松岡駒吉のソースを表示

{{半保護}}
{{Infobox 人物
| 氏名 = 松岡 駒吉
| ふりがな = まつおか こまきち
| 画像 = Komakichi Matsuoka 01.jpg
| 画像サイズ = 
| 画像説明 = 1951年
| 出生名 = 
| 生年月日 = [[1888年]][[<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">8</span>日]]
| 生誕地 = [[鳥取県]][[岩美町]]<ref name=DIO />
| 没年月日 ={{死亡年月日と没年齢|1888|4|8|1958|8|14}} 
| 死没地 = <!-- {{JPN}}・<span class="ltr">XX</span>都道府県<span class="ltr">YY</span>市区町村 -->
| 国籍 = <!-- {{JPN}} -->日本
| 別名 = 
| 職業 = [[政治家]]、[[労働運動|労働運動家]]、
| 活動期間 =
| 著名な実績 = 「日本労働運動育ての親」<ref name=DIO />
| 団体 = [[友愛会]]
|墓地=[[青山霊園]]の<span class="ltr">1</span>ロ30,31-8}}
'''松岡 駒吉'''（まつおか こまきち、[[1888年]]〈[[明治]]21年〉[[<span class="ltr">4</span>月<span class="ltr">8</span>日]] - [[1958年]]〈[[昭和]]33年〉[[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">14</span>日]]）は、[[日本]]の[[政治家]]、[[労働運動|労働運動家]]。第<span class="ltr">39</span>代[[衆議院議長]]（在任期間・[[1947年]][[<span class="ltr">5</span>月<span class="ltr">21</span>日]] - [[1948年]][[<span class="ltr">12</span>月<span class="ltr">23</span>日]]）。[[戦前]]日本の労働運動の代表的存在<ref name=DIO />。

労働者団体[[友愛会]]メンバー<ref name=DIO>{{Cite report|和書|author=間宮 悠紀雄 |title=友愛会から総同盟へ : 鈴木文治と松岡駒吉の軌跡 |series=連合総研レポート : 資料・情報・意見 |volume=32 |issue=4 |pages= 8-11 |date=2019-04 |publisher=連合総研 |url=https://www.rengo-soken.or.jp/dio/dio346-2.pdf |id={{NAID|40021863066}}}}</ref>。[[ゼンセン同盟]]会長<ref name=DIO />。[[世界連邦運動]]の推進団体である世界連邦日本国会委員会の初代会長。[[国際労働機関]]（ILO）設立時には日本使節団の労働者側代表委員を務める。

== 来歴 ==
=== 戦前 ===
[[File:International Labor Conference 1929 Japan.jpg|thumb|1929年ジュネーブ国際労働会議に参加。最前列左から<span class="ltr">3</span>人目]]
[[鳥取県]][[岩美郡]]岩井村（現・[[岩美町]]）に、温泉旅館「岩井屋」を経営していた松岡常次郎の三男として生まれる。[[1902年]]岩井高等小学校を卒業するが、家業が傾き、上級学校への進学は果たせなかった。しばらく地元で[[石油]]の行商、郵便局集配人を務めた後、[[1904年]][[舞鶴海軍工廠]]の職工となる。舞鶴時代に、教会の[[英語]]教室に通い始めたのがきっかけで[[1906年]][[キリスト教]]に入信する。後に、[[日本基督教団]][[富士見町教会]]の会員になった<ref>松岡が[[衆議院議長]]を務めていた時に、[[内閣総理大臣]]であった[[片山哲]]と同じ教会に所属した。:[[中村敏]]『日本における福音派の歴史』p.158</ref>。

その後機械工としてのステップアップを図るべく、大阪の鉄工所、[[朝鮮総督府]]鉄道管理局竜山工場臨時工を経て、[[1910年]][[室蘭市|室蘭]]の[[日本製鋼所]]に入る<ref name=DIO />。

室蘭時代に、[[吉野作造]]や[[安部磯雄]]の著書に親しみ、[[キリスト教社会主義]]に関心を持つようになる。やがて[[1914年]][[友愛会]]室蘭支部が結成され、松岡は発会式に訪れた会長[[鈴木文治]]の人柄に感銘を受け入会する。松岡もまた鈴木に見込まれ、[[1917年]]鈴木の要請に応え、友愛会専従となるため日鋼を退職し上京、友愛会の労働組合化に尽力<ref name=DIO />。[[1921年]]友愛会は日本労働総同盟と改称された。

