コンテンツにスキップ

Diode-transistor logic

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
DTLによる2入力NANDゲートの単純化した回路図

Diode-transistor logic (DTL) はバイポーラトランジスタダイオード抵抗器で構成される、ディジタル回路において論理回路を実現する方式の一種である。transistor–transistor logic (TTL) はDTLが発展したものである。ANDゲートなどの論理ゲート機能をダイオードのネットワークで実現し、増幅機能をトランジスタで実現しているため、(RTLTTLとの対比で)このように呼ばれている。

動作

[編集]

DTL D1, D2, R1 diode logic[1]IBM 1401 DTL使NPNPNP

R32LOR4[2]

低性能

[編集]

それ以前の resistor-transistor logic (RTL) に対する最大の優位点は、ファンイン(入力線の数)を増やせる点である。しかし、伝達遅延は相対的に大きいままとなっている。全入力がHIとなってトランジスタが飽和状態になるとき、電荷がベースに蓄えられる。飽和状態でなくなるとき(入力がLOになるとき)この蓄えられている電荷が解放されるが、それにかかる時間が伝達遅延の主要因である。性能を改善する1つの方法として、トランジスタのベースと負の電圧の間を抵抗器でつなぐ方法があり、それによって電荷の解放を加速させる。

TTLでは論理ゲート部分をマルチエミッタ・トランジスタにすることでこの問題を解決しており、同時に集積回路として実装したとき必要な面積が小さくなるという利点がある。

CTDL

[編集]

もう1つのDTLの性能改善法として、R3をまたぐようにコンデンサを追加し、R2と直列にコイルを追加する。この技法は IBM 1401 でも使われ、CTDL (complemented transistor diode logic) と呼ばれた[3][4]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ Jacob Millman, (1979). Microelectronics Digital and Analog Circuits and Systems. New York: McGraw-Hill Book Company. pp. 141–143. ISBN 007042327X. https://books.google.co.jp/books?id=DWMsAAAAYAAJ&q=diode-transistor+logic+resistor+intitle:microelectronics+inauthor:millman&dq=diode-transistor+logic+resistor+intitle:microelectronics+inauthor:millman&lr=&as_brr=0&as_pt=ALLTYPES&ei=5IxASaLsBomyyQTh8dWpDg&pgis=1&redir_esc=y&hl=ja 
  2. ^ ASIC world: "Diode Transistor Logic"
  3. ^ IBM 1401 logic. Retrieved on 2009-06-28.
  4. ^ Form 223-688, IBM (1960). Form 223-6889-Transistor Component Circuits. IBM. http://ibm-1401.info/Form223-6889-TransistorComponentCircuits.pdf 2008年4月23日閲覧。