エンサイクロペディア・ジュダイカ

エンサイクロペディア・ジュダイカ︵Encyclopaedia Judaica︶は、1971年から1972年にかけて初版が発行された、ユダヤ人・ユダヤ教について英語で書かれた百科事典である。全26巻。ユダヤ世界・ユダヤ文明のさまざまな分野を扱っており、ユダヤの全歴史・文化・休日・言語・文字・宗教上の教えなどを解説する。

歴史[編集]

源流‥未完のドイツ語版[編集]

未完のドイツ語エンサイクロペディア・ジュダイカ︵Encyclopaedia Judaica︶は、1928年-1934年、ベルリンにおいてナフーム・ゴルトマン︵英語版︶のエシュコール出版協会から出版された。編集主幹はヤーコプ・クラツキン︵英語版︶およびラビ・イスマール・エルボーゲンであった。︵アルファベート順に︶"Aach"の項目から始まって"Lya"の項目まで進められたが、ナチス政権の影響でこの百科事典のプロジェクトは中止された。また、ヘブライ語版もエシュコール︵ヘブライ語で אשכול︶という事典名のもと、A - Antipas の項目までの2巻分が出版された。

英語版[編集]

英語版の初版は1971年-1972年に刊行され、当初は16巻構成であった。エルサレムにおいてはケテル出版社︵英語版︶から、ニューヨークにおいてはマクミラン出版社から出版された。のちに、1973年-1982年の10年間の出来事を年鑑形式で1巻分にまとめた増補版が出され、さらに1983年-1992年分の増補版も追加された。それら全部を含めると、25,000の記事︵1,500万語︶を含むことになる。編集者はセシル・ロス︵英語版︶とジョフリー・ウィゴーダー︵フランス語版︶である。広告では﹁30年におよぶ研究・調査と2,200人の執筆協力者と250人の編集者によって実現した﹂と謳っている。英語版エンサイクロペディア・ジュダイカの作成にあたっては、上述のドイツ語版の記事のいくつかが利用されただけでなく、ゴルトマンが手にした戦時補償金の一部も費やされた。なお、英語版エンサイクロペディア・ジュダイカはCD-ROMでも利用できる。このCD-ROM版は、100,000以上のハイパーリンク、あるいは動画、スライドショー、地図、音楽、ヘブライ語発音例などによって、機能強化されている。

ロシア語版[編集]

この英語版を縮約する形で翻訳した﹁縮小版ロシア語版エンサイクロペディア・ジュダイカ﹂が、1970年代に"Краткая еврейская энциклопедия"という書名で出版された。本体11巻および増補3巻。現在はオンラインでも利用できる[1]。

評価[編集]

エンサイクロペディア・ジュダイカは、その解りやすさ、信頼性、利便性などの理由から、ユダヤ人著者の名前をローマ字で表記するための標準的な表記法を見つける目的などに有用であるとして、アメリカ議会図書館やユダヤ図書館協会︵英語版︶から推薦されている。エンサイクロペディア・ジュダイカにおけるヘブライ語から英語への文字変換に関するガイドライン︵指標︶は、多くの学術書や新聞などにも採用されている。

外部リンク[編集]

Encyclopaedia Judaica 公式ページ - ウェイバックマシン（2008年12月24日アーカイブ分）