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麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)とは漢方薬の一種である。
味は少し甘みがあるものの渋みが強く飲みにくい。麻黄と杏仁が咳を鎮め、麻黄と石膏の働きにより体の熱を取り除き、止汗や利尿作用がある
構成生薬[編集]
その他[編集]
●配合レシピは麻黄湯から桂枝を除き、石膏を追加したもので、桂枝の︵漢方の概念としての︶体表への作用から、石膏の体内部の熱を取る作用に変更されたことになる。石膏と相互作用により、麻黄の発汗作用が制汗に変化し、杏仁も鎮咳に加えて胸部の熱を取る効能が生じる。[3]
●類聚方広義には、﹁ひどい咳がやまず、顔がむくみ、喉や口が乾燥し、胸痛がある場合に使用する﹂とある。また勿誤薬室方函口訣には、﹁麻黃湯︵の病を起こしていた熱︶が体内部に進んだ症状﹁汗出而喘﹂︵脂汗とひどい咳︶の薬。体表部にあった熱︵大熱︶が内部に潜入し胸部に迫ってひどい咳を起こしている状態で、これを麻黄石膏が解消する。﹂と説明している。[4][5][3]。
●ひどい咳︵発症直後ではない︶があり、口渇、脂汗、顔面浮腫、呼吸困難を伴うような症状が伴うことがある。また尿は少なく色は濃い︵体内の熱のため︶。消化器は丈夫で食欲がある。このような場合に有効とされ、今日の病名では、気管支炎、感冒︵せき︶、喘息性気管支炎、百日咳、肺炎、気管支炎喘息、小児喘息などが該当する。また胃腸を冷やす効果が強いため、胃腸の丈夫な人に使用し、服用して食欲減退が見られれば合わないため中止すべきである[3]。
●抗生物質のない時代に、咳・発熱に、粘り濃いタンが出る症状に対して、粘り濃いタンは細菌感染を示していて麻杏甘石湯がよく使われた。透明なタンの場合は抗生剤も無効なウイルス感染で小青竜湯が使われた[6]。
●五虎湯は、麻杏甘石湯に桑白皮を加えた処方である。両者の用法は似ているが、麻杏甘石湯は頓服的な使い方で、五虎湯はやや長期的に服用できる[3]。
(一)^ ﹁發汗後,不可更行桂枝湯。汗出而喘,無大熱者,可與麻黃杏仁甘草石膏湯主之﹂
(二)^ 傷寒論/辨太陽病脈證并治 - 中國哲學書電子化計劃
(三)^ abcde﹁漢方212方の使い方﹂- ISBN 4840743258
(四)^ 類聚方広義 - 国立国会図書館デジタルコレクション
(五)^ 勿誤藥室方函口訣 - 中國哲學書電子化計劃
(六)^ ﹁今日から使える漢方薬のてびき﹂- ISBN 4061531492
関連項目[編集]
●薬の煎じ方
●五虎湯 - 麻杏甘石湯に桑白皮を加えたもの