「同型写像」の版間の差分
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{{仮リンク|logical atomism|en|logical atomism}} の早期の理論において,facts と true propositions の間の形式的な関係は[[バートランド・ラッセル]]と[[ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン]]によって同型であると理論化された.この方向の考えの例はラッセルの {{仮リンク|Introduction to Mathematical Philosophy|en|Introduction to Mathematical Philosophy}} において見つけられる. |
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[[サイバネティックス]]において,{{仮リンク|Good Regulator|en|Good Regulator}} あるいは Conant-Ashby theorem は "Every Good Regulator of a system must be a model of that system" と述べられる.Whether regulated or self-regulating an isomorphism is required between regulator part and the processing part of the system.
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[[サイバネティックス]]において,{{仮リンク|Good Regulator|en|Good Regulator}} あるいは Conant-Ashby theorem は "Every Good Regulator of a system must be a model of that system" と述べられる.Whether regulated or self-regulating an isomorphism is required between regulator part and the processing part of the system.
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として表せるリーマン球面は1つの数学的対象の3つの異なる記述であり,すべて同型であるが,すべてある1つの空間の部分集合ではないから,等しくない:1つ目は {{math|'''R'''<sup>3</sup>}} の部分集合で,2つ目は {{math|1='''C''' ≅ '''R'''}}<sup>2</sup><ref group="note">正確には,複素数の実平面との同一視 |
として表せるリーマン球面は1つの数学的対象の3つの異なる記述であり,すべて同型であるが,すべてある1つの空間の部分集合ではないから,等しくない:1つ目は {{math|'''R'''<sup>3</sup>}} の部分集合で,2つ目は {{math|1='''C''' ≅ '''R'''}}<sup>2</sup><ref group="note">正確には,複素数の実平面との同一視 |
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:<math>\mathbf{C} \cong \mathbf{R}\cdot 1 \oplus \mathbf{R} \cdot i = \mathbf{R}^2</math> |
:<math>\mathbf{C} \cong \mathbf{R}\cdot 1 \oplus \mathbf{R} \cdot i = \mathbf{R}^2</math> |
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は {{mvar|i}} の取り方に依存する‥{{math|−i}} を選ぶこともでき,異なる同一視を生む――形式的には,[[複素共役]]が自己同型である――が,実際にはそのような同一視をしたとしばしば仮定する.</ref> |
は {{mvar|i}} の取り方に依存する‥{{math|−i}} を選ぶこともでき,異なる同一視を生む――形式的には,[[複素共役]]が自己同型である――が,実際にはそのような同一視をしたとしばしば仮定する.</ref>に追加の一点を加えたもので,3つ目は {{math|'''C'''<sup>2</sup>}} の {{仮リンク|subquotient|en|subquotient}} である.
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圏論の文脈では,対象は通常せいぜい同型である――実際,圏論の発展の動機づけは[[ホモロジー論]]における異なる構成が同値な︵同型な︶群を生むことを示すことであった.しかしながら,2つの対象 {{mvar|X}} と {{mvar|Y}} の間の写像たちが与えられると,それらが等しいかどうか︵それらは集合 {{math|Hom(''X'', ''Y'')}} の元なので,等しいかどうかは適切な関係である︶を,特に[[可換図式]]において,問う.
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圏論の文脈では,対象は通常せいぜい同型である――実際,圏論の発展の動機づけは[[ホモロジー論]]における異なる構成が同値な︵同型な︶群を生むことを示すことであった.しかしながら,2つの対象 {{mvar|X}} と {{mvar|Y}} の間の写像たちが与えられると,それらが等しいかどうか︵それらは集合 {{math|Hom(''X'', ''Y'')}} の元なので,等しいかどうかは適切な関係である︶を,特に[[可換図式]]において,問う.
