コンテンツにスキップ

「5つの銅貨」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
 
(8人の利用者による、間の10版が非表示)
1行目: 1行目:

{{出典の明記|date=2021年1月}}

{{Infobox Film

{{Infobox Film

|作品名=5つの銅貨

|作品名=5つの銅貨

|原題=The Five Pennies

|原題=The Five Pennies

|画像=Red Nichols from sheet music.jpg

|画像=

|画像サイズ=

|画像サイズ=

|画像解説=

|画像解説=本作の題材となったレッド・ニコルズ

|監督=メルヴィル・シェイヴルソン

|監督=メルヴィル・シェイヴルソン

|脚本=ジャック・ローズ<br />メルヴィル・シェイヴルソン

|脚本=ジャック・ローズ<br />メルヴィル・シェイヴルソン

24行目: 25行目:

|次作=

|次作=

}}

}}

『'''5つの銅貨'''』(いつつのどうか、原題:''The Five Pennies'')は^ ^、[[1959年]]の[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]。実在の[[コルネット]]奏者レッド・ニコルズの半生を描いた作品である。

『'''5つの銅貨'''』(いつつのどうか、原題:''The Five Pennies'')は、[[1959年]]の[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]。実在の[[コルネット]]奏者レッド・ニコルズの半生を描いた作品である。



== 概要 ==

== 概要 ==

実在のコルネット奏者レッド・ニコルズ{{enlink|Red Nichols}}の奇跡のカムバックを軸としながら、彼と妻ボビー、娘ドロシーとの家族愛を描いた映画である。タイトルの「5つの銅貨」はレッド・ニコルズの[[バンド]]名であるが、[[ダニー・ケイ]]の妻シルヴィア・ファインが同名の歌を作詞作曲し、歌手でもあるダニー・ケイが劇中で披露している。[[ルイ・アームストロング]]が本人役で登場して[[トランペット]]を演奏したり、[[ボブ・ホープ]]が観客役で[[カメオ出演]]するシーンもある。レッド・ニコルズ本人こそ画面には登場しないが、トランペットの[[ソロ (音楽)|ソロ]]演奏の[[吹き替え]]を行っている。配役はニコルズ役のダニー・ケイの他、ニコルスの妻ボビーを[[バーバラ・ベル・ゲデス]]、10代になった娘ドロシーを[[チューズデイ・ウェルド]]が演じている。少女時代のドロシーを演じた[[スーザン・ゴードン]]は、プロデューサーで映画監督の[[バート・I・ゴードン]]の娘。<ref>後に彼女は日本に住み、[[電通]]に勤めた。(新潮文庫「これもまた別の話」ISBN978-4-10-124503-4より。)</ref>

実在のコルネット奏者レッド・ニコルズ{{enlink|Red Nichols}}の奇跡のカムバックを軸としながら、彼と妻ボビー、娘ドロシーとの家族愛を描いた映画である。タイトルの「5つの銅貨」はレッド・ニコルズの[[バンド (音楽)|バンド]]名であるが、[[ダニー・ケイ]]の妻シルヴィア・ファインが同名の歌を作詞作曲し、歌手でもあるダニー・ケイが劇中で披露している。[[ルイ・アームストロング]]が本人役で登場して[[トランペット]]を演奏したり、[[ボブ・ホープ]]が観客役で[[カメオ出演]]するシーンもある。レッド・ニコルズ本人こそ画面には登場しないが、トランペットの[[ソロ (音楽)|ソロ]]演奏の[[吹き替え]]を行っている。配役はニコルズ役のダニー・ケイの他、ニコルスの妻ボビーを[[バーバラ・ベル・ゲデス]]、10代になった娘ドロシーを[[チューズデイ・ウェルド]]が演じている。少女時代のドロシーを演じた[[スーザン・ゴードン]]は、プロデューサーで映画監督の[[バート・I・ゴードン]]の娘。


本作の製作と監督は、やはり実在する[[ヴォードヴィル]]芸人の伝記映画『エディ・フォイ』物語を手がけたジャック・ローズとメルヴィル・シェイヴルソン(メルビル・シャベルソンと表記されることもある)が行っており、脚本も両者の共同である。撮影は『[[ウエスト・サイド物語 (映画)|ウエスト・サイド物語]]』で[[アカデミー撮影賞]]を受賞するダニエル・L・ファップ、衣裳は生涯に8回[[アカデミー衣裳デザイン賞]]を受賞する[[イーディス・ヘッド]]が務めている。


2[[ ()|]][[]]L8[[]][[]][[]]


本作は、[[アカデミー歌曲賞]]、[[アカデミー作曲賞|作曲賞]]、[[アカデミー撮影賞|撮影賞]]、[[アカデミー衣裳デザイン賞|衣裳デザイン賞]]にノミネートされた。日本では公開当時、[[文部省]]選定映画であった。

