ノート:ブリタニカ百科事典第11版
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エリオットの詩句の訳について[編集]
エリオットの詩句について、IP116.80.11.239 の利用者の方が
窓辺に座ってブリタニカ百科事典を読み、縮み上がった魂
という訳を
窓辺に座ってブリタニカ百科事典を読み、ゆっくりくつろぐ魂
と修正なさいましたが、恐縮ですがちょっと議論の余地がありませんのでリバートさせていただきます。
﹁Animula は猫についての詩、クラークの引用はエリオットの原文と少し違います﹂というコメントいただいているのですが、これはつまり、(A)﹁Animula﹂という詩の原文の意味によって訳すべきとおっしゃっているのでしょうか? もしくは、(b) ここではクラークの︵誤った︶引用を訳すべきで、エリオットの原文から訳すべきではないとおっしゃっているのでしょうか?
いずれにせよ、(a') エリオットの詩の意味に沿って﹁縮み上がった﹂と︵またはそれに類する言葉で︶訳すべきであり、また、(b') たしかにクラークの引用はエリオットの原文に忠実ではないものの、それによって﹁curl up﹂という語の意味が大きく変わることはありません。
The pain of living and the drug of dreams
Curl up the small soul in the window seat
Behind the Encyclopaedia Britannica.
— エリオットの原文
生きる苦しみにさいなまれ、夢の薬を飲んで、
エンサイクロピーディア・ブリタニカのうしろの
窓際の座席で、小さい魂をちぢじこまらせるのだ。
— 上田保訳﹃エリオット詩集﹄︵思潮社︶p. 146
When T. S. Eliot wrote 'Soul curled up on the window seat reading the Encyclopædia Britannica,' he was certainly thinking of the eleventh edition.
— クラークの原文
エリオットが﹁窓辺の席でエンサイクロペディア・ブリタニカを読んで縮み上がった魂﹂と書いた時、彼の念頭にあったのは第十一版に違いない。
— 川西進訳﹃芸術の森のなかで﹄︵平凡社︶p. 92
また、Pierre Leyris にる仏語訳でも、﹁curl up﹂の部分は﹁blottir﹂︵ちぢこまらせる, 身をすくめさせる︶と訳されていることも申し添えておきます︵Poèmes 1910-1930, Édition du Seuil, 1947, p.209︶。
なお、﹁Animula﹂が﹁猫についての詩﹂であるというのは控えめに言っても特殊な解釈です。
﹁Animula﹂は人間の精神的な成長過程を描写しており、上記当該の箇所は、世界を構成する矛盾や不安定さに対面した精神の苦悩、逡巡を描いています。
--Rinopo︵会話︶ 2014年11月15日 (土) 05:00 (UTC)