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{{出典の明記|date=2020-03-01}}

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『'''影が行く'''』(''Who Goes There?'')は、[[アメリカ]]の[[小説家]][[ジョン・W・キャンベル]]により、[[1938年]]に発表された[[サイエンス・フィクション|SF小説]]。


''''''''Who Goes There?''[[]][[]][[W]][[1938]][[|SF]][[]][[]][[S-F]]19619[[]]


== 概要 ==

キャンベルが、雑誌『[[アスタウンディング|アスタウンディング・サイエンスフィクション]]』の編集長となったのち、ドン・A・スチュアート名義で同誌に発表した。

キャンベルが、雑誌『[[アスタウンディング|アスタウンディング・サイエンスフィクション]]』の編集長となったのち、ドン・A・スチュアート名義で同誌に発表した。



異星生物と人類が閉鎖空間で繰り広げる緊迫した対決を描き、映画化もされるなど後世に多大な影響を与えた。

地球に飛来した[[地球外生命|異星生物]]と人類が閉鎖空間で繰り広げる対決を緊迫した筆致で描き、映画化もされるなど後世に多大な影響を与えた。



== あらすじ ==

== あらすじ ==

[[南極]]の探検や磁極調査をおこなう大磁極基地(ビッグ・マグネット)には、37人の隊員が暮らしていた。ある時、計器が不可解なほど強い磁力を探知したため、第2磁極遠征隊が編成されて調査へ向かう。やがて遠征隊は、潜水艦に似た物体が氷に埋もれているのを発見する。それは墜落した宇宙船であり、地球に来てから2千万年が経っていると推測された。

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[[南極]]の探検や磁極調査をおこなう大磁極基地(ビッグ・マグネット)には、37人の隊員が暮らしていた。ある時、計器が不可解なほど強い磁力を探知したため、第二磁極遠征隊が編成されて調査へ向かう。やがて遠征隊は、潜水艦に似た物体が氷に埋もれているのを発見する。それは墜落した宇宙船であり、地球に来てから二千万年が経っていると推測された。



遠征隊は氷を掘るうちに、宇宙船の乗組員らしき生物を見つける。船から出てすぐに吹雪で迷ったものらしく、遠征隊は氷のブロックごと生物を切り出した。宇宙船は、発掘に用いた[[テルミット]]爆薬が原因で失われてしまうが、氷漬けの生物は基地へと運ばれた。

遠征隊は氷を掘るうちに、宇宙船の乗組員らしき生物を見つける。船から出てすぐに吹雪で迷ったものらしく、遠征隊は氷のブロックごと生物を切り出した。宇宙船は、発掘に用いた[[テルミット]]爆薬が原因で失われてしまうが、氷漬けの生物は基地へと運ばれた。

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姿[[]]調--

姿[[]]調


ブレアーは、怪物を逃がさないように飛行機を破壊したと告げる。さらにブレアーは、コナントがすでに人間ではないと言いはり、隊員たちの間に不安が広がる。危険な状態と見なされたブレアーは倉庫に閉じ込められ、隊員は4人ひと組となるように決められた。マクレディたちは、発掘時の奇妙な体験を思い出し、怪物がテレパシー能力も持っていると推測する。

ブレアーは、怪物を逃がさないように飛行機を破壊したと告げる。さらにブレアーは、コナントがすでに人間ではないと言いはり、隊員たちの間に不安が広がる。危険な状態と見なされたブレアーは倉庫に閉じ込められ、隊員は4人1組となるように決められた。マクレディたちは、発掘時の奇妙な体験を思い出し、怪物がテレパシー能力も持っていると推測する。




[[]]

医師のカッパーは、人間と怪物を区別するため、犬の免疫を用いた[[血清]]のテストを始めた。一時はこのテストで問題が解決するかに思われたが、失敗に終わる。人間の組織と同様の反応が怪物の組織にも生じていたため、テスト用の血液を提供したギャリー隊長とカッパーは怪物ではないかいう疑いをかけられる。



カッパーは平静さを失ってモルヒネを注射され、ギャリーはマクレディに指揮権をゆずった。隊員たちが猜疑心に包まれる中、マクレディは怪物を区別しようとするが、決め手がないままに犠牲者が増えてゆく。怪物は、あらゆる部分がそれ自体で全体であり、小さな断片でさえ自足できることも明らかになる。やがてマクレディは、ある事件をきっかけに解決策を思いつき、隊員たちを集める。それは隊員の血液を使ったテストだった。

