九位
表示
芸位の「九位」
[編集]上三位
- 妙花風
- 寵深花(ちょうしんか)風
- 閑花風
中三位
- 正花(しょうか)風
- 広精(こうしょう)風
- 浅文(せんもん)風
下三位
- 強細(ごうさい)風
- 強麁(ごうそ)風
- 麁鉛(そえん)風
解説
[編集]
書物の﹃九位﹄︵﹃九位次第﹄とも︶は、﹃花鏡﹄よりも少し後に書かれた、世阿弥の能芸論書である[1]。この著書の中で世阿弥は、仏教における九品になぞらえ、能の芸の段階︵芸位︶を9段階に分けて示した[2]。9段階それぞれの境地の説明には、禅の詩句が引かれている[3]。
世阿弥は同時代の能楽者について、増阿弥の能や音曲の芸位を﹁閑花風﹂と評し、また犬王︵道阿弥︶の能を﹁上三花にて、つゐに中上にだに落ちず﹂と評したことが﹃申楽談儀﹄に見える。
また、能の演目の位としても用いられている。﹃申楽談儀﹄で世阿弥は﹁井筒﹂を﹁上花﹂、﹁松風村雨﹂は﹁寵深花風か﹂と評している。
参考文献
[編集]- 成川武夫『世阿弥 花の哲学』(玉川大学出版部、1980年)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 成川(1980)、pp.133-134
- ^ 成川(1980)、p.134
- ^ “世阿弥の業績/世阿弥のいた環境/禅”. 日本芸術文化振興会. 2017年10月7日閲覧。