「田村成義」の版間の差分
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== 経歴 == |
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[[江戸]][[日本橋 (東京都)|日本橋]]元大工町で医師の福井寿 |
[[江戸]][[日本橋 (東京都)|日本橋]]元大工町で医師︵眼科医︶の福井寿仙の子として生まれる。幼名は鋳之助。1861年(文久元年)5月に母が亡くなり、1866年(慶応2年)3月に父が亡くなった。同年7月に、牢屋敷[[同心]]鍵番を勤めていた田村金太郎の養子となる。養子に入った際に、金一郎に改名した。同年9月 跡目相続を許され、囚獄書役見習となった。
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慶応4年(1886) [[明治維新|維新]]後は鎮台府附 市政裁判所に出仕、[[東京府]]付監獄係、囚人前科取調係を経て、明治3年(1870年)の春に辞職した。辞職した原因は、「田舎者が来て無暗に威張り散らし、此方の頭が上がらないのが大いに癪に障った」ため。 |
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維新後の明治2年(1869年)か明治3年(1870年)に東京府の囚人取調係を辞職。その後、芝居の小道具の刀の請負い、製茶業者などの職を経たのち法律を学び、明治10年(1877年)東京府で[[代言人]]免許を得る。
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同年8月、[[市村座]]の茶屋万屋、その後芝居の小道具の刀の請負いなどの職を経たのち、静岡で茶園の手伝いなどもしていたが長続きせず、明治4年に東京にもどった後、訪ねて来た友人の﹁君遊んで居ずとも此の節は[[代言人]]というものが出来て、訴訟の世話をやってやれば随分金になるから、一つやっては如何だ﹂との勧めで、毎日司法省日誌と首引きを始め、小川町の法律学校に通い、[[代言人]]になるための勉強をした。明治10年(1877年)東京府で代言人免許を得る。名を成義と改めた。
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明治15年(1882年)2月22日 東京府代言人組合を離れ、横浜組合に入る。7月 神奈川県人として[[自由党 (日本 1881-1884)|自由党]]に入党。関与の程度・活動期間は不明だが、明治17年(1884年)5月の自由党員名簿にはまだ記載がある。この時期銀座と横浜で代言人事務所を開いており、明治15年11月9日から11日の東京横浜毎日新聞の広告欄に、代言人 田村成義として、京橋区銀座三丁目十五番地、横浜柳橋際柳町五番地(現在の横浜市中区吉田町付近)の二か所で広告を出している。明治18年(1885年)7月24日から25日には、「横浜住吉町二丁目十二番地へ出張所を設け代言弁護の依頼に応ず 銀座三丁目十五番 田村成義」の広告を出している。 |
明治15年(1882年)2月22日 東京府代言人組合を離れ、横浜組合に入る。7月 神奈川県人として[[自由党 (日本 1881-1884)|自由党]]に入党。関与の程度・活動期間は不明だが、明治17年(1884年)5月の自由党員名簿にはまだ記載がある。この時期銀座と横浜で代言人事務所を開いており、明治15年11月9日から11日の東京横浜毎日新聞の広告欄に、代言人 田村成義として、京橋区銀座三丁目十五番地、横浜柳橋際柳町五番地(現在の横浜市中区吉田町付近)の二か所で広告を出している。明治18年(1885年)7月24日から25日には、「横浜住吉町二丁目十二番地へ出張所を設け代言弁護の依頼に応ず 銀座三丁目十五番 田村成義」の広告を出している。 |
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明治12年(1879年)[[新富座]]の経営者・十二代目[[守田勘弥]]が訴訟を起こした際、被告側弁護人として調停に務め、その後、守田の法律顧問になったことが歌舞伎界に関わるきっかけになった。また、[[尾上菊五郎 (5代目)|五代目尾上菊五郎]]と親交が深く、明治19年(1886年)菊五郎が[[明治座|千歳座]]に移った際、経営に関わり、﹃[[四千両小判梅葉]]﹄などの作品の製作にも関係する。
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明治12年(1879年)[[新富座]]の経営者・十二代目[[守田勘弥]]が訴訟を起こした際、被告側弁護人として調停に務め、その後、守田の法律顧問になったことが歌舞伎界に関わるきっかけになった。また、[[尾上菊五郎 (5代目)|五代目尾上菊五郎]]と親交が深く、明治19年(1886年)菊五郎が[[明治座|千歳座]]に移った際、経営に関わり、﹃[[四千両小判梅葉]]﹄などの作品の製作にも関係する。
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明治22年(1889年)11月、[[福地桜痴]]・[[千葉勝五郎]]が[[歌舞伎座]]を開業して以降、興行主任などの名義で経営に関わるようになり、株式会社化 |