カッパーは平静さを失って[[モルヒネ]]を注射され、ギャリーはマクレディに指揮権をゆずった。隊員たちが猜疑心に包まれる中、マクレディは怪物を区別しようとするが、決め手がないままに犠牲者が増えてゆく。怪物は、あらゆる部分がそれ自体で全体であり、小さな断片でさえ自足できることも明らかになる。やがてマクレディは、ある事件をきっかけに解決策を思いつき、隊員たちを集める。それは隊員の血液を使ったテストだった。



== 主な登場人物 ==

== 主な登場キャラクター ==

=== 隊員 ===

;マクレディ

; マクレディ


:

: 

;ギャリー

; ギャリー

:遠征隊の隊長。血液テストが原因で疑いをかけられる。

: 遠征隊の隊長。血清テストが原因で疑いをかけられる。

;ブレアー

; ブレアー

:生物学者。自分以外を怪物と見なし、隔離される。


: 

;カッパー

; カッパー

:医師。血液テストを考案するが失敗し、疑いをかけられる。

: 医師。血清テストを考案するが失敗し、疑いをかけられる。

;ヴァン・ウォール

; ヴァン・ウォール

:首席パイロット。

: 首席パイロット。隊員たちや氷漬けの異星生物を基地へ運ぶ。

;バークレイ

; バークレイ

:機械技師。怪物退治用の電撃機を自作する。

: 機械技師。氷斧で異星生物を掘りあてる。怪物退治用の電撃機を自作する。

;コナント

; コナント


:

: 

;ノリス

; ノリス

:物理学者。異星生物の解凍に強く反対する。

: 物理学者。異星生物の解凍に強く反対する。

;キンナー

; キンナー

:コック。パニックに陥り隔離される。

: コック。パニックに陥り隔離され、室内で賛美歌を歌い続ける。

;ベニング

; ベニング

:航空整備士。

: 航空整備士。

;クラーク

; クラーク

:犬の飼育係。

: 犬の飼育係。パニックに陥ったキンナーを疎んじる。

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; ポムロイ

: 牛の飼育責任者。


=== その他 ===

; 異星生物


: 3

; チャーノーク


: 


== 映画化作品 ==

== 映画化作品 ==


3退

3退1982[[]]2011

; [[遊星よりの物体X]] (''The Thing from Another World'')、[[1951年]](米)

: 監督:クリスチャン・ナイビー / 出演:マーガレット・シュリダン、ケネス・トビー、[[ジェームズ・アーネス]] 他

; [[遊星からの物体X]] (''The Thing'')、[[1982年]](米)

: 監督:[[ジョン・カーペンター]] / 出演:[[カート・ラッセル]]、[[ウィルフォード・ブリムリー|A・W・ブリムリー]]、[[リチャード・ダイサート]] 他

; [[遊星からの物体X ファーストコンタクト]] (''The Thing'')、[[2011年]](米)

: 監督:マシーズ・ファン・ヘイニンヘンJr / 出演:[[メアリー・エリザベス・ウィンステッド]]、[[ジョエル・エドガートン]]、[[ウルリク・トムセン]] 他

これより前、2004年ドラマ専門チャンネルの[[Syfy]]が二度目のリメイクを試みて特殊メイクアーティストのVincent Guastiniにデザインを依頼。映画化は中止になったが、原作の描写に沿った赤い3つの眼を持つ異星生物が試作されていた。



2018年には原作から出版の際に作者が削除した部分を復元した"Frozen Hell(仮訳:「凍り付いた地獄」。邦訳無し)"が出版され、権利を取得した[[ブラムハウス・プロダクションズ]]と[[ユニバーサル・スタジオ]]による映画化が2020年1月に発表された<ref>{{Cite web|和書|author=Adele Ankers|date=2020-01-29|url=https://jp.ign.com/the-thing-1982/41297/news/x2018|title=『遊星からの物体X』の新たなリメイクが決定!2018年に発掘された原作小説の完全版を基にユニバーサルとブラムハウスが共同製作|website=[[IGN Japan]]|publisher=株式会社[[産経デジタル]]|accessdate=2022-02-08}}</ref>。同年8月にはジョン・カーペンターも進行中の企画に触れて、自身も参加する可能性を示唆した<ref>{{Cite web|和書|author=Matt Fowler|date=2020-08-24|url=https://jp.ign.com/the-thing-1982/46162/news/x|title=ジョン・カーペンターは自分が関わる『遊星からの物体X』のリブートを示唆|website=[[IGN Japan]]|publisher=株式会社[[産経デジタル]]|accessdate=2022-02-08}}</ref>。

