アントゥル=タン
表示
﹃アントゥル=タン﹄(フランス語: Entre-Temps) は武満徹が作曲した室内楽作品。1986年 (昭和61年) にオーボエと弦楽四重奏のために書かれた。
概要[編集]
ダダイズム・シュルレアリズムの詩人トリスタン・ツァラの詩集﹃Entre-Temps﹄(1946年刊) の中の詩から以下の3行に触発されて作曲された [1]。 ぼくらの頭の上の ただ一羽の鳥 ぼくらの手のなかの 飛ぶ片手 それは同じもの それは時間 巌谷國士訳 ﹃Entre-Temps﹄は﹁時とき=間はざま﹂という意味である。作曲の経緯[編集]
イーストマン音楽院の委嘱により、リチャード・キルマー (Richard Killmer、オーボエ) とクリーヴランド弦楽四重奏団のために書かれた[1]。曲の構成[編集]
武満自身の解説によると 曲は夢の構かた造ちに類似している。(中略) その細部は、明晰でありながら、その非現実的な連続によって、多義性を深めている。 とあり、1981年 (昭和56年) に書かれた﹃夢の時﹄と同じ傾向の作品である[1]。初演[編集]
1986年5月12日、リチャード・キルマー (オーボエ) とクリーヴランド弦楽四重奏団によって東京で初演された [2][3]。編成[編集]
●オーボエ1 ●弦楽四重奏 (ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1)出版[編集]
ショット・ミュージック録音[編集]
- 武満徹 MUSING ZONE Ⅱ、フォンテック FOCD3255, ジェフリー・クレリン (オーボエ)・アルディッティ弦楽四重奏団 (1988年10月25日・カザルスホールにて録音)
- 武満徹・響きの海 室内楽全集 2、キングレコード KICC-583, 2006年 (サントリー音楽財団 サマーフェスティバル2002 MUSIC TODAY 2002「武満徹の音」のライブ録音)
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ a b c 武満徹 MUSING ZONE Ⅱ、フォンテック FOCD3255, ジェフリー・クレリン (オーボエ)・アルディッティ弦楽四重奏団他 (1988年10月25日・カザルスホールにて録音)、ライナーノーツ
- ^ “武満徹『アントゥル=タン』(ショット・ミュージック)”. 2022年10月29日閲覧。
- ^ “Celebrating Takemitsu, Milwaukee Symphony Orchestra” (pdf). 2022年10月29日閲覧。