和敬清寂
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和敬清寂︵わけいせいじゃく︶とは、茶道の心得を示す標語。意味は、主人と賓客がお互いの心を和らげて謹み敬い、茶室の備品や茶会の雰囲気を清浄にすることという意である。特に千家ではこの標語を千利休の定めた﹁和﹂、﹁敬﹂、﹁清﹂、﹁寂﹂を表す﹁四規﹂として重要視している。しかし利休と同時代の確かな資料には見られないことから、学術的には利休の言葉としては認められていない。
近年の町田忠三の研究﹁﹃南方録﹄成立背景と利休虚像の誕生﹂︵﹃茶の湯文化学﹄9号所収/2004︶では、﹁和敬清寂﹂という言葉を作ったのが大徳寺273世の大心義統︵1657-1730︶ではないかと検証している。
注意‥﹁和敬静寂﹂と誤記され勝ちだが﹁和敬清寂﹂である。