【新釈】走れメロス 他四篇
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﹃︻新釈︼走れメロス 他四篇﹄︵しんしゃく はしれメロス ほかよんへん︶は、2007年に発行された森見登美彦による短編小説集。﹃走れメロス﹄をはじめとする近代日本文学の名作5作品の新釈︵パロディ︶から成る。
収録作品[編集]
以下の5編の短編小説から成る。それぞれが右記の近代日本文学の名作を、舞台を現代に置き換えて新釈した内容になっている。 山月記 - 原典は中島敦の﹃山月記﹄。 アパートにこもり、ひたすら小説を書き続ける大学生斎藤秀太郎の話。 藪の中 - 原典は芥川龍之介の﹃藪の中﹄。 文化祭の映画制作にまつわる話。 走れメロス - 原典は太宰治の﹃走れメロス﹄。 5編の中で最もユーモラスな作風である。特に冒頭と終盤は、原典をかなりの部分でパロディーしながらも京大生に落とし込んでいる。 桜の森の満開の下 - 原典は坂口安吾の﹃桜の森の満開の下﹄。 恋人の女性を書くことで人気小説家となった男が、小説への情熱と彼女への愛情を失うに至る話。 百物語 - 原典は森鷗外の﹃百物語﹄。 5編の中の登場人物がほとんど出てくる話。主人公は森見登美彦自身という設定。作者と主人公が同じという構成は原典と同じである。出版[編集]
表紙は、祥伝社発行のものはハードカバーも文庫も同一、KADOKAWA発行の方は中村佑介のイラストになっている。 祥伝社刊 ●2007年3月13日発売、ISBN 978-4396632793︵ハードカバー︶ ●2009年10月15日発売、ISBN 978-4396335335︵祥伝社文庫︶ KADOKAWA/角川書店刊 ●2015年8月25日発売、ISBN 978-4041033692︵角川文庫︶舞台[編集]
青春音楽活劇﹁詭弁・走れメロス﹂ 2012年12月から2013年1月に、アトリエ・ダンカン プロデュース公演としてKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ︵プレビュー公演︶、博品館劇場、サンケイホールブリーゼにて上演[1]。 ●2016年4月から5月に、一部キャストを替えシアターサンモールと京都劇場にて再演を行った[2]。 ●原作は﹁新釈 走れメロス﹂[2]。 ●脚本と演出はカムカムミニキーナの松村武、振付はカンパニーデラシネラの小野寺修二が担当[2]。 キャスト︵舞台︶ ●芽野 - 武田航平 ●須磨 - 新垣里沙 ●芹名 - 山下翔央(2012年)、中村優一(2016年)オーディオブック[編集]
オトバンクの﹁audiobook.jp﹂にて2019年8月31日よりオーディオブックになった[3]。- キャスト(オーディオブック)
- ほか
- 藪の中
- 走れメロス
- 語り:濱野大輝
- 芽野史郎:青木誠
- 芹名雄一:井上悟
- 図書館警察長官:岩崎了
- 須磨さん:青山吉能
- ほか
- 桜の森の満開の下
- 語り:井上悟
- 男:三上遊太
- 女:青山吉能
- 斎藤秀太郎:土田玲央
- ほか
- 百物語
- 語り:桜木信也
- F君:鵜澤宏明
- 斎藤秀太郎:土田玲央
- 永田:濱野大輝
- 芽野史郎:青木誠
- 鵜山徹:佐藤元
- 鹿島:岩崎了
- ほか
脚注[編集]
(一)^ “青春音楽活劇﹁詭弁・走れメロス﹂ | 演劇ニュース”. www.moon-light.ne.jp. 2018年8月11日閲覧。
(二)^ abc“森見登美彦の原作を松村武が舞台化﹁詭弁・走れメロス﹂4月に復活”. ステージナタリー (2016年2月14日). 2016年2月15日閲覧。
(三)^ “﹁新釈 走れメロス 他四篇﹂のオーディオブック - audiobook.jp”. audiobook.jp 2020年5月27日閲覧。