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木棺︵もっかん︶とは、遺骸を収める棺を木材で造ったもの。
棺には、木棺の他に壺棺・甕棺・石棺・陶棺・漆棺などがある。
木棺は、材料の入手性や加工の容易さ、火葬の習慣などから、日本では古代から絶えることなく使用されている。
木棺には、板材を組み合わせて造られた組合式︵くみあわせしき︶木棺と木材を刳り抜いて蓋と身を造った刳抜式︵くりぬきしき︶木棺とがある。
組合式木棺は、縄文時代晩期後半に稲作とともに北九州に渡来し、現在まで用いられている。刳抜式木棺は、割竹形︵わりたけがた︶木棺を中心に、弥生時代終わり頃に大陸から伝来し、古墳時代初期では多用されていたが、後期には箱形木棺に取って代わられた。
組合式木棺・刳抜式木棺は、ともに遺体を仰向けや横向けに納める寝棺であるが、江戸時代以降には座った姿勢で納める座棺も出現した[1]。
座棺には平面円形と方形のものがあり、円形のものは早棺や桶棺、方形のものは立棺や箱棺などと呼ばれる。
組合式[編集]
箱形が一般的で、縄文時代晩期の西日本に出現し、弥生時代以降は西日本で発達した。
刳抜式[編集]
●割竹形木棺‥小型のものが弥生時代後期に出現した。
●舟形木棺 ‥弥生時代や古墳時代に見られる。
(一)^ 座った姿勢で埋葬することは弥生時代中・後期の吉備や北海道地方でも見られる。
参考文献[編集]
●田中琢・佐原真編﹃日本考古学事典﹄三省堂 2003年 ISBN 978-4-385-15835-8
●永原慶二監修 石上英一他編集﹃岩波 日本史辞典﹄岩波書店 1999年 ISBN 978-4-00-080093-8
関連項目[編集]
●古墳
●棺
●石棺
●石棺墓
●木棺墓