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﹃鳳ボンバー﹄︵おおとりボンバー︶は、週刊少年サンデー2002年23号~2003年21号まで連載されていた、田中モトユキの野球漫画作品。全5巻。作者は2005年から、最強!都立あおい坂高校野球部を同雑誌に連載している。
あらすじ[編集]
主人公である中学3年生の鳳啓助は、大打者の父を持ち、ドラフト会議で1位指名をうける。彼の入団からプロ野球開幕までの時期を描いている。
この作品中の野球界について[編集]
この作品中は、﹁アルティメットリーグ﹂と呼ばれる、架空の野球リーグを舞台としている。主なチームとして、主人公が所属するテイオーフェニックス︵物語の最後に、東京フェニックスに名称が変わる︶と、銀河キングスがある。
主な登場人物[編集]
鳳啓助︵おおとり けいすけ︶[一誠学園中学 → テイオーフェニックス﹈
本編の主人公。リトルリーグ・シニアリーグの世界大会でMVPを獲得した経歴を持つ。投手。背番号34。右投げ。父である鳳欽助の所属する、テイオーフェニックスに1位指名され、入団する。持ち前の気迫と、知らず知らずのうちに投げていたというムーヴィング・ファストボール、﹁暴れんボール﹂が武器。球団消滅後は、フェニックスに残留。
鳳欽助︵おおとり きんすけ︶﹇大学→テイオーフェニックス→銀河キングス﹈
鳳啓助の父親。40歳。三冠王を8回獲得した、リーグ屈指の強打者。三塁手。右投右打。背番号3。型破りで豪快な性格の持ち主。熱烈な愛妻家。億単位の年俸を貰って来た為、金銭感覚が家族を始めとした一般人とずれている。物語の最後に、銀河キングスに移籍する。
鳳百合子︵おおとり ゆりこ︶
鳳欽助の妻で、鳳啓助の母親。42歳。夫に熱愛され、20歳以上は年下の浜田にも好意を寄せられる程の美女。
鳳さやか︵おおとり さやか︶
鳳啓助の妹。小学4年生。
石村︵いしむら︶
鳳家の専属ドライバー。リーゼントヘアーが特徴。
テイオーフェニックスの選手・関係者[編集]
一軍選手
稲垣仁︵いながき じん︶
テイオーフェニックス不動のストッパーで、200勝200セーブの実績を持ち、﹁仁義なき仕事人﹂の異名を持つ。左投げ。背番号26。堅実な投球術が武器であったが、紅白戦で監督に煽られ、本来の剛速球で押すスタイルを開放。最速158キロを出す︵監督曰く、﹁稲垣仁超再生計画﹂の成功︶。球団消滅後は、フェニックスに残留。
マーク・ハイド
元メジャーリーガーで外野手。左打ち。通訳なしで日本語が話せ、その振る舞いから、﹁紳士﹂のあだ名で呼ばれるが、切れるとコワイ。紅白戦では4番打者を務めた。背番号44。実はカツラ。球団消滅後も、フェニックスにとどまる。
垣花︵かきはな︶
紅白戦に登場した三塁手。右投右打。﹁ソウルクラッシャー﹂の異名を持つ。鳳欽助に匹敵するパワーの持ち主であるが、変化球が苦手らしい。紅白戦では9番打者︵5・6・7番に連続四球→8番打者のピッチャーゴロ併殺のあとに登場した事から︶。背番号47。球団消滅後の足取りは不明。
熊田︵くまだ︶
フェニックス1軍の捕手。右投げ。紅白戦で啓助とバッテリーを組み、球の秘密を解明した。
明石英吉︵あかし ひできち︶
フェニックスの1軍監督で、﹁奇術師﹂の異名を持つ。﹁ある計画﹂のために、啓助をストッパーに指名した。球団消滅後も、フェニックスの監督を続投した。
二軍選手
浜田勝利︵はまだ まさとし︶
