デュレーション
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債券、あるいは債券に類似したあらゆる確定的なキャッシュ・フローにおいて、デュレーション︵duration︶はその残存年数を加重平均したものである。このため、デュレーションは、債券等への投資の平均回収期間であると言われる。残存
年の割引債のデュレーションは
年に等しく、利付債のデュレーションは
年より短くなる。 より一般には、デュレーションは、金利商品の金利に対する価格感応度として与えられる。
と時点
であらわす。時点
までの連続複利利回りを
として、
とおくと、この債券の現在価値
は以下のように与えられる。
実効デュレーション
は、以下のように定義される。
利付債の場合、実効デュレーションは以下のようになる。
これはそれぞれのキャッシュフローの残存期間を現在価値により加重平均したものに等しい。この形式で表現されるデュレーションはマコーレー・デュレーションと呼ぶ。利付債のように確定的なキャッシュフローをもつ証券では、実効デュレーションはマコーレーデュレーションに等しい。
プット条項付の債券など、オプションを内包する債券の価格の金利に対する感応度は、マコーレー・デュレーションや修正デュレーションではなく、実効デュレーションを用いて分析する必要がある。
実効デュレーションの評価はしばしば以下のような離散近似が用いられる。
ここで
は利回りの変化量、
と
は利回りがy下降あるいは上昇したときの債券価格である。
で与えられる。
評価時点から
後に生じるキャッシュ・フローを
とすると、この債券の現在価値は、
である。ここで
は債券の最終利回り︵複利︶ 、
は1年あたりのキャッシュフロー発生回数である。修正デュレーションは、キャッシュ・フローの残存期間の加重平均の式として定義される。
ここで、
を
について微分すると、
が得られる。
を一定とすると、修正デュレーションとマコーレー・デュレーションの間に以下の関係が成り立つ。
この等式が成り立つことは、それぞれのデュレーションの式に
を代入することで直接確かめることができる。一方、
から、
として、実効デュレーションに関する式として成り立つことを示すこともできる。
はVaRの計算で一般に用いられる。式で表すと
となり、このときエクスポージャーのベクトルは
となる。
●
= 一期間当たりに支払われるクーポン︵半年利払︶
●
= 一期間当たりの割引率︵半年︶
●
= 購入時から次回利払までの期間
●
= 償還までの利払回数