イアン・ペイス (ピアニスト)
イアン・ペイス (Ian Pace)はイギリスの現代音楽のピアニスト、音楽学者[1][2][3][4][5][6]。
略歴[編集]
クイーンズ・カレッジ卒業後、ジュリアード音楽院で念願のジェルジ・シャーンドルに師事した。﹁シャーンドル・メソッド﹂から天啓を得たと語る彼はシャーンドルと同じく現代の作曲家へ興味を程なく移し、大量の新作初演を行った。20世紀音楽のレパートリーは1000曲以上に上っている。公式には英国現代ピアノ演奏コンクールで優勝後に演奏活動をはじめたことになってはいるが、それ以前にも多くの新作初演を手がけていた[7]。 彼は1996年にマイケル・フィニスィーピアノ作品全曲演奏会を6晩にテーマ別に分けて難なく開催し、フィニスィーのピアノ音楽における功績を改めて浮き彫りにした。この覇気に打たれたフィニスィーは5時間15分を要する﹁音で辿る写真の歴史﹂を五年かけて完成。2001年に英国王立音楽院で全曲世界初演を敢行した。サウサンプトン大学音楽学部で特任ピアノ講師を務める傍ら、リサイタル活動も地道に行っていたが、音楽学者へ転身して博士号を授与された。現在はロンドン大学で教鞭をとりつつ、ピアニストとしての活動を行っている。現代音楽のみならず、ベートーヴェン-リストの﹁田園﹂とフィニスィーのイングリッシュカントリーチューンズを組み合わせるなど、レパートリーは広い。 2016年9月から2017年1月に﹁フィニスィーの70歳を祝う﹂と題して全11日のピアノ曲全曲演奏会を、ベン・スミス、フィニスィー本人とともに敢行した。このために書かれた作品も初演された[8]。 ブライアン・ファーニホウの﹁レンマ・アイコン・エピグラム﹂の商業録音を二種[9][10]残す目下唯一のピアニストである。2024年6月、初来日公演開催予定[11]。ピアノ独奏を含むディスコグラフィー[編集]
- Christopher Fox - More Light
- Michael Finnissy - Gershwin Arrangements, More Gershwin
- Michael Finnissy - Verdi Transcriptions, Piano Concertos 4 & 6, Snowdrift, To & Fro
- Various Composers - Tracts
- Walter Zimmermann - Beginner's Mind
- Michael Finnissy - The History Of Photography In Sound
- Brian Ferneyhough - Complete Piano Music 1965-2018
脚注[編集]
出典[編集]
(一)^ “Ian Pace”. openaccess.city.ac.uk. 2019年4月1日閲覧。
(二)^ “Ian Pace”. openaccess.city.ac.uk. 2019年4月1日閲覧。
(三)^ “Ian Pace”. sas-space.sas.ac.uk. 2019年4月1日閲覧。
(四)^ “Ian Pace”. www.tremediamusicedition.com. 2019年4月1日閲覧。
(五)^ “Ian Pace”. eprints.hud.ac.uk. 2019年4月1日閲覧。
(六)^ “Ian Pace”. searchnewmusic.org. 2019年4月1日閲覧。
(七)^ Ian Pace. “Composers D-G”. freespace.virgin.net/ian.pace. 2024年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月23日閲覧。
(八)^ “Ian Pace”. ianpace.wordpress.com. 2019年4月1日閲覧。
(九)^ “Tracts”. www.prestomusic.com. www.prestomusic.com. 2021年8月28日閲覧。
(十)^ “Brian Ferneyhough: Complete Piano Music 1965-2018”. divineartrecords.com. divineartrecords.com. 2021年8月28日閲覧。
(11)^ “今年6月、イギリスより現代音楽の世界的なピアニストであるイアン・ペイスさんを日本に招きます。企画の中で四つの大学︵同志社女子大、福井大、熊本大、国立音大︶を行脚”. tsudamusic.com. 2024年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月23日閲覧。