出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
﹃古今和歌集仮名序﹄︵こきんわかしゅう かなじょ、旧字体‥'假名序'︶は、﹃古今和歌集﹄に添えられた2篇の序文のうち、仮名で書かれているものの方の名称。通常は単に﹃仮名序﹄︵かなじょ︶という。執筆者は紀貫之。初めて本格的に和歌を論じた歌論として知られ、歌学のさきがけとして位置づけられている。
もう一方の序文は紀淑望が漢文で著した﹃真名序﹄︵まなじょ、旧字体‥眞名序︶。
﹃仮名序﹄は、冒頭で和歌の本質とは何かを解き明かした後、和歌の成り立ちについて述べ、次いで和歌を6分類し、各分類について説明する。そして和歌のあるべき姿を論じ、その理想像として2人の歌聖︵柿本人麻呂と山部赤人︶を挙げ、次に近代の高名な6人の歌人︵六歌仙︶を挙げる。最後に﹃古今集﹄の撰集過程について触れた後、和歌の将来像を述べて終わる。
冒頭文[編集]
︵原文はほぼ平仮名でかかれ句読点はない。ここでは読みやすく漢字仮名混じり文にしている。︶
やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり・・・
関連項目[編集]
外部リンク[編集]