ポッドキャスト
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(ポッドキャスティングから転送)
ポッドキャスト︵英語: podcast︶とは、インターネット上で音声や動画のデータファイルを公開する方法の1つであり、オーディオやビデオでのウェブログとして位置付けられる、インターネットラジオ・インターネットテレビの一種である。
ロードアイランド州プロビデンスにある、What Cheer Wr iters Clubのポッドキャスティングスタジオ
ポッドキャストは、アメリカのソフトウェア・エンジニアのケヴィン・マークス︵Kevin Marks︶と、アメリカのMTVの元VJでIT起業家として知られるアダム・カリーによる iPodder ソフトウェア︵後のJuice︶の開発や、米科学者でスクリプト言語開発に多く関わった経歴を持つデイブ・ウィナーによるマルチメディアファイルをRSS内に関連付けすることを可能にするRSSエンクロージャーの開発を発端にしている。アダム・カリーはそのエンクロージャー要素をいち早く導入したブロガーの一人である。
ウィナーは、アメリカのラジオ放送NPRのDJであるクリストファー・リドンのブログに彼のインタビュー放送︵2004年アメリカ大統領選挙の報道等︶を録音したオーディオファイルを添付する技術について協力し、それに触発される形でカリーのiPodderにも必要な技術が盛り込まれるものとなった。
Apple Podcastsでポッドキャストを表すためにAppl eが使用しているロゴ
2005年2月よりブログ・ポータルサイトのSeesaa BLOGやケロログが相次いでポッドキャスト配信サービスを一般ユーザに提供し始める。更に2005年6月末にApple Computerの人気ミュージックプレーヤーであるiTunesがポッドキャスト・アグリゲータとしての機能を提供した。続いてニフティがポッドキャストRSSを任意のウェブログに追加することを可能にする﹁Podfeed﹂サービスを提供し始めた。これらのサービスが提供されたことを契機として、日本のポッドキャストリスナー、ポッドキャスター双方の人口が急速に増加していった。
概要[編集]
ポッドキャストとは、Webサーバ上にマルチメディア・データファイル︵音声データ・動画データなど︶をアップロードし、RSSを通してWWW上に公開することである。その内容は、個人のブログと同様のものもあれば、テーマに基づいた対談などもあり、多岐に亘る。 ﹁ポッドキャスト﹂はAppleのポータブルマルチメディアプレーヤーである﹁iPod︵アイポッド︶﹂と、"放送"を意味する﹁broadcast︵ブロードキャスト︶﹂を組み合わせた造語である[1]。元々は﹁iPodシリーズなどの携帯プレイヤーに音声データファイルを保存して聴く事が可能な放送︵配信︶番組﹂という意味で名付けられた。出自こそアップルとは無関係であったが、後に半自動でポッドキャスト番組をダウンロードし、iPodシリーズに転送する機能がiTunesに組み込まれた。 配信に利用されている音声データファイルのほとんどは標準的なMP3形式のオーディオファイルであるため、iPodシリーズに限らず、MP3オーディオファイルを保存して再生できる全てのデジタルオーディオプレーヤーで聴く事ができるというものであったが、現在ではMPEG-4やH.264形式の動画配信も含めて、Podcastと呼ぶ。 一般的にはポッドキャスト︵Podcast︶という言葉でこの仕組み自体を指し、Podcasting︵ポッドキャスティング︶はこの仕組みを利用して実際に配信を行うという行為を指すのに使われることが多い。またPodcaster︵ポッドキャスター︶は、一般的にPodcastを放送︵配信︶している人物を指す。 広義のポッドキャストでは、公開するマルチメディアファイルの種類は問わず、ポッドキャストのダウンロード専用ソフトウェア︵アグリゲータ︶を利用して、RSSから指定のファイルを得られる仕組みそのものを指す。だが一般的には、ポッドキャストと言った場合には音声データファイル︵MP3など︶の公開を意味するのが普通である。現在では音声データファイルだけではなく動画データファイルの配信も広く行われているほか、電子書籍︵EPUB形式など︶の配信にも対応している。動画の場合はビデオポッドキャストやビデオキャスティング、もしくはVlogなどと呼ばれる。 配信する音声データファイルがAACの場合、ファイルにチャプターマーカー︵チャプター毎に画像やURLリンクを埋め込むことも可能︶を付加することができる。これを拡張ポッドキャスト︵Enhanced Podcast︶と呼ぶが、これに対応した再生環境はiPod+iTunesなどに留まっている。拡張ポッドキャストを編集できるソフトにGarageBand、Sound it!などがある。背景・歴史[編集]
方法[編集]
聴き方[編集]
大きく二つに分類される。 一つはその音声ファイルを配信しているウェブサイトをWebブラウザ等で訪れてポッドキャスト・ファイルのリンクURLを探し出し、直接ウェブブラウザ等を使用してファイルをダウンロードし、マルチメディア・プレーヤー等に読み込ませて聴く方法である。その場でポッドキャストを簡単に聴きたい時などに向いている。 もう一つはポッドキャスト・ファイルをダウンロードするために作られたアプリケーションソフトウェアを使用する方法である。これは一般的にアグリゲータ︵Aggregator︶と呼ばれる。アグリゲータはポッドキャスト用RSSへとリンクするアドレスを登録し保持することで、登録されたRSSの最新の情報を入手し、RSSに関連付けされているポッドキャスト・ファイルを一括または選択してダウンロードすることを可能にする。RSSを発行しているポッドキャスターがデータを更新すれば、自分でポッドキャスターのサイトを訪れなくとも即座に最新の音声ファイルを入手できるため、複数のポッドキャスト番組を定期的にダウンロードして聴くのに適している。この方法がポッドキャスティングにおける最大の特徴を活かした聴き方であり、かつ最も一般的な方法となっている。 アグリゲータで登録できるRSSは、前述の通りRSS 2.0のフォーマットで、エンクロージャー要素によって音声ファイルへのURLアドレスが記述されている必要がある。 ポッドキャスト用アグリゲータの主な目的はRSSに関連付けされているポッドキャスト・ファイルのダウンロードだが、音楽再生機能を持ち、ダウンロードしたファイルを直接再生できるものも多い。また、ポッドキャスターが管理するウェブサイト上でMacromedia Flashを利用して直接聴けるポッドキャスト・Webサイトも既に多く存在している。携帯ゲーム機のPlayStation Portableでは、ポッドキャストのストリーミング再生、時刻設定して無線LAN経由で保存するタイマー保存に対応している。配信方法[編集]
(一)音声を録音し、音声ファイルに変換する。 (二)Webサーバにその音声データをアップロードする。 (三)その音声ファイルのURLがenclosure要素により関連付けされているRSSを作成・公開する。 ●RSSはバージョン2.0の仕様に基づいて記述する ●enclosure要素はitem要素の階層内に置く ●length属性には音声ファイルのバイト単位の容量を記載する 通常RSSはウェブログの更新システムが設置しているCGIやPHPなどのWebサーバ上のアプリケーションで自動的に生成されるテキストファイルであるため、既存のウェブログ上でポッドキャスティングを行うためには、そのウェブログ更新システム自体をRSSにエンクロージャー要素を埋め込めるように改良するか、もしくはそのポッドキャスト用のRSSを任意で作成・公開する必要がある。しかし、日本では最初からエンクロージャー要素を付加できるポッドキャスティング対応型のウェブログサービスも存在するため、RSS編集は必ずしも全てのポッドキャスターに必要な作業とはならない。脚注[編集]
出典[編集]
- ^ “Short shrift”. The Guardian (2006年1月12日). 2014年8月9日閲覧。