* [[遊星よりの物体X]] (The Thing from Another World)、[[1951年]](米)

*:監督:クリスチャン・ナイビー、出演:マーガレット・シュリダン、ケネス・トビー、ジェームズ・アーネス他

* [[遊星からの物体X]] (The Thing)、[[1982年]](米)

*:監督:[[ジョン・カーペンター]]、出演:[[カート・ラッセル]]、A・W・ブリムリー、リチャード・ダイサート他

* '''The Thing'''、[[2011年]](米)

*:監督:マシーズ・ファン・ヘイニンヘンJr、出演:[[メアリー・エリザベス・ウィンステッド]]、ジョエル・エドガート、ウルリク・トムセン他



== 主な日本語訳 ==

== ゲーム化作品 ==

; [[遊星からの物体X episodeII]]、[[2003年]]

*『影が行く』[[矢野徹]]・[[川村哲郎]]訳、早川書房 - 短編集。「影が行く」、「薄明」、「夜」、「盲目」、「エイシアの物語」を収録

: 1982年の映画版の続編的な内容。

*『影が行く』[[中村融 (SF)|中村融]]編訳、東京創元社 - アンソロジー。「影が行く」を収録。



== 出典 ==

== 短編集 ==


* [[]][[]] [[SF]](3161)196711ISBN 978-4152079435 2 19959- [[W]]''Who Goes There? and Other Stories'' (1955)

** 「影が行く」、矢野徹訳

** 「薄明」、川村哲郎訳

** 「夜」、川村哲郎訳

** 「盲目」、川村哲郎訳

** 「エイシアの物語」、川村哲郎訳


*  - SF[[ (SF)|]] [[SF]] (SF--6-1 )20008ISBN 978-4-488-71501-4 - [[]]

** 「消えた少女」、[[リチャード・マシスン]]著

** 「悪夢団」、[[ディーン・R・クーンツ]]著

** 「群体」、[[シオドア・L・トーマス]]著

** 「歴戦の勇士」、[[フリッツ・ライバー]]著

** 「ボールターのカナリア」、[[キース・ロバーツ]]著

** 「影が行く」、[[ジョン・W・キャンベル・ジュニア]]著

** 「探検隊帰る」、[[フィリップ・K・ディック]]著

** 「仮面」、[[デーモン・ナイト]]著

** 「吸血機伝説」、[[ロジャー・ゼラズニイ]]著

** 「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」、[[クラーク・アシュトン・スミス]]著

** 「五つの月が昇るとき」、[[ジャック・ヴァンス]]著

** 「ごきげん目盛り」、[[アルフレッド・ベスター]]著

** 「唾の樹」、[[ブライアン・W・オールディス]]著


== 参考文献 ==

* 中村融『影が行く』解説、138頁。

* 中村融『影が行く』解説、138頁。



== 脚注 ==

{{脚注ヘルプ}}

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{{DEFAULTSORT:かけかいく}}

[[Category:1938年の小説]]

[[Category:1938年の小説]]

[[Category:アメリカ合衆国のSF小説]]

[[Category:アメリカ合衆国のSF小説]]

[[Category:南極を舞台とした作品]]

[[Category:アメリカ合衆国の短編小説]]

[[Category:南極を舞台とした小説]]


[[Category:人物の入れ代わりを題材とした小説]]

[[en:Who Goes There?]]

[[Category:地球外生命体を題材とした小説]]

[[es:Who Goes There?]]

[[Category:アメリカ合衆国の短編小説集]]

[[fr:Le ciel est mort]]

[[Category:1950年代の小説の短編集]]

[[ro:Cine-i acolo ?]]

[[Category:ハヤカワ・SF・シリーズ]]

[[ru:Кто идёт?]]

[[Category:創元SF文庫]]

[[sv:Who Goes There?]]


2023年11月21日 (火) 21:23時点における最新版


Who Goes There?W1938SFS-F19619

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 SF(3161)196711ISBN 978-4152079435 2 19959- WWho Goes There? and Other Stories (1955)










 - SF SF (SF--6-1 )20008ISBN 978-4-488-71501-4 - 


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