出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
﹃祝福するキリスト﹄︵しゅくふくするキリスト、伊:Cristo benedicente︶は、1500年頃に制作されたイタリアのルネサンス期ヴェネツィア派の巨匠、ジョヴァンニ・ベッリーニによる絵画である[1]。現在、米国テキサス州、フォートワースにあるキンベル美術館に収蔵されている。
本作は、右手を挙げながら、赤い杖をもう一方の手で握っているイエス・キリストを描いている。キリストの傷は手と胸にわずかに見える。影は、キリストの復活が真実であることを示している。一方、背景の風景には、復活を意味する多くのモチーフが含まれている。パネルの左側にある枯れた木と孤独な鳥は、旧約聖書に記されている﹁古い契約﹂を表しており、その﹁古い契約﹂からキリストによる﹁新しい契約﹂が生まれてくることを意味する。左下隅にあるつがいのウサギのは再生のシンボルであり、右下隅にある三人の衣服を着た人物は三人のマリアである。遠くにある鐘楼は、キリストと教会を通して救いを見いだせるというメッセージを伝えている[2]。鳥の種類はあまり明確ではないが、カササギであると言われている。この鳥は、ピーテル・ブリューゲルの﹃絞首台の上のカササギ﹄︵1568年︶にも登場する[3]。
作品はキンベル美術館に所蔵されている。 2017年1月、﹁ジョヴァンニ・ベッリーニ‥ルネサンス・ヴェネツィアの信仰の風景﹂展で、マリブのJ・ポール・ゲティ美術館に展示された[4]。
|
---|
1470年代までの作品 |
|
---|
1490年代までの作品 |
|
---|
1500年以降の作品 |
|
---|
関連項目 |
|
---|