沽券
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沽券 (こけん) は江戸市中の町人地に関する売買契約書。沽券状とも。
町役人、五人組が立会いのもとで土地の売買が行われ契約書である沽券が作成されたので沽券は土地権利証としても機能した。契約書であるため土地の明細の他に売買代金も記載されたので土地の価値を証明するものとされ、これから転じて﹁沽券に関わる﹂という慣用句が生じた。当時火災が多発し家屋がしばしば消失したため沽券に家屋の情報は記載されなかった。
土地を担保にする場合も町役人、五人組が契約に立ち合い町役人が担保物件の沽券を完済まで預かった。
売買契約書であるため町割りから一度も売買が行われていない土地には沽券が存在しない、また江戸開府にまでさかのぼる地主は﹁草分け地主﹂とよばれた。