アテーナイのアポロドーロス
アテーナイのアポロドーロス︵アテナイのアポロドロス、ギリシア語: Απολλόδωρος ο Αθηναίος, Apollodōros, 英: Apollodorus of Athens, 紀元前180年頃 - 紀元前120年以降︶は、ヘレニズム期ギリシアの著述家・文法学者。
人物[編集]
医師アスクレピアデスの子。ストア派の哲学者であるバビロニアのディオゲネス、パナイティオス、ならびに文法学者のサモトラケのアリスタルコスの弟子だった。紀元前146年頃、アレクサンドリアを離れ︵あるいは追放され︶、おそらくペルガモンで長く過ごした後、アテーナイに定住した。著作[編集]
アポロドーロスには以下の著作があった。 ●﹃年代記﹄︵Χρονικά︶ - 紀元前12世紀のイリオス︵トロイ︶の滅亡からおおよそ紀元前143年︵後に紀元前109年まで延長されたが︶を詩で語ったギリシアの歴史。エラトステネスの作品群に基づいている。書かれた年はアテーナイのアルコン︵高級執政官︶への言及から推定される。ほとんどのアルコンの任期は1年で、研究家たちはアポロドーロスがそれを書いた年をつきとめようとした。詩は滑稽な三歩格で書かれていて、アッタロス2世に献呈された。 ●﹃神々について﹄︵Περι θεων︶ - 詳細なギリシア宗教史で、ピロデモスら後世の著作家の情報源となった。 ●ホメロスの軍船カタログ︵﹃イリアス﹄第2歌の494行から759行を指す︶に関する12巻の散文。エラトステネスやスケプシスのデメトリオスの著作に基づく。ホメロスの地理学とその時代に何が変わったかを扱っている。ストラボンの著書﹃地理誌﹄の8巻から10巻はアポロドーロスのこの著作に依っている。 アポロドーロスが書いたと思われる著作には、語源学の初期のもの、コスのエピカルモスやソプロンという詩人の分析などがある。アポロドーロスは他にも多数の批評本、文法学の本を書いたが、それらは現存していない。『ビブリオテーケー』の作者[編集]
詳細は「アポロドーロス」を参照
『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』の作者である「アポロドーロス」は、かつては本項のアポロドーロスと同一視されていた。
参考文献[編集]
- Hornblower, Simon (1996). "Apollodorus (6) of Athens". The Oxford Classical Dictionary. Oxford: Oxford University Press. 124.
- Smith, W. (1861). [1]. Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology Vol. 1, p. 234. London: Walton & Maberly. 1093.
- Greek Chronicles in translation