本作は、[[アカデミー歌曲賞]]、[[アカデミー作曲賞|作曲賞]]、[[アカデミー撮影賞|撮影賞]]、[[アカデミー衣裳デザイン賞|衣裳デザイン賞]]にノミネートされた。日本では公開当時、[[文部省]]選定映画であった。



== ストーリー ==

== ストーリー ==

1920年代、田舎から[[ニューヨーク]]へ出てきたコルネットの得意な青年レッド・ニコルズは、ウィル・パラダイス楽団に入る。レッドは、知り合った歌手のボビーとのデートで訪れた[[ルイ・アームストロング]]の出演する闇酒場で、飛び入りで見事な[[セッション]]をしたことから実力を認められるようになった。ボビーと結婚して独立し、[[ディキシーランド・ジャズ]]・バンドのファイブ・ペニーズ楽団を結成して、巡業を始めた。娘のドロシーが産まれ、若き日のジミー・ドーシーや[[グレン・ミラー]]も加わった楽団も順調だった。ドロシーは幼いながら、両親の血を引いた音楽の才能の片鱗を見せ始めた。楽団の人気は絶好調となり、旅回りの興業が忙しくなったレッドは、妻の反対を押し切ってドロシーを寄宿舎に入れる。そして忙しさにかまけて娘と会う約束を度々キャンセルするようになっていく。ついにクリスマスの夜、ドロシーは寄宿舎のブランコで雨の中両親を待ち続けて倒れてしまい、[[急性灰白髄炎|小児マヒ]]で両足が不自由になってしまう。そして、あれほど仲の良かった父娘の間には深い亀裂がった。レッドは後悔に苛まれ音楽を捨て、残りの人生を彼女の治療に捧げることを決意する。楽団を解散し、トランペットを[[ゴールデンゲートブリッジ]]から投げ捨ててしまった。


1920[[]][[]][[]][[]][[]]調調宿宿[[|]][[]]



[[]]

[[]]


== キャスト ==

== キャスト ==

{| class="wikitable" style="text-align: center;"

※括弧内は日本語吹替<ref>初放送1970年12月24日 [[テレビ東京]] 『[[木曜洋画劇場]]』。</ref>(ソフト未収録)

|-

* レッド・ニコルズ - [[ダニー・ケイ]][[羽佐間道夫]]

! rowspan="2"|役名

* ボビー・メレディス - [[バーバラ・ベル・ゲデス]][[野口ふみえ]]

! rowspan="2"|俳優

* [[ルイ・アームストロング]]本人[[相模太郎 (2代目)|相模太郎]]

! 日本語吹替

* トニー・ヴァラニ - [[ハリー・ガーディノ]]

|-

* 13歳のドロシー・ニコルズ - [[チューズデイ・ウェルド]]竹内美香

! [[テレビ東京|東京12ch]]版

* 幼少期のドロシー・ニコルズ - [[スーザン・ゴードン]]石崎恵美子

|-

* ウィル・パラダイス - ボブ・クロスビー[[大木民夫]]

| レッド・ニコルズ ||[[ダニー・ケイ]] ||[[羽佐間道夫]]

* アーティ・シュット - ボビー・トゥループ

|-

* ジミー・ドーシー - レイ・アンソニー

| ボビー・メレディス ||[[バーバラ・ベル・ゲデス]] || [[野口ふみえ]]

* デイヴ・タフ - シェリー・マン

|-

* [[グレン・ミラー]] - レイ・デイリー

| ドロシー・ニコルズ(6—8歳) ||[[スーザン・ゴードン]]|| 石崎恵美子

* [[ボブ・ホープ]](カメオ出演)

|-

| ドロシー・ニコルズ(13歳) ||[[チューズデイ・ウェルド]]||竹内美香

|-

| ウィル・パラダイス ||{{仮リンク|ボブ・クロスビー|en|Bob Crosby}} ||[[大木民夫]]

|-

| ルイ・アームストロング || 本人 ||[[相模太郎 (2代目)|相模太郎]]

|-

| 不明<br />その他 || || [[村越伊知郎]] <br />[[宮田光]]<br />[[松岡文雄]]<br />[[千葉順二]]<br />[[納谷六朗]]<br />[[島木綿子]]<br />[[青野武]]<br />[[金子亜矢子]]<br />木村令子<br />[[中尾隆聖|竹尾智晴]]<br />[[三景啓司|宮本和男]]<br />[[野島昭生]]

|-

|

|-

| colspan="2"|演出 || 旭谷暘

|-

| colspan="2"|翻訳 || 三枝邦子

|-

| colspan="2"|効果 ||

|-

| colspan="2"|調整 ||

|-

| colspan="2"|制作 || [[東北新社]]

|-

| colspan="2"|解説 ||[[芥川也寸志]]

|-

| colspan="2"|初回放送 || [[1970年]][[12月24日]]<br />『[[木曜洋画劇場]]』

|}



== スタッフ ==

== スタッフ ==

67行目: 94行目:

