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﹃グリーン家殺人事件﹄︵グリーンけさつじんじけん、The Greene Murder Case︶は、S・S・ヴァン・ダイン作の長編推理小説。1928年発表。
素人探偵ファイロ・ヴァンスが活躍する12長編のうちの3作目にあたる作品であり、ヴァン・ダインの作品の中でも次作﹃僧正殺人事件﹄と並んで特に高い評価を受けている[1]。
あらすじ[編集]
ニューヨークの街中で、絶えずいがみ合い反目し合っている5人の子供達が住む古邸グリーン家。ある夜、そのグリーン家で2人の娘が何者かによって銃撃される。この事件を皮切りに、一家の皆殺しを企てる姿なき殺人者が跳梁する。
登場人物[編集]
●ファイロ・ヴァンス - 素人探偵
●ジョン・F・X・マーカム - 地方検事
●アーネスト・ヒース - 部長刑事
●トバイアス・グリーン夫人 - グリーン家の主人
●ジュリア・グリーン - 長女
●シベラ・グリーン - 次女
●アダ・グリーン - 末娘、養女
●チェスター・グリーン - 長男
●レックス・グリーン - 末弟
●アーサー・フォン・ブロン - グリーン家かかりつけの医師
●スプルート - グリーン家執事
●ゲルトルーデ・マンハイム - 料理女
●ヘミング - 女中頭
●バートン - 女中
●クレーヴン嬢 - グリーン夫人の看護婦
●オブライエン - 警視
●ウィリアム・M・モラン - 刑事課課長
●スニトキン - 殺人課の刑事
●バーク - 殺人課の刑事
日本語訳[編集]
●﹃世界探偵小説全集24﹄︵平林初之輔訳、博文館︶ 1929
﹁グリイン家の惨劇﹂と﹁デェヴィス集﹂︵ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス︶を収載
●﹃グリーン家殺人事件﹄
︵延原謙訳、新樹社、ぶらつく選書07︶ 1950
︵井上勇訳、東京創元社、世界推理小説全集16︶ 1956
︵井上勇訳、東京創元社、創元推理文庫) 1959
︵井上勇訳、東京創元社、世界名作推理小説大系 別巻3︶ 1962
︵延原謙訳、新潮社、探偵小説文庫︶ 1956
●﹃世界推理小説大系17ヴァン・ダイン﹄︵村上啓夫・田中潤司訳、東都書房︶ 1963
﹁僧正殺人事件﹂と﹁グリーン家殺人事件﹂を収載
●﹃グリーン家殺人事件﹄
︵延原謙訳、新潮文庫︶ 1959、のち新版 1975
︵中島河太郎訳、秋田書店、世界の名作推理全集8︶ 1973
︵坂下昇訳、講談社文庫︶ 1975
︵佐藤佐智子訳、春陽堂書店、春陽堂少年少女文庫、推理名作シリーズ︶ 1979
︵中島河太郎訳、秋田書店、ジュニア版世界の名作推理全集8 1983
●﹃グリーン家連続殺人事件﹄
︵榎林哲訳、ポプラ社、ポプラ社文庫、怪奇・推理シリーズ︶ 1987
- ^ 1975年『週刊読売』の海外ミステリー・ベストテンでは9位(『僧正殺人事件』は8位)に挙げられていた。