筋金入りの非妥協的[[反共主義|反共主義者]]で、[[1923年]][[<span class="ltr">10</span>月]]には総同盟内部における[[左翼|左派]]台頭に反発して主事兼会計を辞任するが、翌[[1924年]][[<span class="ltr">6</span>月]]には中央争議部長として早くも復帰。[[1925年]]には中央委員として、関東地方評議会等の左派組合の除名に際し主導的な役割を担った<ref name=DIO />。その一方で[[野田醤油労働争議|野田醤油（現・キッコーマン）争議]]（[[1927年]]～[[1928年]]）など多くの争議を指導し、消費組合等の事業活動も推進した<ref name=DIO />。
[[1926年]]5月、[[ジュネーブ]]で開催された第<span class="ltr">8</span>回[[国際労働会議]]に日本労働総同盟社会部長婦人部長の肩書で政府顧問として出席する<ref>第八回、第九回の代表任命『中外商業新報』大正<span class="ltr">15</span>年<span class="ltr">3</span>月<span class="ltr">28</span>日（『大正ニュース事典第<span class="ltr">7</span>巻 大正<span class="ltr">14</span>年-大正<span class="ltr">15</span>年』本編p191 大正ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年）</ref>。また、同年には[[社会民衆党]]の設立に参画し中央委員となる。[[1932年]]総同盟会長に就任。右派労働組合の大同団結を図るべく、[[1936年]]全日本労働総同盟を結成し、引き続き会長を務めた。

[[満州事変]]以降、労働運動に対する体制側の圧迫は厳しさを増し、労働運動の存続を図るため、[[1937年]]には'''ストライキ撲滅'''等の銃後三大運動を決議するなど、時流への迎合を余儀なくされた。その後官製の産業報国運動が展開されると、松岡は[[労働組合]]解消につながるとして強く反対。官憲の圧迫が執拗に加えられるなか、[[1940年]]断腸の思いで総同盟を解散する。[[1942年]]の[[翼賛選挙]]に非推薦で立候補したが落選した。

=== 戦後 ===
[[File:Matsuoka Komakichi.JPG|thumb|180px|1953年]]
終戦とともに労働組合再結成に動く。[[1946年]][[<span class="ltr">8</span>月<span class="ltr">1</span>日]]、[[日本労働組合総同盟]]結成大会があり会長に就任する<ref>{{Cite book |和書 |author=世相風俗観察会 |title=増補新版 現代世相風俗史年表 昭和<span class="ltr">20</span>年（1945）-平成<span class="ltr">20</span>年（2008）|publisher=河出書房新社 |year=2003-11-07 |page=16 |isbn=9784309225043}}</ref>。また同年の[[第<span class="ltr">22</span>回衆議院議員総選挙]]に[[日本社会党]]公認で[[東京都第<span class="ltr">2</span>区 (1946年)|旧東京<span class="ltr">2</span>区]]から出馬し当選。以後当選<span class="ltr">6</span>回。[[1947年]]衆議院議長に就任。初の[[無産政党]]出身の議長であり、新時代の到来を強く印象付けた。

[[1956年]][[<span class="ltr">12</span>月]]の[[国際連合]]加盟に際し、[[重光葵]][[外務大臣 (日本)|外務大臣]]に同行し[[国際連合総会]]に出席。

[[1958年]]8月<span class="ltr">14</span>日、肝臓病のため死去。<span class="ltr">70</span>歳。

== 評価 ==
*松岡は争議にあたっては[[資本家]]・経営陣側の立場も考慮し、時には労働者側に不利な条件で妥結することもあった。そのため、反対派からは「ダラ幹（「堕落した幹部」の意味）」呼ばわりもされたが、個人的にはおよそ腐敗とは縁遠く、特に金銭の取り扱いについては極めて厳格であったという。
*松岡の最大の敵は、労働組合を「革命家の育成所」とみなす階級的労働組合主義の左派であった<ref name=DIO />。また一方で企業内組合についても「[[御用組合]]では『産業人としての労働者』の訓練は不可能であり、結局、国民生活の向上につながる産業の発展を期すことはできない」と批判の対象であった<ref name=DIO />。
*首尾一貫、左右いずれの観念的な思想に与することなく、現実主義・漸進主義を貫いた人生であった。そのため左派優位の社会党では長らく評価は低く、松岡の思想や組織運営などは[[民社党]]に色濃く受け継がれた。

== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
* [[中村菊男]]・松岡駒吉伝記刊行会編『松岡駒吉伝』（[[1963年]]、[[経済往来社]]）

== 外部リンク ==
* [https://digital-collection.pref.tottori.lg.jp/search/detail?cls=lib_c201&pkey=0009272  とっとりデジタルコレクション--松岡駒吉]
* [https://web.archive.org/web/19991004062324/http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/dglb/matsuokak.html 大原社研マルチメディア・データベース 松岡駒吉ファイル]
* [http://yuairodorekishikan.com/ 友愛労働歴史館<span class="ltr">HP</span>]（日本労働会館、松岡が初代代表の団体）


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| title  = {{Flagicon|JPN}} [[衆議院議長]]
| before = [[山崎猛 (政治家)|山崎猛]]
| years  = 第<span class="ltr">39</span>代：1947年 - 1948年
| after  = [[幣原喜重郎]]
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{{衆議院議長}}
{{旧東京<span class="ltr">2</span>区選出衆議院議員(1947-1993)}}
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