出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上田 ちか子︵うえだ ちかこ、ちか女とも、生没年不詳︶は、幕末の祇園のやわ芸妓、歌人。
生まれは裕福な青楼︵置屋、もしくはお茶屋を指すか︶の娘であったが、自ら望んで芸妓となった。国学者・長澤伴雄の深い馴染みとなり、長澤のもとで和歌を学ぶ。のちに、長澤の窮状においてはなにかと力になることもあった。
大田垣蓮月の歌友の一人であり、蓮月、桜木太夫とともに自らの身分を詠み合った歌が残っている。
蓮月
さそふ水あるにはあらで浮草の
流れて渡る身こそやすけれ
ちか女
さそふ水あらばといはぬ色ながら
下ゆく水に花の亂るゝ
さくら木
さそふ水あらばあらばと川竹の
流のこのみ浮草にして