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45×107mm判ヴェラスコープ
ジュール・リシャール︵Jules Richard ︶はフランスにかつて存在したステレオカメラ専業カメラメーカーである。
創業者ジュール・リシャールの信念として﹁レンズは固定焦点﹂﹁シャッターはギロチン﹂﹁絞りは孔絞り﹂であるべきとしており、この例外はピント合わせがヘリコイド式になっているヴェラスコープのみである。
レンズはエ・クラウスからテッサーの供給を受けていた。
日本では大正時代東京・神田の佐藤サンエス堂が扱っていた。
製品一覧[編集]
●オントスコープ︵Ontoscope 、1900年頃から製造︶ - 高級ステレオカメラ。45×107mm判。レンズはクラウス・テッサー。シャッターはエアポンプ式6速ギロチン。乾板撮り枠、フィルム撮り枠のほかロールフィルムホルダーや12枚用乾板マガジンも用意された。
●ヴェラスコープ︵Verascope 1900年頃から製造︶ - 高級ステレオカメラ。45×107mm判と60×130mm判がある。ピント合わせはヘリコイド式。レンズはクラウス・テッサー。シャッターはエアポンプ式6速ギロチン。乾板撮り枠、フィルム撮り枠のほかロールフィルムホルダーや12枚用乾板マガジンも用意された。
●グリフォスコープI︵Glyphoscope I 、1905年頃製造︶ - ボディーは木製革張り。45×107mm判。レンズが非常に良いこと、レンズとシャッターを外すだけでステレオスコープになることが特長で高い人気を得、曽根春翠堂のトキオスコープ、ドイツのプラスコープやペコスコープなど類似商品が製造された。
●グリフォスコープII︵Glyptrhoscope II ︶ - ボディーが練り物製になった。
●オメオ︵Le Homeos 、1913年製造︶ - 当時の日本では﹁ホメオス﹂と呼ばれていた。レンズはクラウス・テッサー28mmF4.5固定焦点。シャッターは1/150〜1/10秒ギロチン。フィルムは35mmを使用する。
参考文献[編集]
●カメラレビュー別冊﹃クラシックカメラ専科﹄P114 昭和53年10月30日発行 朝日ソノラマ