心霊治療
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心霊治療︵しんれいちりょう︶は、超常現象の一つで、通常の医療行為によらない病気治療のうち、霊的な力によるものとされる行為の総称である[1][2]。
心霊治療とされる行為には、消毒や麻酔なしで患部を体外へ摘出する心霊手術がよく知られており[2][3]、ほかにも、病気の原因を霊とみなして除霊を行なうことによる治療、治療者が霊的なエネルギーを直接患者に与えることによる治療、霊との交信による病気の診断や処方などがある[4]。
心霊治療を行なったとされる著名な人物には、超能力によって病気の診断を行ったとされるエドガー・ケイシー[4][5]、末期癌など多くの難病を治癒したとされるハリー・エドワーズ[5]、ブラジルの心霊治療師とされるホセ・アリゴーらがいる[2][3][5]。新約聖書でも、マタイによる福音書、ルカによる福音書、使徒行伝などにイエス・キリストが病人を癒した奇跡が記述されており、これらを心霊治療と解釈する向きもある[6]。ほかにもフィリピン[2]、メキシコ、タイなどで心霊手術が行われている[3]。フィリピンのルソン島の聖地バナハオ山には約百人の心霊治療師がおり、マッサージ、祈祷、薬草などによる心霊治療が盛んに行われており、全国から患者が押し寄せているという[7]。
ただし、こうした治療行為はメカニズムが解明されておらず、一般的には常軌を逸した医療行為と見なされ、多くの国で受け入れられているわけではない[3]。心霊治療に見せかけたトリックによる詐欺行為も横行しており[1][8][9]、心霊治療を盲信するあまり適切な医療行為を受けずに却って病状を悪化させるという問題も指摘されている[2]。
脚注[編集]
(一)^ ab羽仁礼﹃超常現象大事典 永久保存版﹄成甲書房、2001年4月、71頁。ISBN 978-4-88086-115-9。
(二)^ abcdeブライアン・ホートン﹃超常現象大全 マインドリーダー、超能力者霊媒の秘密を解き明かす!﹄福山良広訳、ガイアブックス、2012年2月10日︵原著2011年︶、168-177頁。ISBN 978-4-88282-823-5。
(三)^ abcdミステリーゾーン特報班編﹃自然界で起きている超常現象の謎﹄河出書房新社︿KAWADE夢文庫﹀、2012年8月、163-165頁。ISBN 978-4-309-49843-0。
(四)^ ab“心霊治療の分類”. 日本スピリチュアル・ヒーラーグループ. 2013年10月29日閲覧。
(五)^ abc森井啓二﹃臨床家のためのホメオパシーノート 基礎編﹄ナナ・コーポレート・コミュニケーション︿Nanaブックス﹀、2010年9月、179-180頁。ISBN 978-4-904899-07-6。
(六)^ シャーロット・イリオパウロス﹃現代医療の治療効果を高める補完代替療法﹄阿部順子訳、産調出版、2006年6月1日、12頁。ISBN 978-4-88282-481-7。
(七)^ 大田垣晴子﹃イラスト会話ブック﹄ 8巻、JTBパブリッシング、2006年9月、124頁。ISBN 978-4-533-06501-9。
(八)^ 高田明和﹃病気にならない血液と脳をつくる 人のからだは心が喜んだ分だけ元気になる﹄日本教文社、2001年11月20日、69頁。ISBN 978-4-531-06364-2。
(九)^ 安斎育郎﹃だまし博士のだまされない知恵﹄新日本出版社、2007年12月、157頁。ISBN 978-4-406-05084-5。