* レストランで新アレンジの楽譜を渡されたメンバーが、楽譜を見ながらそれぞれのパートを口ずさんで確認し始めると、それが自然にスキャットでのセッションになってしまうシーンがある。ギタリストの[[道下和彦]]はこのシーンに感動したのが音楽家になるきっかけとなった。

* レストランで新アレンジの楽譜を渡されたメンバーが、楽譜を見ながらそれぞれのパートを口ずさんで確認し始めると、それが自然にスキャットでのセッションになってしまうシーンがある。ギタリストの[[道下和彦]]はこのシーンに感動したのが音楽家になるきっかけとなった。

* [[三谷幸喜]]は、上記シーンでの効率よく観客へ情報を伝えるシナリオの妙に感動し、脚本家になった。

* [[三谷幸喜]]は、上記シーンでの効率よく観客へ情報を伝えるシナリオの妙に感動し、脚本家になった。

* 三つの曲を三人で同時に歌うシーンがある。ダニー・ケイが「ラグタイムの子守唄」、スーザン・ゴードンが「ファイブ・ペニーズ」、ルイ・アームストロングが「グッドナイト・スリープ・タイト」。この三曲はコード進行が全く同じに作られているため、三重唱すると綺麗に重なる。[[和田誠]]は同シーンに影響を受け、「[[快盗ルビイ]]」で、ラジオから流れてくる曲に合わせて[[小泉今日子]]と[[真田広之]]がそれぞれ別の曲を歌う「たとえばフォーエバー」のシーンを作った<ref>いずれも、新潮文庫「これもまた別の話」ISBN978-4-10-124503-4より。</ref>。後にPSY'sのチャカ(安則眞実)のセッション“チャカと昆虫採集”の1991年のライブアルバム「うたの引力実験室」により見事に再現されている。



== 脚注 ==

== 脚注 ==

83行目: 109行目:

* {{Amg movie|17686|The Five Pennies}}

* {{Amg movie|17686|The Five Pennies}}

* {{IMDb title|0052809|The Five Pennies}}

* {{IMDb title|0052809|The Five Pennies}}

* {{tcmdb title|75067|title=The Five Pennies}}



{{DEFAULTSORT:いつつのとうか}}

{{DEFAULTSORT:いつつのとうか}}

89行目: 116行目:

[[Category:ジャズを題材とした映画作品]]

[[Category:ジャズを題材とした映画作品]]

[[Category:文部省選定]]

[[Category:文部省選定]]

[[Category:音楽家を主人公とした映画作品]]

[[Category:音楽家を題材とした伝記映画]]


2023年3月18日 (土) 08:48時点における最新版

5つの銅貨
The Five Pennies

本作の題材となったレッド・ニコルズ

監督 メルヴィル・シェイヴルソン
脚本 ジャック・ローズ
メルヴィル・シェイヴルソン
製作 ジャック・ローズ
出演者 ダニー・ケイ
バーバラ・ベル・ゲデス
ルイ・アームストロング
音楽 リース・スティーヴンス
撮影 ダニエル・L・ファップ
編集 フランク・P・ケラー
配給 パラマウント映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1959年6月18日
日本の旗 1960年1月30日
上映時間 117分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
テンプレートを表示

5The Five Pennies1959

[]


 (Red Nichols) 510I

2L8


[]


1920調調宿宿


キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
東京12ch
レッド・ニコルズ ダニー・ケイ 羽佐間道夫
ボビー・メレディス バーバラ・ベル・ゲデス 野口ふみえ
ドロシー・ニコルズ(6—8歳) スーザン・ゴードン 石崎恵美子
ドロシー・ニコルズ(13歳) チューズデイ・ウェルド 竹内美香
ウィル・パラダイス ボブ・クロスビー英語版 大木民夫
ルイ・アームストロング 本人  相模太郎
不明
その他
村越伊知郎
宮田光
松岡文雄
千葉順二
納谷六朗
島木綿子
青野武
金子亜矢子
木村令子
竹尾智晴
宮本和男
野島昭生
演出 旭谷暘
翻訳 三枝邦子
効果
調整
制作 東北新社
解説 芥川也寸志
初回放送 1970年12月24日
木曜洋画劇場

[]
















L

P


[]





[]




[]


en:Red Nichols

en:Tommy Dorsey

en:Jimmy Dorsey

en:Arthur Schutt

[]


5 - allcinema

5 - KINENOTE

The Five Pennies - 

The Five Pennies - IMDb

The Five Pennies - TCM Movie Database