ファン (前置詞)
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ファン︵van︶は、オランダ語の前置詞。﹁〜出身﹂を意味する。
ドイツ語のフォン (von) と同起源で、オランダ語と祖先を共通とする言語である英語では、オヴ (of) またはフロム (from) がこれに相当する。オランダ語では、出身地の地理を姓に取り入れる文化があり、これはトゥッセンフーフセル (tussenvoegsel) と呼ばれている。
姓の初めに使われる。ドイツ語、オランダ語での発音はファンであるが、日本では英語読みのヴァン、バンと表記されることがある。また、ファンを起源としながら、移住などによって発音がヴァンに変わっている場合がある。
定冠詞をともない、ファン・デ (van de)、ファン・デル (van der)、ファン・デン (van den) となることもある。ベルギーでは、﹁ファンデルフェルデ (Vandervelde)﹂のように、Van を含めた姓全体が一語となる場合がある。またファン・デルを略したフェル (ver) という形も存在するが、この場合はつねに一語として続けて書く︵フェルメールなど︶。
vanを含む姓をもつ家系[編集]
この語を冠した名前をもつのはオランダ語圏起源の家系である。現在ではオランダ語圏︵オランダやベルギーなど︶だけでなく、オランダ系の人々が移住したアメリカやドイツ、南アフリカ︵アフリカーナー︶をはじめ、世界各地にこの姓をもつ人々がいる。ドイツでは、オランダ人を先祖に持つ者など、西部に多い。 ドイツ語のフォン (von) は王侯貴族︵フュルスト︶や準貴族︵ユンカーなど︶の姓に用いられ、元来は出身地に冠してその地を領地とすることを意味するが、ファンは、単に出身という意味であり、平民でも名乗ることが多い。ドイツ人でもこの違いを知らない人は多い[要出典]。表記[編集]
van を含む姓のソートと大文字表記について、オランダとベルギーでは異なる習慣がある。
●オランダでは、vは︵文頭に来る場合を別にして︶小文字で書く。ソートでは van (van de, van der, van den) を無視し、次の文字の位置におく。
●ベルギーでは、Vは大文字で書く。ソートでは Van を含めて考え、Vの位置におく。