妹尾韶夫
妹尾 韶夫︵せのお あきお、1892年︵明治25年︶3月4日 ‐ 1962年︵昭和37年︶4月19日︶は、岡山県津山市生まれの日本の翻訳家・探偵小説作家。創作では妹尾アキ夫名義での活動が多い。
早稲田大学英文科卒業後、1922年︵大正11年︶頃から雑誌﹃新青年﹄等で英米中心の探偵小説の翻訳を手がける。アガサ・クリスティーの翻訳が特に多かった。1925年︵大正14年︶以降はアキ夫名義で創作も手がけ、30-40作ほどの短編を発表している。
また、﹃新青年﹄で月評を担当していた胡鉄梅、﹃宝石﹄で月評を担当していた小原俊一は、共に妹尾の変名だといわれている。
1962年︵昭和37年︶、脳溢血のため死去。70歳。
代表作(創作)
- 人肉の腸詰 (新青年、1927年9月号)
- 凍るアラベスク (新青年、1928年1月号)
- 恋人を食ふ (新青年、1928年5月号)
- 本牧のヴィナス (新青年、1929年2月号)
- 深夜の音楽葬 (新青年、1936年7月号)
翻訳
- 青色ダイア 怪奇探偵 オースティン・フリーマン 博文館 1923 (探偵傑作叢書)
- 暗い廊下 ステエシ・オウモニヤ 聚英閣 1926 (探偵名作叢書
- 赤色館の秘密 アラン・アレグザンダー・ミルン 世界探偵名作全集 柳香書院 1935
- 世界の終り コーナン・ドイル 春秋社 1937
- 灰色の幻 / ハーマン・ランドン 博文館文庫、1940
- 青春の氷河(訳編)朋文堂 1942
- ちべつと紀行 / マクガヴァン 西東社 1943
- アマゾンと古代インカ / ウィリアム・マクガヴァン 博文館 1943
- リュブルック東遊記 文松堂書店 1944.7
- 第四の郵便屋 / クレーグ・ライス 新樹社 1950 (ぶらっく選書
- 災厄の町 / エラリ・クイーン 新樹社 1950 (ぶらっく選書)
- 曲つた蝶番 ジョン・ディクスン・カー 雄鶏社 1951 (おんどり・みすてりい)
- 矢の家 / E.A.メースン 早川書房 1953
- 蝋人形館の殺人 ディクスン・カー 早川書房 1954 (世界探偵小説全集)
- ビッグ・ボウの殺人 イスラエル・ザングイル 早川書房 1954 (世界探偵小説全集)
- ホロー館の殺人 アガサ・クリスティー 早川書房 1954 (世界探偵小説全集)
- ヘルクレスの冒険 アガサ・クリスティー 早川書房 1955 (世界探偵小説全集)
- 死への旅 アガサ・クリスティー 早川書房 1955 (世界探偵小説全集)
- 睡眠口座 コーネル・ウールリッチ 早川書房 1956 (世界探偵小説全集)
- レスター・リースの冒険 E・S・ガードナー 早川書房 1956 (世界探偵小説全集)
- なげやりな人魚 E.S.ガードナー 早川書房 1956 (世界探偵小説全集)
- Yの悲劇 エラリー・クィーン 東京創元社 1956 (世界推理小説全集
- フォックス家の殺人 エラリイ・クイーン 早川書房 1957 (世界探偵小説全集)
- 用心ぶかい浮気女 E.S.ガードナー 早川書房 1957 (世界探偵小説全集)
- 製材所の秘密 フリーマン・W・クロフツ 六興・出版部 1957 (名作推理小説選)
- 運のいい敗北者 E.S.ガードナー 早川書房 1957 (世界探偵小説全集)
- ソーンダイク博士 オースチン・フリーマン 東京創元社 1957 (世界推理小説全集
- 暗い階段 M.G.エバハート 六興出版部 1958 (六興推理小説選書
- 剣の八 ジョン・ディクスン・カー 早川書房 1958 (世界探偵小説全集)
- ザイルの三人 海外山岳小説短篇集 朋文堂 1959
参考文献
- 鮎川哲也『幻の探偵作家を求めて』晶文社 1985年