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2022年4月24日 (日) 06:10時点における版
解説
2つの数学的対象が同型 (isomorphic) であるとは,それらの間に同型写像が存在することをいう.自己同型写像は始域と終域が同じ同型写像である.同型写像の興味は2つの同型な対象は写像を定義するのに使われる性質のみを使って区別できないという事実にある.したがって同型な対象はこれらの性質やその結果だけを考える限り同じものと考えてよい.例
対数と指数
R+ を正の実数のなす乗法群とし,R を実数のなす加法群とする. 対数関数 log: R+ → Rはすべての x, y∈ R+ に対して log(xy) = log x+ log yを満たすので,それは群準同型である.指数関数 exp: R→ R+ はすべての x, y∈ R+ に対して exp(x + y) = (exp x)(exp y) を満たすので,それも準同型である. 恒等式 log exp x= xおよび exp log y= yは log と exp が互いの逆関数であることを示している.log は準同型である逆関数を持つ準同型であるから,群同型である. log は同型だから,正の実数の積を実数の和に翻訳する.この機能により,定規と対数表を用いて,あるいは対数スケールの計算尺を用いて実数を掛けることができる.6を法とした整数
0 から 5までの整数が6を法とした加法でなす群 (Z6, +) を考える.また,群 (Z2 × Z3, +) を考える.これは x座標が 0 か1で y座標が 0 か1か2の順序対で,加法は x座標は2を法とし,y 座標は3を法とする. これらの構造は以下の対応によって同型である‥ (0,0) → 0 (1,1) → 1 (0,2) → 2 (1,0) → 3 (0,1) → 4 (1,2) → 5 あるいは一般に (a, b) → (3a + 4b) mod 6. 例えば,(1, 1) + (1, 0) = (0, 1) であり,もう一方に翻訳すると 1 + 3 = 4 である. これらの2つの群は集合が異なる元を含むという意味で違って﹁見える﹂にもかかわらず,それらは実際同型であり,構造は全く同じである.より一般に,2つの巡回群 Zmと Znの直積が Zmnと同型であるのは,m と nが互いに素であるとき,かつそのときに限る.関係を保つ同型
1つの対象が集合 Xと二項関係 Rからなり,もう1つの対象が集合 Yと二項関係 Sからなるとき,X から Yへの同型写像は全単射 f: X→ Yであって同型と全単射準同型の違い
具体圏︵すなわち,大雑把に言って,対象が集合で射が集合の間の写像である圏︶,例えば位相空間の圏や代数的対象︵群,環,加群など︶の圏,において,同型射は台集合上全単射でなければならない.代数的な圏︵具体的には普遍代数学の意味での varieties の圏︶において,同型射は台集合上全単射な準同型と同じである.しかしながら,全単射準同型が同型射とは限らない具体圏︵例えば位相空間の圏︶があり,各対象が台集合を持つが同型射が全単射とは限らない圏︵例えばCW複体のホモトピー圏︶がある.応用
抽象代数学において,2つの基本的な同型射が定義される‥ ●群同型,2つの群の間の同型 ●環同型,2つの環の間の同型.︵体の間の同型は実は環同型であることに注意︶ 代数的構造の自己同型が群をなすのと全く同様に,共通の構造を持つ2つの代数の間の同型は heap をなす.特定の同型に2つの構造を同一視させることでこの heap は群になる. 解析学において,ラプラス変換は難しい微分方程式を簡単な代数的方程式に写す同型写像である. 圏論において,圏 Cは2つのクラスからなるとしよう.1つは対象のクラスで,1つは射のクラスである.このとき前の例や多くの他の場合を含む同型射の一般的な定義は‥同型射とは逆射をもつ射 f: a→ bである,すなわち射 g: b→ aであって fg= 1b かつ gf= 1a なるものが存在する射である.例えば,全単射線型写像はベクトル空間の間の同型写像であり,逆関数も連続な全単射連続関数は位相空間の間の同相写像と呼ばれる同型写像である. グラフ理論において,2つのグラフ Gと Hの間の同型写像は Gの頂点たちから Hの頂点たちへの全単射 fであって次の意味で﹁辺の構造﹂を保つものである‥G において頂点 uから頂点 vに辺があるのは Hにおいて f(u) から f(v) に辺があるとき,かつそのときに限る.グラフ同型を参照. 解析学において,2つのヒルベルト空間の間の同型写像は和とスカラー倍と内積を保つ全単射である. logical atomism の早期の理論において,facts と true propositions の間の形式的な関係はバートランド・ラッセルとルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインによって同型であると理論化された.この方向の考えの例はラッセルの Introduction to Mathematical Philosophy において見つけられる. サイバネティックスにおいて,Good Regulator あるいは Conant-Ashby theorem は "Every Good Regulator of a system must be a model of that system" と述べられる.Whether regulated or self-regulating an isomorphism is required between regulator part and the processing part of the system.等式との関係
関連項目
脚注
参考文献
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- ^ Awodey, Steve (2006). “Isomorphisms”. Category theory. Oxford University Press. p. 11. ISBN 9780198568612
- ^ Vinberg, Ėrnest Borisovich (2003). A Course in Algebra. American Mathematical Society. p. 3. ISBN 9780821834138
- ^ Mazur 2007.
関連文献
- Mazur, Barry (12 June 2007), When is one thing equal to some other thing?
外部リンク
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Isomorphism”, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4
- Isomorphism - PlanetMath.org
- Weisstein, Eric W. "Isomorphism". mathworld.wolfram.com (英語).