明治22年(1889年)11月、[[福地桜痴]]・[[千葉勝五郎]]が[[歌舞伎座]]を開業して以降、興行主任などの名義で経営に関わるようになり、明治29年(1896年)の歌舞伎座株式会社化の際にも創立メンバーとして奔走した。明治28年(1895年)12月末、銀座三丁目の田村宅に﹁歌舞伎座株式会社創立事務所﹂の看板を掲げ、[[井上竹次郎]]、[[皆川四郎]]、三宅豹三、西川忠克、野田丈次郎、[[馬越恭平]]、早川松之助、坂本省三、千葉仁之助、[[福地源一郎]]らと株式会社化の準備を進め、明治29年(1896年)4月8日、会長 皆川、副会長 井上、重役 千葉、西川、野田、監査役 馬場、早川、坂本、幹事 田村を決定。しかしこの頃から皆川、井上の方針の違いによる対立が始まる。10月5日 会長を社長と改め、皆川が社長、井上が副社長となる。西川、千葉が取締役辞任、吉川安之助、[[伊藤謙吉]]が取締役に加わる。12月1日 皆川が社長を辞任、伊藤が社長、井上が興行専務、吉川が会計、野田が庶務となる。皆川とは代言人時代からの仲であった田村はその後、一時歌舞伎座とは縁を切るが、団十郎・菊五郎亡き後、再び経営に関わり︵1904年︶、松竹に経営権が渡るまでの約10年間は実質的に田村が経営の中心であった。
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明治41年(1908年)以降[[市村座]]の経営権を得て、大正2年(1913年)、歌舞伎座の経営を松竹に譲った後、田村は市村座に専念することになった。 |
明治41年(1908年)以降[[市村座]]の経営権を得て、大正2年(1913年)、歌舞伎座の経営を松竹に譲った後、田村は市村座に専念することになった。 |
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**﹃藝界通信無線電話﹄︵青蛙房、1975年︶1901年から1914年まで﹃歌舞伎﹄に、1915年から18年まで﹃[[演藝画報|演芸画報]]﹄に連載されたもので、死んだ歌舞伎関係者と冥界への電話で会話するという趣向の歌舞伎随筆。
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**﹃藝界通信無線電話﹄︵青蛙房、1975年︶1901年から1914年まで﹃歌舞伎﹄に、1915年から18年まで﹃[[演藝画報|演芸画報]]﹄に連載されたもので、死んだ歌舞伎関係者と冥界への電話で会話するという趣向の歌舞伎随筆。
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*﹃続々歌舞伎年代記 乾﹄︵1922年︶ ‥﹁歌舞伎年代記﹂︵立川焉馬︶、﹁続歌舞伎年代記﹂︵豊芥子︶の続編で、成義の3回忌に刊行された。幕末から明治36年までを扱う。さらに﹁坤﹂として明治37年から大正9年までの原稿を用意していたが、関東大震災のため焼失した。
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*﹃続々歌舞伎年代記 乾﹄︵1922年︶ ‥﹁歌舞伎年代記﹂︵立川焉馬︶、﹁続歌舞伎年代記﹂︵豊芥子︶の続編で、成義の3回忌に刊行された。幕末から明治36年までを扱う。さらに﹁坤﹂として明治37年から大正9年までの原稿を用意していたが、関東大震災のため焼失した。
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== 親族 == |
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*福井寿仙︵生年不詳 - 1866年︵[[慶応]]2年︶3月︶- 父。江戸日本橋大工町の眼科医。松平越前守([[松平春嶽]])の御出入医者であったという。
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*田村金太郎 - 養父。町奉行支配囚獄石出帯刀組同心鍵役筆頭。 |
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*田村てる - 妻 |
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*田村義太郎 - 長男。病気のため早世。 |
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*[[田村寿二郎]](1878年([[明治]]11年)- 1924年([[大正]]13年)[[7月24日]]) - 次男。田村の死後、市村座の経営に当たる。 |
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*田村クラ(1862年([[文久]]2年)9月15日 - 1945年([[昭和]]20年)9月22日)- 養女。牛込区矢来下町二十番地 長野諭一郎、もめの長女。 |
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*足立繁美 - 田村の妹の夫。後の市村座の帳元。 |
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== その他 == |
== その他 == |
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趣味は[[小唄]]で、小唄田村流の祖の田村てると親交があった。 |
趣味は[[小唄]]で、小唄田村流の祖の田村てると親交があった。 |
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