フロンティア (漫画)
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﹃フロンティア﹄は、石渡洋司による日本の漫画作品。﹃チャンピオンRED﹄︵秋田書店︶にて2002年10月号︵創刊号︶から2004年2月号まで連載された。全17話。チャンピオンREDコミックスより全3巻で単行本化されている。
登場人物
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目黒 勇一︵めぐろ ゆういち︶
本編主人公。﹁北﹂の潜入工作員にして、﹁北﹂独自の暗殺術﹁黒の技法﹂の使い手。﹁目黒勇一﹂という名は工作員としての偽名で、黒童からは﹁ピョウ﹂と呼ばれる。15年間日本に潜伏し、日本人として暮らしてきたが、妻である花の死の直後、上官であるフクロウの命を受け、逃走した同胞、リンとユンの追討に向かう。
﹁目黒勇一﹂として日本に赴任した当初の経歴は﹁25歳、千葉県松戸市出身。日本大学経済学部卒業﹂。
花︵はな︶
日本に上陸したばかりの目黒にあてがわれた、偽装上の妻。本国に夫と子供を残している。15年の生活において、実際の夫婦関係はないものの目黒とは強い心の絆で結ばれている。癌を患うこととなり、第1話は花の病没シーンから始まる。
フクロウ
目黒の上官であり、日本国内における﹁北﹂の工作員を管轄する地位にある老人。目黒にリンとユンの討伐命令を下すが、その背後には目黒も知らぬ目的があった。
リン
日本名は﹁黒木武︵くろき たけし︶﹂。﹁黒のナンバー﹂暗殺セクションの精鋭である青年。幼馴染であり恋人であるユンを連れ、逃走を図る。日本国内を逃亡しつつ﹁北﹂の追手をかわしていくが、やがて目黒と邂逅することになる。
ユン
リンの恋人であり、目黒の妻、花さんの形見の娘でもある。その肩口には謎の焼印が押されている。見た物を一瞬で記憶し、それを忘れない﹁直観像素質者﹂で、とある国家の重要機密を記憶していることから、フクロウに狙われることになる。
山本 四郎︵やまもと しろう︶
リンたちに接触する、関西弁を話すアフロヘアーの男。その正体は政府の雇われエージェントであり、目的は、来る国交正常化交渉の下準備としての﹁北﹂の情報提供者の保護、及び敵対工作員の除去。江戸時代からの動物芸人の血を引く人間で、カラスを駆使して諜報活動や攻撃を行う。仕事の報酬は、拉致された妹の正式な拉致被害者認定。
黒田︵くろだ︶
フクロウの配下。圧倒的な筋力の持ち主だが、普段は擬態してその実力を隠している。過去に本国にて、極限の飢餓から実の父親を殺して食うという経験をする。仲間の命を散らすことを厭わぬ残忍な攻撃を行う。
ストーン大佐
﹁黒の技法﹂を使用するゲリラの討伐の為に現れ、目黒らを襲撃する米兵特殊部隊の指揮官。機械の義手を持ち、その義手に仕組まれた装置で﹁黒の技法﹂を人工的に再現する。ベトナム戦争時、﹁黒の技法﹂を使う巨漢の襲撃に遭い、仲間を皆殺しにされた挙句、自身は掴まれた片腕を自ら切断して逃走するという過去を持つ。
ダグ・ロッカ
ストーン大佐の元に派遣された国防総省の官僚。小柄メガネ。謎のドキュメント﹁ブラックペーパー﹂の回収を目的とし、米兵部隊の指揮を取る。日本人及び﹁北﹂の人間に対し、徹底的に見下した態度をとる。
黛︵まゆずみ︶
リンたちを追跡する﹁北﹂のエージェントの1人。女。犬を思うままに操り、大量の犬を使って探査、追跡、及び戦闘を行う。本名は﹁山本志穂︵しほ︶﹂。山本四郎の妹だが、洗脳され、過去の記憶は全て無くしている。
黒童︵ヘイキョウ︶
齢60にして戦場に立つ、﹁黒の技法﹂の最強の使い手。目黒の上官だった人間で、過去にベトナムにてストーン大佐を襲った張本人でもある。本国ではリンを含めた黒のメンバーの教官であった模様。フクロウの弟。
カナ
日本に潜入した﹁北﹂の工作員家族の娘。両親が殺害された後、リンとユンが引き取り、自分達の家族として育てることになる。
「黒の技法(ブラックアーツ)」
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黒の技法とは﹁筋肉の振幅を一点に集中し、叩きつける﹂という一連の暗殺技術であり、これを会得した工作員は名字に﹁黒﹂の一字が入る﹁黒の姓︵メンバー︶﹂と呼ばれる。銃器を持った人間を容易に制圧する力を持つ。
掌弾ネジ式蛇震掌︵しょうだん ネジしき だしんしょう︶
﹁内蔵の活動を斬る﹂技で、心臓に撃ち込むことで心停止を引き起こす。リンが頻用する。
掌弾圧式響鳴︵しょうだん あっしき ひびき︶
両の掌を撃ち合わせ、衝撃波を起こす。屈強な男でもその鋭い音に耳を塞がざるを得ず、動物類や女子供を失神させることもできる。
掌弾重ね撃ち地雷震︵しょうだん かさねうち じらいしん︶
攻防一体の型。相手の攻撃を両手で受け止めつつ、その攻撃部位を破砕する。
掌弾徹し伝破︵しょうだん とおし でんぱ︶
複数の人間にまとめて振動を通し、一度に打ち倒す技。
掌弾裏技仁王足︵しょうだん うらぎ におうそく︶
座った状態からノーモーションで両足を地面にぶち当て、衝撃を起こす。目黒は走行する電車内でこの技を使用し、床板を跳ね上げるどころか、そのまま電車を脱線させた。
掌弾裏技散布︵しょうだん うらぎ さんぷ︶
両腕に巻きつけたさらし布を四方八方に撒き散らす技。リンが米兵相手に目くらましとして使用した。
裏技 土塊の陣︵うらぎ どかいのじん︶
地面を踏みつけることで大量の砂埃を巻き上げる技。
掌弾変形刀威︵しょうだん へんけい とうい︶
手刀の形で繰り出される技で、対象物を破砕しながら切断する。
奥技 大砲殺し︵たいほうごろし︶
戦車の主砲が発射されるタイミングで、肘と膝とで主砲を潰し、暴発させる対戦車用の技。
人柱︵じんちゅう︶
物語の最後、目黒が黒童に対して使用した、目黒オリジナルの黒技。
単行本
[編集]- 石渡洋司 『フロンティア』 秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉、全3巻
- 2003年5月発売 ISBN 4-253-23091-1
- 2003年10月23日発売 ISBN 4-253-23092-X
- 2004年1月22日発売 ISBN 4-253-23093-8