高卒2年目の捕手。右投右打。背番号66。啓助の相棒であり、兄貴的存在。キャッチングに優れるが、バッティングは期待できない。女性受けするタイプで作中で様々な女性から﹁カワイイ﹂と声援を受けている。相方である投手が居らず、ピッチングマシン相手に練習していた。その孤独な姿を見た啓助と組む様になる。それ以降の啓助からの呼び名は﹁ハマちゃん﹂。1軍昇格最終候補まで残ったが、啓助と仲間割れを起こし、失格になる。球団消滅後は、フェニックスに残留。
中島譲治︵なかじま じょうじ︶﹇早明大→テイオーフェニックス]
三塁手。右投左打。背番号8。鳳欽助の後継者として期待されていたが、不運︵捻挫、骨折、肉離れなど︶続きで10年間、二軍暮らしをしていた。銀河キングスとの試合では、4番に座り、ホームランを放つ。球団消滅後も、フェニックスに残留。良子という妻がいる。無精髭を生やして性格も荒んでいたが、一軍昇格で髭を剃ってやや前向きとなる。
高木健二︵たかぎ けんじ︶
投手。左投げ。背番号17。身長190センチの長身投手であるが、小心者で打たれ弱い。キレのいいカーブが武器。球団消滅後も、フェニックスに残留。
吉田和男︵よしだ かずお︶
内野手︵二塁手か遊撃手であるが、円陣の際の位置関係から、前者の可能性が高い︶。右投右打。胃腸が弱いのが欠点。子供が生まれたばかり。球団消滅後も、フェニックスに残留。
多川︵たがわ︶
捕手。右投。背番号49。際どいキャッチングが下手︵そもそも、啓助の暴れんボールすら捕れない︶で、ピンチを広げてしまい、浜田に交代させられる。ゴマすりが得意。球団消滅後の足取りは不明。
新川真︵しんたに まこと︶
外野手。右投。ヤジに敏感。球団消滅後も、フェニックスに残留。
倉田︵くらた︶
一塁手。右投︵細かくて分かり辛いが、左手にミットをしている︶左打。背番号49︵多川と被っている︶。ノースリーからの抜け球をフライにしてしまうが、全力疾走した。
押尾大作︵おしお だいさく︶
フェニックスの2軍監督。
銀河キングスの選手・関係者[編集]
播帳大樹︵ばんちょう だいき︶
銀河キングスの4番打者。右投右打。背番号3。鳳欽助と並び称される大打者︵この事から、三塁手の可能性が高い︶で、昨シーズンのMVP。しかし、球団のV旅行で、鮫との格闘の結果、右足に大怪我をしてしまい、治療を余儀なくされる。しかし、オオナミ杯において、代打として登場、啓助の球を空振り三振した。
木村準︵きむら じゅん︶
銀河キングスの1番打者で遊撃手。右投両打︵試合では右打席のみの描写︶。本人曰く、﹁左はシュアな精密機械、右は振り回す事しか頭にない野獣﹂。背番号5。天才で練習嫌い。バットコントロールは抜群で、﹁アップ﹂と称して、一塁から順番に全ポジションに打球を打ち分けるほど。漫画の初めと最後で全く顔が違う。
KOGA︵こが。字は不明︶
オオナミ杯に出場。右打。高木のスッポ抜けたカーブを振って三振。
丸亀綾弥︵まるかめ あやや︶
銀河キングスのオーナーの娘で、啓助の幼馴染。自身の立場を気にしており、啓助に対して距離を取っている。一誠学園中学校。自分のせいで播帳がケガした事を負い目に感じており、啓助に自分は﹁播帳の婚約者﹂だと言った。
その他の人物[編集]
ノーラン・ライデン
作品中には登場しない。﹁メジャーの速球王﹂と呼ばれている投手。
山本・神谷︵やまもと・かみや︶
新日本スポーツの記者・カメラマン。啓助の投球フォームを始めてカメラに収めた。また、暴れんボールの名付け親でもある。