参照︶。

高校から大学在学時にバブル景気を迎えていたこともあり、首都圏近郊のいわゆる﹁お坊ちゃま校﹂や﹁お嬢さま校﹂に通学していた場合イベント系サークルの絶頂期やチームの初期に関係していた者が多く、消費活動や遊びに時間も金も割く傾向にあった。

成長過程

前の世代である新人類や、後の世代である団塊ジュニア同様、入学試験などの競争を強いられた。大学・短大合格率は、新人類よりは低く、団塊ジュニアよりは高くなっており、団塊ジュニアよりは楽に受験戦争を突破出来た。

なお、彼らの中高校生時代︵1980年代前半︶はツッパリ文化の最盛期で、矢沢永吉や横浜銀蝿などの、リーゼントロックとツッパリ︵不良︶ファッションが、当時の管理教育に反発する少年層の間で大流行した。当時の不良少年の多くは高卒または高校中退で社会人となり、バブル期の大学生文化とは無縁であった者が多い。ただし、﹁この世代の高卒・中卒の人＝不良少年だった人﹂ではないことは、言うまでもないことに注意されたい。

大学に進学した者はバブル文化の発信源として華やかなファッションブームや文化を生み出していった。1980年代の﹁女子大生ブーム﹂の時期にあって都会の若い女性は消費対象としてもてはやされた。

大学卒業時には、バブル景気により就職市場は大幅に好転、売り手市場となった。企業から人気のある学部の学生は、3S︵寿司、ステーキ、ソープ︵風俗︶︶や、ディズニーランドや海外旅行で接待されたケースもあるという。 

就職難の時期を過ごし多くが非正規雇用となったのちの団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアと違うのは受験の努力が大学生活や就職で報われるということがはっきりしていたことである。当時の大卒就職市場の状況は映画﹃就職戦線異状なし﹄が参考になる。ただし、入社後はバブル崩壊後に入社人数を大幅に絞ったために労働負荷が増え過密労働に陥る人間も多く発生した。この点は新人類世代と同様である。

バブル世代と企業

当時は極めて日本の景気がよく、これを受けて事業を拡大・展開し業績を拡大するべく、各社こぞって高卒大卒を問わず人員募集数を拡大した︵就職氷河期#有効求人倍率の推移︵既卒者︶を参照︶。その結果、企業の求職人数は就職希望者を大幅に上回っていた。

しかし、1991年秋に日本のバブル経済が破綻した影響で、経済活動が沈滞化。その後約10年、多くの企業は新卒︵氷河期世代︶らの募集を手控えた。その影響で社内の年代別人口バランスが逆ピラミッド型に近い人口構成を持つ企業もある。

　入社後において同期︵または同期に近い世代︶の人数が圧倒的に多い社内環境のため、競争が激しく、一方で旧来であれば経験すべき事を経験できないままマネージメントを任されてしまう場合があり、管理職として要求される組織化能力、計画力、問題解決能力、問題形成能力、企画力が不足するという問題を抱えてしまうことが少なくない。これからバブル世代が管理職となっていくにつれて、ポスト競争の激化と責任の重圧から、精神的疾患を抱える会社員が増加するのではないかと見られている︵NHK﹃クローズアップ現代﹄より︶。

　また、バブル期以前の一般的な企業においては、社員の会社への帰属意識が高く、言い換えれば、起業家精神なく企業に依存している体質であった。しかしながら、バブル崩壊の余波を受け、終身雇用が必ずしも保証されない昨今において彼らは、企業体質の変化に対応しきれなくなってきている。不景気対打開のために、企業内人口の多いバブル世代が仕事に対する内発的動機付けを行うことが社会から求められている。

一方、彼らの消費活動には企業も注目しており、永らく続く実感なき好景気の打開策としてのマーケティング対象や、自由な発想による新商品開発が期待されている。

関連項目

• バブル景気
• スクエアビル
• イベント系サークル
• ディスコ
  • マハラジャ
  • ジュリアナ

先代 新人類1958年-1967年

日本の世代 バブル世代 1966年-1969年

次代 団塊ジュニア1971年-1974年 氷河期世代1971年-1981年

外部リンク

• バブル景気百科事典