判じ物
判じ物︵はんじもの︶とは、文字や絵画に隠された意味を当てるなぞ解き[1]のこと。
フリードリヒ2世がヴォルテールに送った絵。﹁明日サンスーシ宮殿で 晩餐?﹂の意味。
1620年前後のドイツ語の判じ絵
フランスオーブ県のシャウルス︵Chaource︶という村の紋章。 複数の猫︵chats︶と1頭の熊︵ours︶が描かれる。
西洋でも古くからある文化である。有名なのはフリードリヒ2世とヴォルテールとの間の判じ絵の手紙である[5]。フリードリヒ2世が送ったのは﹁pの下に2つの手、à、ノコギリの下に100?﹂の絵で、対してヴォルテールは﹁Ga!﹂と返信した。これはフランス語の同音異義語を用いる判じ絵であり、フリードリヒ2世の絵は﹁Deux mains sous Pé à cent sous scie?﹂と読み、変換すると﹁Demain souper à Sanssouci ?﹂︵明日サンスーシ宮殿で晩餐?︶ となり、ヴォルテールの返信は﹁Gé grand, A petit!﹂︵大きなG、小さなa!︶と読み、﹁J'ai grand appétit !﹂︵食欲を感じます!︶という意味になる。
概要[編集]
発祥は詳しく判っていないが、似たような遊びが平安時代にあったことは判っている。江戸時代の町民文化において、浮世絵で描かれた判じ物が出回るようになり、庶民が手軽に楽しむようになった。当時は﹁なぞ﹂と呼ばれていた[2]。判じ絵[編集]
判じ絵︵はんじえ︶は、絵で表したなぞ解き[3][4]。江戸時代の末期に庶民の間で流行した。判じ読み[編集]
判じ読み︵はんじよみ︶は、文字で表されるなぞ解き。字謎︵じなぞ︶とも呼ばれる。 また、掛詞を使って表と裏の2つの意味を持たせる表現法も判じ読みと呼ばれる[6]。判じ読みの例[編集]
一斗二升五合 一斗は五升の倍、二升で﹁升升﹂、五合は升の半分なので、﹁ごしょうばい-ますます-はんじょう︵ご商売益々繁盛︶﹂と判じて読む[7]。 春夏冬 四季︵春夏秋冬︶の中に秋が無いことから、﹁あきない︵商い︶﹂と判じて読む[7]。または、春夏冬中で﹁商い中︵営業中︶﹂の表示や掲示。出典[編集]
(一)^ “江戸名所判じ物クイズ”. 錦絵で楽しむ江戸の名所. 国立国会図書館. 2020年4月26日閲覧。
(二)^ “お正月は福笑いじゃなく﹁判じ物﹂で初笑い!地名から動物名までまったり解いてみて”. exciteニュース. エキサイト (2019年1月1日). 2020年4月26日閲覧。
(三)^ “江戸時代のなぞなぞは超絶的な難易度!当時のことば遊び﹁判じ絵﹂で脳トレだ!”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (e2015/04/08). 2020年4月26日閲覧。
(四)^ “浮世絵 江戸の最先端を映したメディア”. nippon.com. 公益財団法人ニッポンドットコム (2013年11月22日). 2020年4月26日閲覧。
(五)^ Danesi, Marcel (2002). The Puzzle Instinct: The Meaning of Puzzles in Human Life (1st ed.). Indiana, USA: Indiana University Press. p. 61. ISBN 0253217083
(六)^ 土屋英明. “古体小説叢刊﹃遊仙窟校注﹄の内容” (PDF). 東方書店. p. 36. 2020年4月26日閲覧。
(七)^ ab高木芳紀 (2010年7月8日). “︻なんと読む?︼一斗二升五合とは”. オルタナティブ・ブログ. 普通のおじさんとソーシャルメディア。. ITmedia. 2020年4月26日閲覧。