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﹃春の日﹄︵はるのひ︶は、俳諧の撰集で、俳諧七部集の一つ。山本荷兮編。1686年︵貞享3年︶8月、京都の寺田重徳刊。
歌仙3巻・表合と発句58句を集め、作者は歌仙・発句とも荷兮・加藤重五・旦藁・岡田野水・越智越人・高橋羽笠など、尾張地方の俳人を中心としている[1]。芭蕉句は﹁古池や蛙飛こむ水のをと﹂﹁雲折〳〵人をやすむる月見哉﹂﹁馬をさへながむる雪のあした哉﹂の3句のみだが、﹃冬の日﹄の続編として芭蕉の指導があったと推察される[1]。作風は平明・安らかで、後の蕉風の向かう方向を示唆している[1]。
- ^ a b c 佐藤勝明編『21世紀日本文学ガイドブック5 松尾芭蕉』ひつじ書房、2011年10月、104頁。