風レンズ
表示
風レンズ︵かぜレンズ︶とは、風車に取り付けて、風力を効率よく獲得するための部品である。論文等ではつば付きディフューザ︵英‥brimmed diffuser︶と表現されることもある。風レンズを装着した風車を﹁風レンズ風車﹂、﹁レンズ風車﹂または﹁つば付きディフューザ風車﹂と言う。九州大学の大屋裕二らによって開発された[1]。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/36/Wind_Lens_diagram_idea_2011.svg/220px-Wind_Lens_diagram_idea_2011.svg.png)
風レンズの原理‥風レンズ後方に発生する渦によって陰圧が生じ、風速 が増加する。
風レンズは、風の入口から出口に向かって広がる筒︵ディフューザ︶と、出口周辺のつばからなっている。入口は風の取り入れ口︵インレット︶としてやや広がっている。
従来、流体中に設置されるまたは使用される機械は、流体に対する抵抗や渦の発生を最小限にするようにデザインされることが多いが、風レンズは渦の発生を積極的に起こして利用するという特徴がある。ディフューザとつばによって、風レンズの後方に渦が発生し、圧力が低下する。このため入口付近の風速が増加する。発電量は風速の3乗に比例するので、この効果によって2 - 5倍程度の効率上昇が見込めるとされている。
風レンズ開発当初は比較的長いディフューザに大きなつばが付いたもので4-5倍の出力増加が達成された。しかしこれは風車の大型化にとって風レンズ構造体自体の重量の大きさや、風レンズの受ける風の荷重の大きさといった欠点を持っていた。近年では、より軽く、形状もリング状でスリムになったものが開発され、それでも同じローター径の従来型風車に比べると2倍以上の出力増加が確保されている。[2]
構造と原理
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/36/Wind_Lens_diagram_idea_2011.svg/220px-Wind_Lens_diagram_idea_2011.svg.png)