「幻想交響曲」の版間の差分
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この旋律は、曲の中での彼女の登場の仕方によって変化している。たとえば、第一楽章では、曲の主人公となる人物が彼女を想っている場面で現れ、また牧歌的であるのに対して、終楽章では、魔女が主人公の死を告げに来るとき?に彼女を見るときにあらわれる。そして旋律は速く、﹁やかましくくだらない踊り?﹂になって、またキーキーとしたEb管[[クラリネット]]で演奏される。
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この旋律は、曲の中での彼女の登場の仕方によって変化している。たとえば、第一楽章では、曲の主人公となる人物が彼女を想っている場面で現れ、また牧歌的であるのに対して、終楽章では、魔女が主人公の死を告げに来るとき?に彼女を見るときにあらわれる。そして旋律は速く、﹁やかましくくだらない踊り?﹂になって、またキーキーとしたEb管[[クラリネット]]で演奏される。
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ベルリオーズはこの繰り返される旋律を「固定観念」(idée fixe)と呼んだ。これは[[リヒャルト・ワグナー]]が後に用いた、'Leitmotif'と同じである。純粋な管弦楽作品で、この技法をこれほどまで使ったのは幻想交響曲が初めてであろうが、[[カール・マリア・フォン・ウェーバー]]は、それ以前から彼のオペラ作品の中で、人物や物を表現するときに同じ動機の繰り返しを用いていた。 |
ベルリオーズはこの繰り返される旋律を﹁固定観念﹂(idée fixe)と呼んだ。これは[[リヒャルト・ワーグナー]]が後に用いた、'Leitmotif'と同じである。純粋な管弦楽作品で、この技法をこれほどまで使ったのは幻想交響曲が初めてであろうが、[[カール・マリア・フォン・ウェーバー]]は、それ以前から彼のオペラ作品の中で、人物や物を表現するときに同じ動機の繰り返しを用いていた。
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[[レナード・バーンスタイン]]は、この交響曲を、音楽の初の幻想世界への冒険だとした。 |
[[レナード・バーンスタイン]]は、この交響曲を、音楽の初の幻想世界への冒険だとした。 |
2003年12月2日 (火) 08:44時点における版
幻想交響曲(Symphonie Fantastique)はエクトル・ベルリオーズが作曲した交響曲。1830年作曲。同年、ベルリオーズ自身の指揮により初演。
初期のロマン派音楽の中でも、音楽史的にきわめて重要な位置にある。
﹁恋に深く絶望しアヘンを吸った豊かな想像力を備えたある芸術家﹂の物語を音楽で表現したもの。
曲の構成
- 第一楽章 Rêveries,Passions
- 第二楽章 Un bal
- 第三楽章 Scène aux champs
- 第四楽章 Marche au supplice
- 第五楽章 Songe d'une nuit du Sabbat-Ronde du Sabbat
全曲を通して、ハリエット・スミッソン︵アイルランドの女優。ベルリオーズが恋に落ちた人物で、後に結婚した。︶への愛をあらわす旋律が何度も現れる。
この旋律は、曲の中での彼女の登場の仕方によって変化している。たとえば、第一楽章では、曲の主人公となる人物が彼女を想っている場面で現れ、また牧歌的であるのに対して、終楽章では、魔女が主人公の死を告げに来るとき?に彼女を見るときにあらわれる。そして旋律は速く、﹁やかましくくだらない踊り?﹂になって、またキーキーとしたEb管クラリネットで演奏される。
ベルリオーズはこの繰り返される旋律を﹁固定観念﹂(idée fixe)と呼んだ。これはリヒャルト・ワーグナーが後に用いた、'Leitmotif'と同じである。純粋な管弦楽作品で、この技法をこれほどまで使ったのは幻想交響曲が初めてであろうが、カール・マリア・フォン・ウェーバーは、それ以前から彼のオペラ作品の中で、人物や物を表現するときに同じ動機の繰り返しを用いていた。
レナード・バーンスタインは、この交響曲を、音楽の初の幻想世界への冒険だとした。
これは、この交響曲が幻覚的、幻想的な性質があり、またこの交響曲は、少なくとも少しは、ベルリオーズがアヘンを吸った状態で作曲されたという歴史があることなどによる。