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天福地福︵てんぷくちふく、てんぶくちぶく︶は、日本の民話︵昔話︶。﹁隣の爺型﹂昔話に分類される[1]。
昔話としては﹁正直ものが得をし、欲張りが損をする﹂というパターンではあるが、隣の爺は、負け惜しみが強いのと、壺の蛇を正直爺の家に投げるのも﹁騙されたと思ったから﹂で、特に欲張りではない。
ストーリー[編集]
典型例[編集]
アニメーションテレビ番組﹃まんが日本昔ばなし﹄で紹介されたストーリーでは、以下のような内容である。
見栄っ張りな爺と正直な爺が、隣同士に住んでいた。
新年になり、正直な爺は﹁天から福を授かる夢をみた[2]﹂と、隣の爺に話す。見栄っ張りな爺は悔しくて﹁地から福を授かる夢を見た﹂と嘘を言う。
ある日、正直な爺が畑仕事をしていると、畑の中から小判の入った壺が出てくる。正直な爺は、﹁これは隣の爺さんの言った﹁地から福﹂に違いない、だからこれは隣の爺さんのものだ﹂と言って、小判をの入った壺を隣の爺に渡す。
しかし、隣の爺がその壺を開けると小判ではなく、蛇がでてきた。隣の爺は騙されたと思い、正直な爺の家の屋根に登って、壺から出てきた蛇を天窓から放りなげる。すると蛇は小判に戻り、正直な爺は、﹁天から福じゃ﹂と喜び、たいそうな長者になる。
分布・類話[編集]
東北・北陸地方に分布するが、隣の爺が特に罰を受けない︵蛇に驚く程度で済む︶のが、﹁隣の爺型﹂の民話では珍しい[3]。
- ^ 「日本昔話百選」(稲田浩二・稲田和子)など。
- ^ 正月二日の夜に見る夢は正夢になるという伝承がある。
- ^ サラ文庫まんが日本昔ばなし第3巻-第014話(発刊日:1976年6月25日)/二見書房まんが日本昔ばなし第15巻-第60話(発刊日:2006年9月19日)