セクエンス
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セクエンス︵Sequence︶[1][2][3]はアーサー王伝説に登場する剣。13世紀古フランス語の散文﹃散文ランスロ﹄︵別名﹃ランスロ本伝﹄、流布本サイクル︵ランスロ=聖杯サイクル︶の一部︶[4]に登場する[5][6][7][8][9]。
﹃散文ランスロ﹄によると、アーサー王の剣であり[5]、王が死地に赴く際にのみ携えるといわれている。作中ではランスロットがサクソン人との戦いで使用しているが[10][8][9]、王妃︵グィネヴィア︶が愛しのランスロットに与えたものだと考察される[11]。
脚注[編集]
(一)^ ab﹁セクエンス﹂︵Sequence︶の表記がコグラン & 山本訳 (1996), p. 172 にみられるが、現代フランス語読みであればséquenceは/sekɑ̃s/﹁セカンス﹂と発音される[12]。
(二)^ 綴りとしては、
Sequence[13][5][6][7][14][15][16],
Secance[6][14][15],
Seure[5][6][14][9][16],
がH・オスカー・ゾンマー編本の各写本の異本綴りとして照合できる︵次注参照︶。Secace[5][8]については、コーリー英訳の底本がエルスペス・ケネディー編本︵1980年︶﹁Lancelot do Lac: The Non-cyclic Old French Prose Romance﹂でありBNF fr. 768写本が使われる。ただし、訳本題名からうかがえるようにケネディーは﹁非サイクル﹂本︵流布本サイクルに組み込まれていない︶と主張する。
(三)^ ゾンマー編本の底本は大英図書館蔵﹁Add MS 10292–10294﹂写本。Sommer (1910), p. 421, 脚注6によると、写本によって表記が異なり、B本では sequence, D本・L本では secance, MS.本では seure, R本では相当するもの無し、とのこと。写本については p. 2 に記載があり、L本は﹁Lansdowne 757﹂、R本は﹁Royal 19. C. xiii﹂、B本は﹁Royal 19. B. vii﹂、D本は﹁Royal 20. D. iii﹂を指す。MS.本は﹁Add. MS. 10,293﹂を指す。
(四)^ ab﹃散文ランスロ﹄﹃ランスロ本伝﹄の表記はヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 (2018), p. 445 にみられる。
(五)^ abcdBruce 1999, p. 443.
(六)^ abcdWest 1978, p. 278.
(七)^ abSommer 1910, p. 421, L36.
(八)^ abCorley 1989, p. 399.
(九)^ abLacy 2010a, p. 452, L468.
(十)^ Sommer 1910, p. 421, 欄外: "Lancelot carried Artus's sword 'Sequence' which the king used only in mortal battle."
(11)^ abJonckbloet, W. J. A., ed. Roman van Lancelot (XIIIe eeuw) naar het (eenig-bekende) handschrift der Koninklijke bibliotheek: op gezag van het gouvernement uitgegeven. 1. 's‑Gravenhage: W. P. Van Stockum
(12)^ ab﹃Le Dico 現代フランス語辞典﹄ s.v. "séquence"、白水社、1993年。
(13)^ コグラン & 山本訳 1996, p. 172.
(14)^ abcSommer 1910, p. 421, 脚注6.
(15)^ abSommer 1916, p. 76 (Index).
(16)^ Lacy 2010b, p. 272 (Index).